WSJT-Xの新しいバージョンが Candidate Release for WSJT-X Version 1.8.0-rc1 としリリースされています。
Candidate Releaseなので様子を見ていましたが、PSKレポーターを見てるとWSJT-X v1.8.0を使われてる方が多くなったので、私もバージョンアップしてみました。
v1.8.0の目玉はFT8( Franke and Taylor, 8-FSK modulation) という新しい通信モードです。

FT8の仕様(自動翻訳なのでおかしな用語があるかも)
- T / Rシーケンス長:15秒
- メッセージ長:75ビット+ 12ビットCRC
- FECコード:LDPC(174,87)
- 変調:8-FSK、トーンスペーシング6.25 Hz
- 定包絡線波形
- 占有帯域幅:50 Hz
- 同期:開始、中間、終了時の7x7 Costas配列
- 伝送時間:79 * 1920/12000 = 12.64秒
- 復号化閾値:-20dB; APデコードで数dB低下
- マルチデコーダは、通過帯域内のすべてのFT8信号を検出してデコードします
- CQ応答へのオプションの自動順序付けと自動応答
- JT9、JT65と同様の動作上の動作

JT65との大きな違いは15秒間隔で交信を行う事です。
他に占有帯域が狭いので混信が少なそうです。ただ、今のところ出ている局数が少ないので混信という感じでは無いですが。
あと、15秒間隔なので次の送信文の準備をする余裕が無いためか、交信シーケンスが自動で実行されます。
受信CQメッセージをダブルクリックすると後は73送出まで自動で進みます。
JT65より更に機械的ですね。好き嫌いがありそうですが、私はながらQSOが多いのでJT65も同じ機能が欲しいです。

バージョンアップは WSJT-X HOME PAGE からwsjtx-1.8.0-rc1-win32.exe をダウンロードしてインストールします。
インストール後、JT65の7.041MHzバンドが無くなったので、再度追加登録しました。
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JT65の7.041MHzとJT9の7.043MHzを追加しました。
FT8ではJT65の周波数の2KHz下を使います。v1.8.0でFT8の周波数情報が追加されたのと IARU Region 情報が追加されたので周波数定義情報がデフォルトに書き換えられたようです。

それ以外の設定変更は必要無いようです。

なお、いままで気にしてなかったのですが、WSJT-Xの周波数設定は通信モード毎になっているんですね。
以前掲載した WSJT-XによるJT65運用環境向上(その2) 音声周波数シフト は通信モードを切替えるやり方のほうが良さそうなので、見直してJT9の運用について追記しました。

バージョンアップ後、7.074MHzをモニタしたら朝方だったのでヨーロッパ方面が開けていました。
スイスの局を呼んだらあっさりQSOできました。
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いつもの癖で相手応答時に「R+dB」ボタンを押してしまったのでR+dBのテキストが2度表示されてしまいました。
R+dBテキストと73テキストは自動で送信されます。
こちらからCQを出した時も、相手からの応答をダブルクリックしてdBテキストを送れば、後は自動的に進みます。
ただ、CQに対する相手応答テキストがデコードされて次のdBテキスト送信までの時間が短いので、最初の送信がシーケンス途中からになって相手に届かない事が多いようです。その場合は次の回で再送されるdBテキストが相手に認識されることになります。
交信間隔が15秒で短いので、再送が多くてもJT65より1回の交信時間は短くて済みます。

FT8はまだ使ってみたレベルで、使いこなすまで時間がかかりそうです。
感想としては、FT8は15秒間隔なので自動シーケンスがあるとは言え、JT65のように途中で別の事をやるのは難しそうです。
個人的には、ながら運用でのんびりQSO出来るJT65の方が性に合ってそうな気がします。

(おまけ)
LoTWにFT8の交信データをアップロードしようとするとエラーになります。
現時点( 2017/08/09)ではLoTWの通信モードとしてFT8はまだ登録されてないそうです。
とりあえずは、TQSLの設定でアップロードできるようになります。
eQSLは既に対応済みのようです。 JTAlertX は2.10.0で対応したようです。

以下を参考にさせていただきました。
FT8の交信データをLoTWにアップしてみた

(2017/08/15 追記)
今日、LoTWにログをアップロードしたらFT8の交信データが登録できました。
TQSL起動時に情報更新の確認画面が出てOKしたら、ADIFモードの一覧にFT8が追加されて先に設定したカスタム情報は消えていました。
LoTWのログを見るとDATAに変換して登録したログとFT8のログがダブって登録されていますが、良しとします。

(2017/08/24 追記)
FT8の交信数もだいぶ増えてきました。
FT8運用で気づいた事を追記しておきます。

1. 弱い信号の相手との交信は難しい。
JT65に比べて-10dB以下の相手を呼んでも拾ってもらえない事が多い気がします。
受信が-19dB(仕様では-20dB)くらいまでしかデコードできないので、アンテナ&パワーがプアな私の信号は相手側ではデコードできてないのでは無いかと思います。
FT8はJT65に比べて、送信時間が短かいためエラー訂正情報が少ないのと、帯域が狭いのでノイズの影響が大きいなどでJT65よりデコード性能が悪いのでしょうね。
Release Notesに
3. Enhanced FT8 decoding using AP ("a priori") information.
4. Signal subtraction and multi-pass decoding for FT8.
と書いてあるので今後、デコード性能が上がると良いですね。

2. CQを出すと全自動で交信できる。
私はこちらからCQを出すことは少ないのですが、Call 1st にチェックを入れてCQを出すと、CQへの応答に対しても自動シーケンスが進むので交信が全部自動で実行されます。
CQを出しておいて、他の事をやっていても自動的に交信が終了するので便利と言えば便利ですが、JT65のように相手を選別する事は出来ませんね。 逆に選別されることも無いわけですが。
この件に関してRelease Notesに 5. Option for FT8 to Auto-respond to the weakest responder to your CQ. とありますが、現在はもっとも低い周波数で応答した相手が選ばれるのでしょうかね。一番弱い相手に応答するオプションというのは、面白いですね。