久々のアマチュア無線の記事です。
2月中旬にFreeDVの普及活動をされているJH0PCFさんから、FreeDVのお誘いメールをいただきました。
ハクサイ、ダイコンの出荷が忙しかったのでしばらく手が付きませんでしたが、最近、少し暇になったのでFreeDVをやってみました。
まず、FreeDVをインストールしました。FreeDVはJH0PCFさんが公開されている「FreeDV 1.5.2 Beta Windows 64-bit Installer 私製ビルド版」を使いました。
設定はJH0PCFさんのFreeDV運用ガイドの上のリンク「交信の準備設定について」を参考にしました。
最初、IC-7300MのCAT(CI-V)によるPTT制御がうまくいかずに悩みましたが、REMOTE端子接続にする事でうまく行くようになりました。
(3月15日追記 別記事を書きました。IC-7300 プリセット機能 USB CI-V エコーバック問題)
IC-7300MとFreeDVの設定については別記事を書きたいと思います。
(3月16日追記 設定情報を記事にしました。IC-7300でFreeDV開始(設定情報))
JH0PCFさんから、定時交信の情報を教えてもらいました。
週末土日の朝9時前後から 7.200MHz LSB 700Dモード
その他に週末も含めた夕方から夜間
17時頃から18時前後 3.716MHz LSB 700Dモード
19時30分頃から21時頃まで 3.716MHz LSB 700Dモード
昨日(3月13日)9時頃から7.200MHzでコールしてみたら、新潟県のJH0VEQさんから応答がありました。
FreeDVの画面です。

モガモガ音で聞き取りにくいですが、しばらく話したらだいぶ慣れて聞き取れるようになりました。
マイク側フィルターを入れて、音声レベルを上げた方が良いとのアドバイスをいただいたので、いろいろいじってみました。

相手で聞えている送信音声を聞けないので、調整がとても難しいです。(^^;
通信状態が良ければ良く聞き取れれますが、信号が弱い、ノイズが多い状態だと聞き取れなくなります。
PSK ReporterにGrid情報をアップする機能もあります。

ただし、PSK Reporterにアップされていない局も多そうです。
昨日夕方は岡山県のJA4CEXさんと7.2000MHzでつながりました。夕方は3.716MHzで受信していたのですが、PSK Reporterを見ると7MHzに出ている局が多かったので、7MHzに移ってQSO出来ました。
3.716MHzは私の逆VアンテナはIC-7300Mの内蔵チューナーでチューニングできないので、1.8MHzロングワイヤー+ATUを使っています。
FreeDVは電波形式としてG1E、G7Wが必要ですが、私は2017年にJT65を始める時についでに申請してあります。
通常の略記号 3HA、4HAには含まれないので追加申請が必要になります。
気軽に試せないのが利用者が増えない一因かもしれませんね。(^^;
申請の仕方についてはJH0PCFさんのFreeDV運用ガイドの「FreeDVに必要な電波型式について」に書いてあるので参考にしてください。
(おまけの昔話し)
またまた、年寄りの昔話しです。(笑)
10年以上前の現役時代はテレビ会議とテレビ電話の開発をやっていました。
テレビ電話に関わり出した1980年代終わりは静止画テレビ電話でした。静止画を送っている間は会話をしない(出来ない)ので音声は電話音声をそのまま使っていました。
電話回線の局間はG.711(μーLaw)コーデックが使われているので通信速度は64kbpsです。
次に1990年前半にアナログ回線テレビ電話が登場しました。電話回線で動画と音声を双方向で同時に送れるちゃんとしたテレビ電話でした。
私の会社ではアナログ回線テレビ電話は開発しませんでしたが、米国メーカーのものを評価した事があります。
アナログ回線テレビ電話の規格H.324では画像コーデックがH.263、音声コーデックがG.723.1?(もどきだった?)でした。モデムはV.34モデム33.6kbpsでした。
G.723.1は音質はあまりよくありません。
同じ時期にISDNテレビ会議の開発をやりました。ISDNテレビ会議/テレビ電話はH.320という規格で、画像コーデックがH.261、H.263、音声コーデックがG.711、G.722、G728です。テレビ会議では高音質のG.722を使う事が多かったです。G.722は7kHz の広帯域でデータレート 48, 56, 64kbpsの通信速度で、ISDN回線2本を使って音声+画像で128kbpsで通信します。
ISDN回線1本(64kbps)を使う事も想定して、16kbpsのG.728も使えましたが音質が良くなかったです。
2000年頃にISDNテレビ電話の開発をやりましたが、これも音質重視でISDN2本を使うものでした。
その後、2000年代初めに回線のインターネット化にともないH.323規格のIPテレビ会議、IPテレビ電話を開発しましたが、信号がパケット(VoIP)になる以外はほとんど同じで(VoIPが難しいのですが)、画像コーデックがH.261、H.263、H.264、音声コーデックがG.711、G.722、G.728でした。
音声CODECは高音質な順にG.722、G.711、G.728で、後期では更に高音質のMPEG4 AACなども使われていました。
やっていたのがテレビ会議や英会話レッスン用テレビ電話だったので音声品質は重要で、G.728の低品質音声は使えないと考えていました。
その後、時が経って....
アマチュア無線でもデジタル音声が使われています。身近なものでは以下があります。(WIRES-Xの速度は調べてません)
・D-STAR ABME CODEC 2.4kbps
・WIRES-X ABME+2 2.4kbps?
時々、D-STARを使っていますが、G.728が16kbpsだったのに対して2.4kbpsでそこそこの音声品質で会話できます。音声コーデックは格段に進歩しています。(^^;
ただ、ときどき声が裏返る事がありますね。(笑)
今回のFreeDVではFreeDV 諸元資料によると、CODEC2という名前の音声コーデックのようです。モード700Dの場合、通信速度650bpsとの事です。この速度では音質が悪いのは仕方ないですが、会話できるのが凄いです。(^^;
その他に変調にOFDM/QPSK、エラー訂正にLDPCを使うなど、新技術満載です。
ABMEやCODEC2はボコーダーという方式でG.728やG.729などのCELP方式より更に低レートで通信できますが、やはり音質は厳しいですね。
でも、ABMEの2.4kbpsくらいなら、G,729の8kbpsとそん色ないレベルの気がします。FreeDVの650bpsは無理しすぎの音質ですね。(笑)
あと、ボコーダーは使う音域が広い英語や中国語の方が向いているのかも知れません。日本語は使う音域が狭いのだそうです。
英語は子音が多いので高い音域が多く、日本語は母音が多いので低い帯域が多いそうで、英語が2,000~1万2,000ヘルツに対し、日本語は125~1,500ヘルツらしいです。
とりあえず、FreeDVをやってみたレベルですが、FreeDVは技術的にとても面白いです。
ただ、実用性からみると、SSBより音質は悪く、ノイズ、フェージングに弱く、FT8のように通信距離を延ばせるようなものでは無いです。
しかし、HF SSBにデジタル音声を乗せて話が出来るというのは、画期的で面白いと思います。
しばらく遊んでみます。(笑)
2月中旬にFreeDVの普及活動をされているJH0PCFさんから、FreeDVのお誘いメールをいただきました。
ハクサイ、ダイコンの出荷が忙しかったのでしばらく手が付きませんでしたが、最近、少し暇になったのでFreeDVをやってみました。
まず、FreeDVをインストールしました。FreeDVはJH0PCFさんが公開されている「FreeDV 1.5.2 Beta Windows 64-bit Installer 私製ビルド版」を使いました。
設定はJH0PCFさんのFreeDV運用ガイドの上のリンク「交信の準備設定について」を参考にしました。
最初、IC-7300MのCAT(CI-V)によるPTT制御がうまくいかずに悩みましたが、REMOTE端子接続にする事でうまく行くようになりました。
(3月15日追記 別記事を書きました。IC-7300 プリセット機能 USB CI-V エコーバック問題)
IC-7300MとFreeDVの設定については別記事を書きたいと思います。
(3月16日追記 設定情報を記事にしました。IC-7300でFreeDV開始(設定情報))
JH0PCFさんから、定時交信の情報を教えてもらいました。
週末土日の朝9時前後から 7.200MHz LSB 700Dモード
その他に週末も含めた夕方から夜間
17時頃から18時前後 3.716MHz LSB 700Dモード
19時30分頃から21時頃まで 3.716MHz LSB 700Dモード
昨日(3月13日)9時頃から7.200MHzでコールしてみたら、新潟県のJH0VEQさんから応答がありました。
FreeDVの画面です。

モガモガ音で聞き取りにくいですが、しばらく話したらだいぶ慣れて聞き取れるようになりました。
マイク側フィルターを入れて、音声レベルを上げた方が良いとのアドバイスをいただいたので、いろいろいじってみました。

相手で聞えている送信音声を聞けないので、調整がとても難しいです。(^^;
通信状態が良ければ良く聞き取れれますが、信号が弱い、ノイズが多い状態だと聞き取れなくなります。
PSK ReporterにGrid情報をアップする機能もあります。

ただし、PSK Reporterにアップされていない局も多そうです。
昨日夕方は岡山県のJA4CEXさんと7.2000MHzでつながりました。夕方は3.716MHzで受信していたのですが、PSK Reporterを見ると7MHzに出ている局が多かったので、7MHzに移ってQSO出来ました。
3.716MHzは私の逆VアンテナはIC-7300Mの内蔵チューナーでチューニングできないので、1.8MHzロングワイヤー+ATUを使っています。
FreeDVは電波形式としてG1E、G7Wが必要ですが、私は2017年にJT65を始める時についでに申請してあります。
通常の略記号 3HA、4HAには含まれないので追加申請が必要になります。
気軽に試せないのが利用者が増えない一因かもしれませんね。(^^;
申請の仕方についてはJH0PCFさんのFreeDV運用ガイドの「FreeDVに必要な電波型式について」に書いてあるので参考にしてください。
(おまけの昔話し)
またまた、年寄りの昔話しです。(笑)
10年以上前の現役時代はテレビ会議とテレビ電話の開発をやっていました。
テレビ電話に関わり出した1980年代終わりは静止画テレビ電話でした。静止画を送っている間は会話をしない(出来ない)ので音声は電話音声をそのまま使っていました。
電話回線の局間はG.711(μーLaw)コーデックが使われているので通信速度は64kbpsです。
次に1990年前半にアナログ回線テレビ電話が登場しました。電話回線で動画と音声を双方向で同時に送れるちゃんとしたテレビ電話でした。
私の会社ではアナログ回線テレビ電話は開発しませんでしたが、米国メーカーのものを評価した事があります。
アナログ回線テレビ電話の規格H.324では画像コーデックがH.263、音声コーデックがG.723.1?(もどきだった?)でした。モデムはV.34モデム33.6kbpsでした。
G.723.1は音質はあまりよくありません。
同じ時期にISDNテレビ会議の開発をやりました。ISDNテレビ会議/テレビ電話はH.320という規格で、画像コーデックがH.261、H.263、音声コーデックがG.711、G.722、G728です。テレビ会議では高音質のG.722を使う事が多かったです。G.722は7kHz の広帯域でデータレート 48, 56, 64kbpsの通信速度で、ISDN回線2本を使って音声+画像で128kbpsで通信します。
ISDN回線1本(64kbps)を使う事も想定して、16kbpsのG.728も使えましたが音質が良くなかったです。
2000年頃にISDNテレビ電話の開発をやりましたが、これも音質重視でISDN2本を使うものでした。
その後、2000年代初めに回線のインターネット化にともないH.323規格のIPテレビ会議、IPテレビ電話を開発しましたが、信号がパケット(VoIP)になる以外はほとんど同じで(VoIPが難しいのですが)、画像コーデックがH.261、H.263、H.264、音声コーデックがG.711、G.722、G.728でした。
音声CODECは高音質な順にG.722、G.711、G.728で、後期では更に高音質のMPEG4 AACなども使われていました。
やっていたのがテレビ会議や英会話レッスン用テレビ電話だったので音声品質は重要で、G.728の低品質音声は使えないと考えていました。
その後、時が経って....
アマチュア無線でもデジタル音声が使われています。身近なものでは以下があります。(WIRES-Xの速度は調べてません)
・D-STAR ABME CODEC 2.4kbps
・WIRES-X ABME+2 2.4kbps?
時々、D-STARを使っていますが、G.728が16kbpsだったのに対して2.4kbpsでそこそこの音声品質で会話できます。音声コーデックは格段に進歩しています。(^^;
ただ、ときどき声が裏返る事がありますね。(笑)
今回のFreeDVではFreeDV 諸元資料によると、CODEC2という名前の音声コーデックのようです。モード700Dの場合、通信速度650bpsとの事です。この速度では音質が悪いのは仕方ないですが、会話できるのが凄いです。(^^;
その他に変調にOFDM/QPSK、エラー訂正にLDPCを使うなど、新技術満載です。
ABMEやCODEC2はボコーダーという方式でG.728やG.729などのCELP方式より更に低レートで通信できますが、やはり音質は厳しいですね。
でも、ABMEの2.4kbpsくらいなら、G,729の8kbpsとそん色ないレベルの気がします。FreeDVの650bpsは無理しすぎの音質ですね。(笑)
あと、ボコーダーは使う音域が広い英語や中国語の方が向いているのかも知れません。日本語は使う音域が狭いのだそうです。
英語は子音が多いので高い音域が多く、日本語は母音が多いので低い帯域が多いそうで、英語が2,000~1万2,000ヘルツに対し、日本語は125~1,500ヘルツらしいです。
とりあえず、FreeDVをやってみたレベルですが、FreeDVは技術的にとても面白いです。
ただ、実用性からみると、SSBより音質は悪く、ノイズ、フェージングに弱く、FT8のように通信距離を延ばせるようなものでは無いです。
しかし、HF SSBにデジタル音声を乗せて話が出来るというのは、画期的で面白いと思います。
しばらく遊んでみます。(笑)
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