一昨日、JT_Linker Ver.2021.06.18bがリリースされました。
6月9日に記事にした前版Ver.2021.06.07aからの機能追加は以下です。
1. 交信時刻を分にする。
2. コメントをeQSLのQSLメッセージとしてアップロードする。
3. eQSLのメンバー確認に有効期限を追加
4. LoTWのメンバー確認を追加
1. 交信時刻を分にする。
Decoderタブに設定が追加されました。

「Use S」のチェックを外すと交信時刻の秒が切り捨てられて00秒にしたログがeQSLとLoTWにアップロードされます。
HAMLOGが分までしか情報を持っていないのに対して、WSJT-XやJTDXのログは秒まで持っているので、eQSLとLoTWに秒のログをアップロードするとHAMLOGと時刻差が出来るのを回避するため時刻を分にする設定を追加したそうです。
HAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードすると時刻が違うと判断されて2重登録される事があるらしいとの事です。
(6月19日 追記 LoTWで「Use S」をチェックして秒のログをアップロードした場合、後でHAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードすると2重登録される事を確認しました。HAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードする事がある方は「Use S」のチェックを外しておいた方が良いようです。)
(6月21日 追記 [End]、[Use S] 仕様)
作者のTAKA(JA2GRC)さんにDecoderタブの[End]、[Use S] の仕様について教えてもらったので、メモしておきます。
・Endがチェックされていると、DATE_OFFおよびTIME_OFFの値を、QSO_DATEおよびTIME_ONに、それぞれ代入して、Hamlog、eQSL、LoTWに送ります。但し、DATE_OFFまたはTIME_OFFが空白の場合は置き換えは実行されません。
・Use Sがチェックされていると「時」「分」「秒」が使われ、Use Sがチェックされていないと「時」「分」が使われます。「秒」は使われません。
(7月5日 追記 [End]はチェックしたほうが良いか。)
JTDX/WSJT-Xで欲しい局を呼び続けて交信が成功した際に、呼び始めた時刻がTIME_ONになる場合があるそうです。(Tx2で呼んだ場合)
一方交信相手はこちらの呼び出しに応答した時刻がTIME_ONになるので、双方のTIME_ONに大きく差がでる可能性があります。
LoTWでは相手と自分のTIME_ONが30分以上(正確な時間は不明)違うと不一致として扱われてコンファームされないそうです。
このため、LoTWへ送る時刻情報は交信終了時刻(TIME_OFF)にしたほうが良いとの事です。
(2023年3月16日追記 [End]はチェックしないで良い)
JTDXはTx2でコールしても応答があった時刻がTIME_ONになります。
WSJT-XでもTx2で呼ばなければ応答があった時刻がTIME_ONになります。
追加記事:ログのQSO時刻、Tx2でのコール
2. コメントをeQSLのQSLメッセージとしてアップロードする。
先の記事「eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント」で書きましたが、前版Ver.2021.06.07aではeQSLにコメントがアップロードされませんでした。
今回の変更でWSJT-XやJTDXのログ確認画面で入力されたコメントがeQSLのQSL Messageとして送信されるようになりました。
他に伝搬モード(PROP_MODE)も送信されるそうです。
WSJT-Xのログ確認画面です。

伝搬モードはEMEなどのモードを入力します。(WSJT-Xのみ、JTDXにはありません。)
3. eQSLのメンバー確認に有効期限を追加
同じく「eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント」で書きましたが、日付入りのAGメンバーリストを使って最終ログアップロード日からの期限を設定できるようになりました。

日付入りのAGメンバーリストの最終アップロード日付を参照してLast uploaded で設定した期間内にログをアップロードしているかでeQSLメンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はeQSLを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしておきます。
4. LoTWのメンバー確認を追加
LoTWのユーザーリストを参照してメンバーかどうかを判断する機能が追加されました。

[Verify LoTW membership] をチェックするとLoTWのユーザーリストを参照してメンバーかどうかを判断して、LoTWメンバーなら右の箱の文字「L」をHAMLOGのeQSL欄の1文字目に転送します。
また、LoTWのユーザーリストの最終アップロード日付を参照してLast uploaded で設定した期間内にログをアップロードしているかでLoTWメンバーかどうかを判断します。eQSLと同じく1年にしておきます。(JTAlertの設定も1年にしています。)
実際に使ってみました。
Web Logsタブの設定は、残念ながら、[Upload as "Requested"] の文字を設定すると、相手がeQSL非会員/LoTW非会員の場合にQSL欄の1文字目は「J」になりますが2文字目をスペースにする事が出来ないので、[Upload as "Requested"] の文字はスペースにしています。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、設定できるようになりました。)

なお、最初、eQSL非会員/LoTW非会員の場合に「J」にならず、「N」なるという現象が出て作者のTAKA(JA2GRC)さんに問い合わせたら「デフォルトをNに変更した」そうで、JT_LinkerのQSL欄をクリックして「J」にしてからいったんJT_Linkerを終了して再起動したら「J」になりました。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、デフォルト値を設定できるようになりました。)
相手がeQSL会員/LoTW会員の場合のメンバー確認結果表示画面です。

eQSL会員/LoTW非会員の場合のメンバー確認結果表示画面です。

メンバーの場合は緑、非メンバーの場合は赤で結果が表示されます。
LoTWへのアップロード結果が表示されますが、eQSLへのアップロード結果は表示されません。
HAMLOGのQSL欄にもE/L/#が転送されています。

このままだと、HAMLOGからのQSLカード印刷時に E/L/#のカードも印刷されるので、印刷前に2文字目を「*」に修正します。
(ちょっと気になった事)
JT_Linker起動時にeQSL AGメンバーリストとLotWユーザーリストをダウンロードしますが、私の環境で約10秒かかります。

現在、[Verify membership] の設定をしなくてもユーザーリストがダウンロードされますが、ネット環境が遅い方やネット環境がない方で、eQSLやLoTWを使っていない方は嫌かもしれませんね。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、ダウンロードしない設定ができるようになりました。)
時間があるときに以前書いた「WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定」を改版しておこうと思っています。
JT_Linker作者のTAKA(JA2GRC)さんには、いろいろお願いした機能に対応していただき感謝いたします。m(__)m
6月9日に記事にした前版Ver.2021.06.07aからの機能追加は以下です。
1. 交信時刻を分にする。
2. コメントをeQSLのQSLメッセージとしてアップロードする。
3. eQSLのメンバー確認に有効期限を追加
4. LoTWのメンバー確認を追加
1. 交信時刻を分にする。
Decoderタブに設定が追加されました。

「Use S」のチェックを外すと交信時刻の秒が切り捨てられて00秒にしたログがeQSLとLoTWにアップロードされます。
HAMLOGが分までしか情報を持っていないのに対して、WSJT-XやJTDXのログは秒まで持っているので、eQSLとLoTWに秒のログをアップロードするとHAMLOGと時刻差が出来るのを回避するため時刻を分にする設定を追加したそうです。
HAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードすると時刻が違うと判断されて2重登録される事があるらしいとの事です。
(6月19日 追記 LoTWで「Use S」をチェックして秒のログをアップロードした場合、後でHAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードすると2重登録される事を確認しました。HAMLOGからADIFファイルを出力してアップロードする事がある方は「Use S」のチェックを外しておいた方が良いようです。)
(6月21日 追記 [End]、[Use S] 仕様)
作者のTAKA(JA2GRC)さんにDecoderタブの[End]、[Use S] の仕様について教えてもらったので、メモしておきます。
・Endがチェックされていると、DATE_OFFおよびTIME_OFFの値を、QSO_DATEおよびTIME_ONに、それぞれ代入して、Hamlog、eQSL、LoTWに送ります。但し、DATE_OFFまたはTIME_OFFが空白の場合は置き換えは実行されません。
・Use Sがチェックされていると「時」「分」「秒」が使われ、Use Sがチェックされていないと「時」「分」が使われます。「秒」は使われません。
(7月5日 追記 [End]はチェックしたほうが良いか。)
一方交信相手はこちらの呼び出しに応答した時刻がTIME_ONになるので、双方のTIME_ONに大きく差がでる可能性があります。
LoTWでは相手と自分のTIME_ONが30分以上(正確な時間は不明)違うと不一致として扱われてコンファームされないそうです。
このため、LoTWへ送る時刻情報は交信終了時刻(TIME_OFF)にしたほうが良いとの事です。
(2023年3月16日追記 [End]はチェックしないで良い)
JTDXはTx2でコールしても応答があった時刻がTIME_ONになります。
WSJT-XでもTx2で呼ばなければ応答があった時刻がTIME_ONになります。
追加記事:ログのQSO時刻、Tx2でのコール
2. コメントをeQSLのQSLメッセージとしてアップロードする。
先の記事「eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント」で書きましたが、前版Ver.2021.06.07aではeQSLにコメントがアップロードされませんでした。
今回の変更でWSJT-XやJTDXのログ確認画面で入力されたコメントがeQSLのQSL Messageとして送信されるようになりました。
他に伝搬モード(PROP_MODE)も送信されるそうです。
WSJT-Xのログ確認画面です。

伝搬モードはEMEなどのモードを入力します。(WSJT-Xのみ、JTDXにはありません。)
3. eQSLのメンバー確認に有効期限を追加
同じく「eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント」で書きましたが、日付入りのAGメンバーリストを使って最終ログアップロード日からの期限を設定できるようになりました。

日付入りのAGメンバーリストの最終アップロード日付を参照してLast uploaded で設定した期間内にログをアップロードしているかでeQSLメンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はeQSLを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしておきます。
4. LoTWのメンバー確認を追加
LoTWのユーザーリストを参照してメンバーかどうかを判断する機能が追加されました。

[Verify LoTW membership] をチェックするとLoTWのユーザーリストを参照してメンバーかどうかを判断して、LoTWメンバーなら右の箱の文字「L」をHAMLOGのeQSL欄の1文字目に転送します。
また、LoTWのユーザーリストの最終アップロード日付を参照してLast uploaded で設定した期間内にログをアップロードしているかでLoTWメンバーかどうかを判断します。eQSLと同じく1年にしておきます。(JTAlertの設定も1年にしています。)
実際に使ってみました。
Web Logsタブの設定は、残念ながら、[Upload as "Requested"] の文字を設定すると、相手がeQSL非会員/LoTW非会員の場合にQSL欄の1文字目は「J」になりますが2文字目をスペースにする事が出来ないので、[Upload as "Requested"] の文字はスペースにしています。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、設定できるようになりました。)

なお、最初、eQSL非会員/LoTW非会員の場合に「J」にならず、「N」なるという現象が出て作者のTAKA(JA2GRC)さんに問い合わせたら「デフォルトをNに変更した」そうで、JT_LinkerのQSL欄をクリックして「J」にしてからいったんJT_Linkerを終了して再起動したら「J」になりました。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、デフォルト値を設定できるようになりました。)
相手がeQSL会員/LoTW会員の場合のメンバー確認結果表示画面です。

eQSL会員/LoTW非会員の場合のメンバー確認結果表示画面です。

メンバーの場合は緑、非メンバーの場合は赤で結果が表示されます。
LoTWへのアップロード結果が表示されますが、eQSLへのアップロード結果は表示されません。
HAMLOGのQSL欄にもE/L/#が転送されています。

このままだと、HAMLOGからのQSLカード印刷時に E/L/#のカードも印刷されるので、印刷前に2文字目を「*」に修正します。
(ちょっと気になった事)
JT_Linker起動時にeQSL AGメンバーリストとLotWユーザーリストをダウンロードしますが、私の環境で約10秒かかります。

現在、[Verify membership] の設定をしなくてもユーザーリストがダウンロードされますが、ネット環境が遅い方やネット環境がない方で、eQSLやLoTWを使っていない方は嫌かもしれませんね。
(2021年6月23日 Ver.2021.06.18c で、ダウンロードしない設定ができるようになりました。)
時間があるときに以前書いた「WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定」を改版しておこうと思っています。
JT_Linker作者のTAKA(JA2GRC)さんには、いろいろお願いした機能に対応していただき感謝いたします。m(__)m
コメント
コメント一覧 (7)
JA4JOE
が
しました
ちょうど、JT_Linker Ver.2021.06.18cの記事を書いたところでした。
まだバグがあるようですが、とても便利になりました。
https://tanukijima.at.webry.info/202106/article_20.html
なお、ボックスの文字はブランクでは駄目でスペース1文字を入力すれば良いです。0文字、2文字はエラーになります。
JA4JOE
が
しました
『Ver.2021.06.18c』の記事を見させていただきました。使い方が分かりました。ありがとうございました。
JA4JOE
が
しました
原因を探ろうとネットで検索して貴局のブログにたどり着き、大変参考になりました。
当局のシステムは、以下の通りです。
WSJT-X Ver.2.6.1
JTAlert Ver.2.60.5
JTLinker Ver.2022.06.20b
貴局のブログを参考に、JTLinkerの[End]にチェックを入れました。
但し、以下の疑問点がありますのでご教示くださいますよう、お願い致します。
現在、eQSLとClubLogは、JTAlertから自動アップロードしておりますので、呼び始めの時刻で登録されてしまいました。
JTLinkerで時刻の置き換えを行うのでしょうから、自動アップロードもJTLinkerからに切り替えないとダメですよね。
そもそも、WSJT-X、JTDXに原因が有る訳ですから、改善が望まれるところでしょうか。
JA4JOE
が
しました
JTDX開発チームのあるプログラマーのコメントから推測しての内容です。
遠くない将来のJTDXからはSkip Grid機能が抹消されるかもしれません。
このSkip Grid機能は本来はコンテスト用に作られたものですがJTDXにはコンテスト
に対応した動作は有していません。HF帯の微弱信号による遠距離通信に主眼を置い
たものです。
Tx2メッセージからの発信はJTDXからは将来なくなるであろうと不確かな話でした。
JA4JOE
が
しました
(お願い)質問はメールではなく、コメントでお願いします。