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(2020年7月)8月のSSTVアクティビティコンテストが3年ぶりに復活するので、しばらく使っていなかったMMSSTVを使えるようにしました。再インストールにともない、パソコン環境が変わったなどで内容を見直しました。

IC-7300M + WSJT-XでJT65(FT8)運用開始 の記事から約4カ月経ちましたが、JT65+JT9のQSO数が700くらいになりました。 しかし、最近は交信済みの局が多くて交信数が伸び悩んでいます。
JT65の他に IC-7300M + MMTTY で RTTY運用開始 で掲載したRTTYもやってますが、こちらは相手が少ないこともあって交信数は少ないです。

最近7MHzをモニタしてたら7.175MHzあたりで信号音が聞こえていたので調べたらSSTVでした。
8月は丁度JATSAのSSTVアクティビティコンテスト 開催中でオンエアーしてる局が多いようです。 お盆休み期間だったので特に多かったのかも知れません。

そこで、SSTVをやってみようと思いついて調べてみました。
SSTV通信ソフトMMSSTVのインストールと設定をして通信できるようになったので手順を掲載しておきます。
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IC-7300のUSB接続についてはIC-7300M + WSJT-XでJT65(FT8)運用開始 で設定済みなので今回はMMSSTVの設定だけで比較的簡単に運用開始できました。IC-7300Mの設定は本記事で変更したもの以外はWSJT-Xでの設置と同じです。
(追記)最新版のIC-7300 + WSJT-X2.2で FT8 運用開始(改版)およびIC-7300でFT8運用開始 IC-7300の設定を参照してください。
ただし、後述しますがIC-7300MをデータモードにしてるとSSBによる会話が出来ないのでCI-VコマンドでデータモードをON/OFFするようにしたので、この設定で少し手間取りました。
(2017年11月にIC-7300のファームウェアVersion 1.20で、データモード時にマイクから話せる設定が追加されたので、CI-Vコマンドを使わない方法もあります。後述)

1. MMSSTVダウンロードとインストール
 SSTV用ソフトを検索するとMMSSTVがポピュラーなようです。ただ2010年10月以降バージョンアップされていません。他に新しいものが無いか探してみて、RX-SSTV というソフトがあったのでこちらにしようかとダウンロードして説明を見たところ受信専用ソフトでした。MMSTVを使うのが無難のようです。

MMSSTVは以下からダウンロードできます。
 SSTV 通信ソフト MMSSTV
最終版はVer1.13で、ベーター版のVer1.13Aもあります。Ver1.13では問題があったのでVer1.13Aを使いました。

ダウンロードした mmsstv113A.exe を実行してインストールします。
インストール先はデフォルトの C:ドライブ直下としました。
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MMSSTV.TXTに一通りの説明が書いてあるので参考にしてください。

インストール後、デスクトップにMMSTV.EXEのショーカットを作っておきました。

2. MMSSTV設定
 設定は MMSSTVの設定 を参考にさせていただきました。

 MMSSTVを実行すると最初にコールサイン入力画面が出ます。
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コールサイン入力後、「オプション」から「MMSSTV設定画面」を選択します。
私の設定内容を掲載しておきます。
[受信]
MMSSTV8.png

[送信]
(2017年11月にIC-7300のファームウェアVersion 1.20で、データモード時にマイクから話せる設定が追加されたので、CI-Vコマンドを使わなくても良くなりました。CI-Vコマンドを使う場合と、使わない場合の設定を書いておきます。)

(CI-Vコマンドを使う場合)
MMSSTV9.png
PTTの設定を[Radio command] で行うように設定しました。
IC-7300MのCI-Vコマンドを使って送信と受信の切り替えを行うようにしています。

他にはCWIDでKを送出するようにしました。他局の交信をモニターしてると画像送信の最後にCWでKを送ってる方がいたので私も真似しました。(笑)

[Radio command] の設定は以下です。
先に下の[Unkown]の所で「Icom xx=addr 01-7F」を選択してから設定してください。
MMSSTV10.png
ポートは私のPCではCOM4になっていますが、WSJT-Xで設定した内容と同じです。
[DTR/RTS PTT]をチェックしないと受信状態でRTSがONになるようでIC-7300Mが送信状態になってしまうので、チェックしました。

PTT制御は最初RTSで制御していたのですが、SSTVでは画像送信の前後にSSBで会話する必要があり、データモードのままだとマイクからの音声が入力されないので困ってしまいました。
IC-7300Mの画面から画像データ送信前にLSB-Dにして、送信が終わるとLSBに戻すという操作をすれば交信できますが、「データを送ってください」と言われてから送り出すまで時間がかかるし、とても面倒でした。

そこでIC-7300Mの補足説明書を調べて受信/送信でデータモードをON/OFFするようにしました。
送受切替えコマンドに以下を追加してUSB/USB-Dを切替えるようにしています。
他にマイクで話すとモニター音が聞こえるのでモニターのレベル変更も入れました。
 xx=94
RX: \$FEFExxE01C0000FDFEFExxE01A060000FDFEFExxE014150000FD
TX: \$FEFExxE01C0001FDFEFExxE01A060101FDFEFExxE014150013FD\w10
  1A06 データモードの設定
  1415 モニターゲインの設定
(注)先頭の\(バックスラッシュ)は実際は¥(小文字)です。上記をコピーしてMMSSTVに貼りつければ、¥(小文字)になります。

VFO pollingも設定してIC-7300Mの周波数がMMSSTVの画面に表示されるようにしています。

(CI-Vコマンドを使わない場合) (2020年7月追記) お勧めしません。(^^;
Radio ComandのPortはNONEにします。
MMSSTV20.png
IC-7300側は変調入力(DATA ON)をMIC,USBに設定してデータモード時にマイクから話せるようにします。
[MENU]-->SET-->外部端子-->変調入力(DATA ON)
20200727_094525.png
CI-V制御をしなくてもマイクから話せるようになりますが、SSTVデータ送信中もマイクからの音声が入力されます。データ送信中は静かにしないといけないようです。(笑) 
他にVFOポーリングが出来ないので、周波数の自動表示が出来ません。
せっかくICOMさんが追加してくれたのですが、CI-Vコマンドを使った方が良いと思います。(^^;


[その他]
サウンドカードもWSJT-Xの設定と同じです。
最初、Ver1.13をインストールして IC-7300の再生デバイス名を「IC-7300」にしていたら、うまく送信できませんでした。Ver1.13Aの修正履歴に「サウンドカード指定不具合の修正」とあったので、Ver1.13Aをインストールしたらうまく送信できるようになりました。
MMSSTV11.png
上記までの設定で、MMSSTVの[送信]タブを押して送信画像の下にある[1200]ボタンを押すとIC-7300Mが送信状態になり1200Hzの信号が送られるはずです。送信中はIC-7300MのモードがLSB-Dになります。送信にならない場合は設定に問題があります。
MMSSTV12.png
20200725_174912.png

参考にログ設定画面の設定内容も掲載しておきます。
「オプション」から「ログ設定画面」を選択します。
MMSSTV15.png
[入力設定]タブのLinkで[Turbo HAMLOG/winとの連携]をONにしています。
MMSSTV16.png
MMSSTV17.png

3. SSTV画像受信
上記の設定後にSSTVの信号を受信してみます。
IC-7300Mの通信モードはバンドによりLSBまたはUSBにします。(IC-7300のRadio Comand を使わない場合は、受信時もLSB-DまたはUSB-Dにします。)

受信信号レベルは[オプション]--> [入力ボリューム調整」で録音デバイスが表示されるので、先に設定したデバイス((私の場合はIC-7300)をダブルクリックして[レベル]タブで調整してください。
MMSSTV13.png
信号受信時にウォーターフォール画面の左のメーターが1/2~1/3になるように設定すれば良いようです。
私の環境ではFT8運用のためにIC-7300M側のACC/USB AF出力レベルが20%に設定されていましたが、MMSSTVのSSTV受信ではレベル不足だったので50%に変更して、パソコン側を80%にしました。
20200725_180141.png
FT8の時はパソコン側の設定を10%に変更すれば問題ない受信レベルになります。SSTV時とFT8時でパソコン側のレベル変更が必要で、面倒ですが仕方ありません。(^^;

[受信]タブをクリックして受信画像表示状態にしてSSTV信号を受信すると受信画像が表示されます。
モードはAutoにしておけば自動で判定されるようですが、国内局ではScottie1かScottie2が使われるようです。(コンテストではScottie1(110秒)より通信時間の短いScottie2(71秒)が使われるようです。)
JASTAコンテスト参加局の信号を以下の周波数で受信できました。
7.175MHz LSB
7.178MHz LSB
7.181MHz LSB
14.230MHz USB

7MHzでは上記の周波数の空いているところを使うようです。
(空きが無い場合、7.169、7.172、7.175、7.178、7.181、7.184 も使われるそうです。)
14MHzでは14.230MHzで出ている局しか確認できませんでしたが、14.230MHzが使われていたら3KHz上か下へシフトしていくのだと思います。
コンテスト用CQ画像が受信できました。
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ついでに、送信信号レベルも設定しておきます。
送信信号レベルは[オプション]--> [出力ボリューム調整」で音量ミキサーが表示されるので、スピーカの右下の▼から先に設定したデバイス(私の場合はIC-7300)を選んでスライダーで調整します。
MMSSTV14.png
私の場合はパソコン側を10%、IC-7300MのUSB変調入力レベルを50%に設定しました。
これで、SSTV運用時ALCがほとんど動作しないレベルになり、FT8運用時もWSJT-XのPwrスライダー最大でALCが動作しないレベルになりました。

4. 送信画像の準備
交信を始める前に送信画像を準備します。

MMSSTVの[テンプレート]タブをクリックして、通信画像画面下の[ストック画像]タブをクリックします。
下のストック画像一覧には最初は何も画像がありませんが、エクスプローラーから送信画像にしたい写真ファイル(JPEG)をここにドラッグして持って来ることができます。 JPEGファイルをドラッグすると画像クリッパー画面が開くので適当な部分を選んでOKを押してサイズ変換します。 
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送信画像は320x256のサイズに変換されてストック画像一覧に表示されます。
画像に文字や顔写真を入れる場合は先にペイントソフトなどで編集しておきます。
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適当な画像を数枚入れました。
通信時に画像一覧から通信画像画面に画像をドラッグして送りたい画像を選ぶことが出来ます。

次に[ストックテンプレート]タブをクリックしてテンプレートを準備します。上の列は最初から入っていたものを少し編集したものです。
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ストックテンプレートから通信画像画面にテンプレートをドラッグしてテンプレートを表示させて編集します。
編集は通信画像画面下のボタンを使います。上の参考画面ではCONTESTの文字を入力しています。
文字は相手コールなどのマクロも入力できます。
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編集した画像をドラッグしてストックテンプレート一覧に入れれば編集完了です。
コンテスト用にCONTESTの文字入りCQ画面を作りました。
通信時にストックテンプレート一覧から通信画像画面にテンプレートをドラッグすれば通信に使うテンプレートを選ぶことが出来ます。ダブルクリックでも良いです。

5. SSTV交信
画像送信の前に同期の調整が必要なようですが、私の環境では調整の必要はありませんでした。
[同期]タブで同期画面を表示してSSTV信号を受信してみましたが、ずれはありませんでした。
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CQを出している局を呼んでみました。[RxID]と[TxID]ボタンを押込んでおきます。
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相手はCQ画像送出後に音声受信に移るので、音声で相手を呼んで応答してもらえたら(「送ってください。」とか)、画像送信に移ります。
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送信画面で画面下のTXボタンを押すと送信が始まります。IC-7300Mの通信モードが自動的にLSB-DまたはUSB-Dに変わります。(Radio commandを使わない場合は、受信時もLSB-DまたはUSB-Dになっています。
相手コールサインはSSTV信号(FSKID)に入っているのでCQ画像受信時に自動的に設定されます。
なお、HAMLOGと連携している場合はHAMLOGを立ち上げておけば、HAMLOGユーザーの名前、QTH情報も表示されます。
コンテスト中なのでコンテスト用の画像を送りました。

送信が終わると相手から画像を送ってきます。
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最後に相手から音声で確認があるので受信できた事を伝えて、挨拶して終わりです。
(コンテスト以外ではレポート画像の後に73の画像を送る事もあるようです。)

HAMLOGと連携している場合は、交信開始時にLogエリアの[QSO]ボタンを押して、交信終了時に再度[QSO]ボタンを押せば自動的にHAMLOGにログに入力されます。

あと、交信時、受信画面と送信画面を切替えるのが面倒なので[表示]-->[受信画像を常に表示]で受信画像を別に表示して使ってます。
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こちらからCQを出す交信はCQ用のテンプレートを選んで送信すれば良いです。TX MODEはScottie 2を指定します。
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交信の手順をまとめると以下のような感じです。
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6. JASTAコンテスト
JASTAのコンテストは8月1日~31日の1か月間開催で、同じ局との交信も日が変われば得点になります。そのため、参加されてる方は毎日同じ局同士で交信されているようです。
QSOはコールサインとコンテストナンバー( RSV+001から始まる連番)の入った画像を交換します。

MMSSTVにはJASTAコンテスト用の機能があります。
JASTAコンテストの設定は以下を参考にさせていただきました。
 JASTAアクティビティコンテストでのMMSSTVの設定

こちらも参考になります。
 JASTAのコンテスト参加の為のMMSSTVの設定の仕方


コンテスト期間が終わるとオンエアーされてる局が少なくなるんでしょうね。

以上、長文記事になってしまいました。m(__)m

(おまけ)
IC-7300MをデータモードにしてるとSSBによる会話が出来ない件ですが、コマンド制御にたどり着く前にアイコムHFサポートセンターに設定他で何とか出来ないか問合せしました。
問合せから1週間後に丁寧な回答をいただき、やはりUSB接続時はマイク入力出来ないとの事でした。
USB接続をやめてACC接続なら可能との事でしたが、USB接続のみで運用したくてIC-7300Mにしたので、ACC接続案は無しですね。
次回FWバージョンアップ時に設定追加を検討するようお願いしました。
次回FWバージョンアップがあるかどうか分かりませんが....

(追記) 2017年9月17日(日)
SSTVを始めて約1カ月経ちますが、8月末まででJASTAコンテストが終わってからはSSTVでオンエアしている局がめっきり減りました。JASTAコンテスト期間中の交信局数は重複も含めて19でした。
たまにSSTVの周波数をワッチしてみますが、SSTVの信号が聞こえてくることはほとんどありません。
7MHzでSSTV周波数をずっと聞いていれば相手が見つかるのかもしれませんが、JT65の方が確率が高いのでJT65中心の運用に戻りました。

(追記) 2018年5月
その後、2017年11月のファームウェアバーションアップでデータモードでマイクをONにする設定が追加されました。
IC-7300M ファームウェアバージョンアップ

(2020年7月追記)2020年SSTVアクティビティコンテスト
第41回 JASTA主催 SSTVアクティビティコンテストが3年ぶりに開催される事になりました。
コンテストに向けて久し振りにMMSSTVをインストールしてSSTVをやれるようにしました。
 SSTVアクティビティコンテスト復活 IC-7300+MMSSTVを準備

コンテスト規約は従来と同じのようですが、14MHzの使用周波数に関して「14MHz帯については、14.230MHz周辺はDX通信とのQRMが多いとの各国DXerからのクレームが大きいので、14.330MHz中心で運用すること。」との事です。
コンテストはバンドにより得点が違いますが、気になったのでSSTVの使用周波数について調べてみました。(一部はローカルOMさんから教えてもらいました。)
 3.528MHz LSB
 7.033MHz LSB 現在は7.178MHzの上下?
 14.230MHz USB(DX)
 14.280MHz USB(国内)14.280MHz以上
(14.330MHz USB 今回コンテストで使用)
 18.160MHz USB
 21.340MHz USB
 24.980MHz USB
 28.680MHz USB
 50.3MHz USB
 144.29MHz USB
 430.470MHz USB
 438.2MHz FM

情報源が10年以上前のネット情報なので、現在も同じかどうか分かりません。
3年前のコンテストでは7MHzと14MHzでのみしかQSOできませんでしたので、他のバンドで出る人はほとんどいないのかも知れません。

(2020年7月30日 追記)
IC-7300の周波数とモードをワンタッチで切り替えられるように、追加でリグコントロールの設定をしました。
 MMSSTV+IC7300 リグコントロール追加