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(2022年10月25日)最新のJTAlert 2.60.2 に合わせた改版記事を書きました。
今後は新しい記事を見てください。WSJT-X/JTDX+JTAlertによるFT8運用環境向上(改版3)
(古い記事も残しておきます。)
JTAlertが JTAlert 2.50.0 で進化して画面構成が大きく変わりました。
昨年書いた「WSJT-X(JTDX)+JTAlertによるFT8運用環境向上(改版)」の内容が最新のJTAlertと大分違ってきたので改版記事を書いておきます。
JTAlertを使う事で以下が出来るようになります。
① オンエア局が同一モード同一バンドで交信済みかどうかを表示(B4表示)してくれる。
② CQを出している局が初モードまたは初バンドの場合は色分けと音声で知らせてくれる。
③ 交信中、受信文に自分のコールがあるとチャイムで知らせてくれる。
④ オンエア局がeQSL.cc、LoTWのユーザーかどうかを表示
⑤ 相手局のQRZ.comへの登録情報(Name,QTH)を表示
⑥ eQSL.ccへの電子QSLカード自動発行
⑦ 強力なAlert機能があり、Wanted DXCC、Wanted Callsign などを設定しておくと色分と音声で知らせてくれる。
⑧ WSJT-Xの場合、B4局コールサインに色を付けてくれる。73/RR73に色を付けてくれる。
JTDXを使えば、JTDX単独でほぼ同じ事が出来ますが、④ eQSLユーザーの表示と、⑤ 相手局のQRZ.comの登録情報(Name,QTH)の表示は出来ません。
また、Alert表示が分かりやすいので、JTDXやWSJT-Xと一緒に使うと、JTAlertがとても便利なソフトであることは間違いないと思います。
なお最近、JT_LinkerがeQSL.cc、LoTW、ClubLogへの自動アップロードをサポートしたので、私は eQSL.ccへの電子QSLカード自動発行はJT_Linkerを使うようになりました。
前置きが長くなりましたが、ここからJTAlertの導入です。
説明はeQSL.cc、QRZ.comへの登録が終わっている前提で書いています。
eQSL.cc、QRZ.comに関する設定は後からでも出来ますので、未登録の方はとりあえず関連する設定をしないでJTAlertの設定を進めてください。
なお、eQSL.cc、QRZ.com、LoTWへの登録は以下の記事を参考にしてください。
・eQSL.cc FT8運用環境向上 eQSL登録
・QRZ.com FT8運用環境向上 QRZ.com登録
・LoTW FT8運用環境向上 LoTW登録
目次
1. JTAlertインストール
(1) JTAlertを以下からダウンロードします。
http://hamapps.com/ Download JTAlert [Click Here] をクリックします。

JTAlertをダウンロードします。JTAlertの現時点のバージョンは JTAlert 2.50.4でした。
x64/x86のいずれか自分のパソコンに合った方をダウンロードします。

(2) 同時に以下の Fileもダウンロードしておきます。
・JTAlert Voiced Alert Sound Files (日本語もありますが、私はEnglish (UK)+Femaleにしています。好みでどうぞ。(^^;)
・HamApps Callsign Database
(3) ダウンロードした JTAlert.2.50.4.Install.X64.exeまたはJTAlert.2.50.4.Install.X86.exe を実行します。
最初にライセンス確認とインストール先確認があります。インストール先はデフォルトのままにしました。

メニューフォルダーもデフォルトのままにしました。

Select Additional Tasks WSJT-X用ではJTAlert for WSJT-X をチェックします。(JTDX用の場合はJTAlert for JTDXをチェックします。両方使う場合は両方チェックします。)

JTAlert 2.5.XXでは .NET 5 Desktop Runtimeが必用なので、インストールされていない場合は確認画面が出るのでインストールしてください。

マイクロソフトの .NET 5 Desktop Runtime ダウンロードページが開くのでX64用かX86用のRun Desktop appsをダウンロードしてください。

ダウンロードしたwindowsdesktop-runtime-5.0.X-win-x64.exe(またはX86)を実行してインストールします。

.NET 5 Desktop Runtime ダウンロードページに飛ばない場合は以下のリンクからダウンロードしてください。
Download from here https://dotnet.microsoft.com/download/dotnet/5.0/runtime/
インストールが終了するとデスクトップに「JTAlert for WSJT-X」(JTDXの場合「JTAlert for JTDX」) のアイコンが追加されているはずです。

一度,、デスクトップアイコンから「JTAlert for WSJT-X」(または「JTAlert for JTDX」)を起動します。
最初に .NET 5 Desktop Runtime のチェック結果画面が出ます。

次に言語の確認とコールサイン入力画面がでるので、Englishを選んで(日本語はありません)、自分のコールサインを入力します。
WSJT-X(JTDX)の起動待ちになるので、[Cancel & Quit]で終了させてください。

以上でJT_Alertのインストールは終了です。
(4) HamApps_Databases_20xx.xx.xx_Setup、HamApps_Sounds_2.5.3_Setupをそれぞれ実行してインストールします。
(注)HamAppsコールサイン データーベースには、eQSLユーザー、LoTWユーザーの情報を含んでいます。一か月に2回程度更新されるので時々確認してアップデートすると良いです。
Program Updatesで確認できます。
2. HAMLOGからのログ情報取り込み準備
(Turbo HAMLOGを使ってる方のみ)
先に過去の交信ログファイルの準備をしておきます。このファイルをJTALertのログファイルとして指定する事で、過去の交信情報も参照させることができます。
なお、HAMLOGを使われている方でもFT8をこれから始めるなどで、まだFT8やJT65のログが無い方などのログを引き継ぐ必要のない方はこの作業は必要ありません。
HAMLOGからのログ情報取り込み作業については別記事「ADIF Master による ADIFファイル正規化」を参照して下さい。
3. WSJT-X (JTDX) の設定
先に WSJT-X (JTDX) 側のUDP Serverの設定を行います。
WSJT-X (JTDX) を起動します。
(WSJT-X)
WSJT-Xのメニューバーから ファイル→ 設定→ レポート
UDPサーバーの3ヶ所のチェックボックスにチェックを入れておきます。

JTAlertとWSJT-XはUDPポートを使って通信します。JTAlertはUDPポート経由でWSJT-Xから情報を取得し、WSJT-Xの受信メッセージのコールサイン部分に色を付けます。
(JTDX)
JTDXのメニューバーから ファイル→ 設定→ レポーティング
JTDXのeQSL自動発行は使わないので、[eQSLへの送信を有効化] はチェックを外します。
主要なUDPサーバーの3ヶ所のチェックボックスにチェックを入れておきます。

JTAlertとITDXはUDPポートを使って通信します。JATAlertはUDPポート経由でJTDXから情報を取得します。(JTDXではCQメッセージ以外もJTDX事態で色付け表示されるので、WSJT-Xの場合にあるコールサインへの色付け機能はありません。)
4. JTAlert の設定
(1) JTAlertの起動
WSJT-X(JTDX)は先に起動しておいてください。WSJT-X(JTDX)が起動していないと以下のメッセージを表示してWSJT-X(JTDX)の起動を待ち続けます。

(JTDXの場合)

以下のメッセージが表示される場合はWSJT-X (JTDX) とのUDP通信が上手くいっていないのでWSJT-X (JTDX) の設定を確認してください。

(2) JTAlertの設定
JTAlertが起動した状態のJTAlert本体画面です。(初期状態の表示は多少違うかも知れません。)
他にCallsignsウィンドウが表示されていると思いますが、Callsignsウィンドウについては後で説明します。
以下、主な設定画面を載せます。私の場合の設定なので参考にして自分の好みに合わせて設定してください。
設定内容の意味が良く分からないところはデフォルトにしています。(私もちゃんと理解できていない項目が多いです。(^^;)
各設定項目でデフォルトから変更しているところは青文字、デフォルトのままの所は黒文字にしておきます。
あまり関係なさそうな設定項目(良くわかってない設定(^^;)も項目名だけは記載しておきます。今後必要に応じて情報を追加したいと思います。
メニューバーから Settings→ Manage Settings で設定画面を表示します。


Manage settings 目次
Alerts
・Alerts

Alertsのトップ画面では以下で設定するAlertsのON/OFFをまとめて設定できます。
JTAlert本体メニューバーの[Alerts]で設定する事も出来ます。
・Alerts/Own Call
メッセージに自局のコールを含んでいると通知します。

[Alert Callsigns & Names] 自分のコールサインを設定します。
自局宛メッセージの色[Alert Color]は赤にしています。[Set background]で設定します。
[Alert Sound] Wave File Pathは[Default]を押すと先にインストールしたHamApps_Soundsのデフォルト音が設定されます。
[Test]ボタンで自局宛メッセージ受信時のチャイム音のテストが出来るので適当な音量に設定してください。
なお、チャイム音が出ない場合は、先にSound Cardの設定を行ってください。(Sound Card)
また、JTAlertのインストール時にJTAlert Voiced Alert Sound Files のインストールをしていないと音が出ません。
(補足 JTDX)
JJTDXの 設定→ 通知・色付け で [自局コールサインにシステム音] をONにしている場合は、2重に音が出るのでJTDX側のチェックを外してください。
・Alerts/CQ
CQメッセージの通知の色はWSJT-X(JTDX)に合わせてピンクにしました。[Set background]で設定します。

・Alerts/Directed CQ
設定しておくと、「CQ JA」などの地域指定のCQメッセージを受信すると通知します。
・Alerts/Wanted Prefix
欲しいプリフィックスを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。WPXアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。
・Alerts/Wanted CQ Marathon
CQ DXマラソンで欲しいエンティティ、Zoneを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。
・Alerts/Wanted US State
米国の欲しい州を設定しておくとメッセージ受信時に通知します。WASアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。
・Alerts/Wanted VE Provience
カナダの欲しい州を設定しておくとメッセージ受信時に通知します。WARACアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。
・Alerts/DXCC
欲しいエンティティー(国)を設定しておくとメッセージ受信時に通知します。DXCCアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。

目立つように紫色にして、音量も最大にしています。
Bandsで欲しいエンティティ-を設定します。(Rebuild Alert Database機能でLoTWなどの情報から自動設定することが出来ます。)

バンド毎、モード毎などの設定も出来ます。
詳細は別記事 JT_Alert「Wanted DXCC Alert」設定を参考にしてください。
・Alerts/Wanted Continent
欲しい大陸を設定しておくとメッセージ受信時に通知します。WACアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。
・Alerts/Wanted CQ Zone
欲しいCQ Zoneを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。WAZアワードを狙う方は設定すると便利でしょう。
・Alerts/Wanted ITU Zone
欲しいITU Zoneを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。
・Alerts/Wanted Grid
欲しいGridを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。
・Alerts/Miscellaneous Alerts/Wanted Callsign
通知して欲しいコールサインを設定しておくとメッセージ受信時に通知します。知り合いが出ているのが分かるように登録しています。(笑)

・Alerts/Miscellaneous Alerts/Ignored Callsign
無視したいコールサインを設定できます。
・Alerts/Miscellaneous Alerts/End of Tx/RX Period
・Alerts/Miscellaneous Alerts/End of Tx Period
・Alerts/Miscellaneous Alerts/Rx Frequency
・Alerts/Miscellaneous Alerts/Tx Watcdog
WSJT-X/JTDXの送信タイムアウト時に音で通知してくれます。
・Alerts/Miscellaneous Alerts/Out of shack
・Alerts/Miscellaneous Alerts/User Defined Alert
指定したAlert発生時にプログラム(Batch,Scriptなど)を実行します。
・Alerts/Miscellaneous Alerts/Windows Notifications
・Alerts/Miscellaneous Alerts/No Alert
・Alerts/Alers Priority
Alertsの優先順位を設定できます。
・Alerts/Worked B4
(2021年8月13日 JTAlert 2.50.5 で画面変更があったので画像を差替えました。)
交信済み局をグレーにしています。

[Ignore Band] 交信済みの局がバンドに関係なくB4表示されます。
[Ignore Mode] 交信済みの局がモードに関係なくB4表示されます。
[Ignore Gridsquare] 交信済みの局がGridが違ってもB4表示されます。チェックしています。
[Ignore QSOs based on log entry date] 交信済み局判定の期限を設定します。設定年月日、もしくは設定ヶ月より以前のログはB4になりません。私はWSJT-X/JTDXの表示と違うのは嫌なのでチェックしていません。
・Alerts/LoTW eQSL(AG) Flags
LoTWユーザ、eQSLユーザの表示設定メニューはCallsinsウィンドウにあります。
ここでは、LoTWの有効判定期間の設定を行います。私は1年もログをあげていない局はLoTWを使っていないと思うので、1 Yearにしています。

Logging
・Logging
[confirmed/Worked bands Display] Cardをチェックするとログ情報からConfirmed情報を表示します。HAMLOGで出力したADIFファイルを取り込むとHAMLOGのQSL送受情報を表示できます。
[Logging Options] の設定は理解できていないものが多いですが、私の設定を載せておきます。基本的にデフォルトのままです。(^^;



「Log WSJT-X Comments to QSL Message Field」をチェックすると、WSJT-X/JTDXのコメントをQSLメッセージとしてログに書き込みます。これによりeQSLのQSLメッセージにコメントを表示する事が出来ます。参考「eQSLへのコメント入力」
・Logging/Last QSO API
lastqso.adiファイルが自動的に設定されているので設定は不要です。
・Logging/B4 Database
Standard ADIFファイルを使うので設定は不要です。
・Logging/Standard ADIF File
ここで、HAMLOGから出力した wsjtx_log.adi を指定します。これにより、過去の交信情報も参照されるようになります。

(余談ですが、私はOneDriveにHAMLOGをインストールして複数のPCで同期できるようにしています。)
HAMLOGのログを引き継ぐ必要のない方は[Create New]でデフォルトディレクトリにlog.adiファイルを新規作成してください。
(注)Standard ADIF Fileの設定を行わないとeQSLの発行やJT_LinkerによるHAMLOG連携がうまく行かないので必ず設定してください。
Standard ADIF FileはWSJT-XやJTDXのwsjtx_log.adi を指定する事は出来ません。同じwsjtx_log.adi を指定すると動作がおかしくなります。
DXLab DXKeeper 以下の設定はネット上のログサービスや海外で良く使われているログソフトを利用する場合の設定ですが、私はJT_Linker経由でHAMLOGを使っているので、すべてのチェックを外しています。
・Logging/DXLab DXKeeper
・HRD V5/V6
・Log4OM V1
・Log4OM V2
Applications
・Applications/Auto-Start
JTAlertを起動したときに他の必要なソフトを自動起動する事が出来ます。Delay msは以下の値で大丈夫と思いますが、上手くいかない場合は長くしてください。
以下画面の設定でJTAletXを起動すると、WSJT-X(JTDX) 、JT_Linker、Hamlogが自動的に起動するようになります。
終了時もJTAletXを終了すると、他のソフトも終了します。
(WSJT-X)

(JTDX)

HMLOGは一度操作した後は自動終了しません。別に終了してください。
・Applications/WSJT-X/JTDX
[Color Band Activity ...] をチェックしておく、とWSJT-X側のバンド状況Windowsのメッセージのコールサイン部分がJTAlertで設定した色になります。(JTDXでは動作しません。)

・Applications/DXLab Suite
Window
・Window
[Extended Display] 私はLog Fieldのみを表示する設定にしています。

Windowの設定はメニューバーの[View]でも変更でます。
・Window/Docking
[Window Position] JT-AlertがWSJT-X(JTDX)の上にくっついて表示されるようにしています。

・Window/Macros(Free-Text)
・Window/Decodes
・Window/Callsign QSO Histry
・Window/Activity
・Window/Messaging
メッセージ受信時の動作に関する設定を行います。JTAlertを使っている局同士はメッセージのやりとりが出来ます。

・Window/Popup Windows
デフォルトの設定のままで良いです。[Popup Windows] の2か所はチェックしてログの書込み結果を表示するようにしています。

Miscellaneous
・Miscellaneous/HotKeys
ショートカットキーの一覧です。変更は出来ません。

Web Services
・Web Services
HamSpots.netへのレポート送信はONにしています。
HamSpots.netでは、オンラインユーザー同士のチャット、自局を受信した局のスポット情報などを見る事が出来ます。・Web Services/Online Logbooks
eQSL.ccに電子QSLカードを自動発行する場合は、Enableにして、eQSL.ccに登録したコールサイン/パスワード/QTH Nicknameを入力します。

eQSL.ccの登録がまだの方は設定しないでおいて、eQSL.ccの登録完了後に設定すれば良いです。
JT_LinkerでeQSLへの送信を行う場合はチェックは外しておきます。(私はJT_Linkerを使ってeQSLへの送信を行っています。)
QRZ.comは有料会員になると自動送信出来ますが、私は有料会員では無いので月一度LoTWからインポートしています。
ClubLogへはJT_Linkerで自動送信しています。
・Web Services/Online XML Callbooks
QRZ.comから情報(Name,QTH)を取得して表示するように、QRZ.comに登録したコールサイン/パスワードを設定しています。

QRZ.comの登録がまだの方は設定しないでおいて、QRZ.comの登録完了後に設定すれば良いです。
Rebuild Alert DataBase
・Rebuild Alert DataBase
LoTWなどのログからWanted DXCCなどの情報を再構築する事が出来ます。

詳細はJTAlert「Rebuild Alert Database機能」によるWantedリスト更新を参考にしてください。
Sound Card
・Sound Card
Sound Cardはパソコンのスピーカーを指定します。
[Sound Schedule] 夜中とかに音を出なくする設定もあります。家族からクレームがあった?(笑)

[Test Play] でスピーカーから音が出るのを確認してください。
Station Callsign
・Station Callsign
自局のコールサイン、位置情報などを設定します。

Program Updates
・Program Updates
JTAlertのアップデートを確認できます。
新しいバージョンがある場合は[Visit HamApps.com] に移動してダウンロードする事が出来ます。

以上で設定完了です。
一度、JTAlertとWSJT-X(JTDX)を終了してJTAlertを再起動してください。
WSJT-X(JTDX)、HAMLOG、JT_Linkerも同時に起動されるはずです。
5. Callsignsウィンドウの設定
JTAlert 2.50.0から受信メッセージのコールサインが別ウィンドウで表示されるようになりました。コールサインを表示するCallsignsウィンドウの設定について説明します。
(1) Callsignsウィンドウの表示
デフォルトで以下のようなCallsignsウィンドウが開いていると思います。

上記ではCallsignsウィンドウをJTALert本体の上に置いていますが、配置は自由に変えられます。
Callsignsウィンドウが開いていない場合はJT_Alertの View-->Callsins Windows で表示させてください。(F3キーでも表示できます。)

Callsignsウィンドウの他に以下のウィンドウを表示させることが出来ますが、私はほとんど使わないので詳細な説明は割愛します。
参考にすべてのウィンドウを表示させた状態の画面を載せておきますが、全て表示させるとWSJT-X(JTDX)を表示させる場所が無くなりますね。(^^;

① Band Heat Windows
各バンドにどのくらいの局が出ているかを色で表示します。
② JTAlertメインウィンドウ(JTAlert本体)
③ Callsigns Windows
④ Decodes Windows
デコードデータを詳しく表示します。
⑤ Messaging Windows
交信相手がJTAlertを使っている場合(★表示) ネット経由でメッセージをやり取りできます。
⑥ Activity Windows
各バンド、モードのアクティビティーを表示します。
(2) Callsignsウィンドウの設定
右下のギアマークでオプション設定画面を開きます。

[Windows Option]

Open at startup をチェックしているとJTAlert起動時にCallsignsウィンドウが自動的に開きます。
Zoom levelでコールサイン表示サイズを調整出来ますが、CTRL+マウススクロールで調整する方が簡単です。
[Callsign Options]

コールサインBOXの表示内容を設定します。私は全部乗せにしてます。(笑)
LoTWユーザー、eQSLユーザーの表示がシンボル表示になりました。
シンボルを選ぶ事も出来ますが、デフォルトでは以下になっています。(同じ記号の入力が出来なかったので、記号が少し違ってますが気にしないでください。(^^;)
◆ LoTWユーザー
● eQSLユーザー
★ Onlineの相手(メッセージのやり取りが出来ます。)
Tooltip Position マウスカーソルをコールサインの上に置くと相手のDecode、Location、Station情報をポップアップ表示します。
Wsjtx reply CQ局をクリックすると応答する事が出来ます。デフォルトはダブルクリックですが、私はシングルクリックで呼び出すようにしています。
(2021年10月25日追記) JTAlert 2.50.7 で「B4 date replaces Country」の設定が追加されました。チェックするとB4(交信済み)局の場合、国名の代わりに交信日付を表示します。
(2021年12月30日追記) JTAlert 2.50.8 で「Allow blinking effect」の設定が追加されました。チェックするとWanted DXCCなどのAlert設定局が点滅表示されます。
[Display Panels]
メインパネルと最大6つのオプションのサブパネルを表示することが出来ます。

たくさんのパネルを開くと訳が分からなくなるので、私はメインパネルとCllersのサブパネルのみを開いています。Callersパネルは右側に置いています。

パネルの表示内容は以下があります。
Alertの表示はJTAlert本体のManage Settingsの項目と一致しているのである程度分かると思います。詳細説明は割愛します。(正直よく分かっていません。(笑))
・All Decodes
・Callers
・Alert Continent
・Alert CQ Zone
・Alert Directed CQ
・Alert DXCC
・Alert FFMA Grid
・Alert Grid
・Alert ITU Zone
・Alert Marathon
・Alert Prefix
・Alert US State
・Alert VE Province
・Alert Wanted Call
・Alerts None
・Alerts Only
・CQ
・CQ Directed
・Decodes DX
・Decodes Local
・Distant decodes
・Portable decodes
・QSL Eqsl decodes
・QSL Lotw decodes
・RR73/73 decodes
・SNR strong decodes
・SNR weak decodes
Main PanelはAll Decodesで全メッセージのコールサインを表示します。
Sub Panel 1. はCallers として交信相手を表示しています。Callers表示は、例えばCQを出して複数の局から呼ばれた場合に呼んできた局を全部表示します。一定時間表示しているので、一局目の交信が終わったら次の局を呼ぶというような使い方が出来ます。
[Decode Views]
パネルの表示内容の補足設定を行います。

・Callers
Callers表示のCount Level、Decode Time、Called countの表示有無や表示時間などを設定します。

・Signal Strength decodes
SNR strong decodes、SNR weak decodes表示のスレッショルドレベル(dB)と並び順(降順/昇順)を設定をします。

・Distanace decodes
Distance decodes表示のスレッショルドレベル(km)と並び順(降順/昇順)を設定をします。

・CQ decodes
CQ表示にdirected CQとRR73/73を含むかどうかを設定します。
RR73/73を含めておくと、CQ、RR73、73メッセージのみを表示させることが出来ます。

[Badges & Borders]
バッジのデザインを変えることが出来ます。

[Color Options]
パネルの配色を変えることが出来ます。

[Context menus]
コールサインBOXの上でマウスの右クリックをした時に表示されるコンテキストメニューの設定をします。

[Status bar Options]
Callsignsウィンドウの下側のステータスバーに表示する情報を設定します。

[Help]
JTAlertV2.Managerのバージョン情報とシュートカットキーを表示します。

6. JTAlertの使い方
(1) 画面の説明
以下はFT8運用中の画面です。Dock to WSJT-X WindowをTopにしているのでWSJT-X(JTDX)のメインウィンドウの上にJTAlert本体がくっついて表示されます。
JTAlert本体はLog Fieldsのみを表示するようにしています。Log Fieldsはメニューバーの[View]で表示させます。
それぞれのウィンドウの位置とサイズはパソコンの画面に合わせて調整してください。CallsignsウィンドウをJTAlert本体の上に置いていますが、Callsignsウィンドウの表示数が少ないのでJTAlertのDock to WSJT-Xをやめて、JTAlert本体とCallsignsウィンドウをWSJT-Xの横に置いてCallsignsウィンドウを広げた方が良いかも知れません。
CTRL+マウススクロールでコールサインBOX表示サイズを調整出来ます。
(WSJT-X)

(JTDX)

JT-Alertのそれぞれの表示は以下のようになっています。

[Callsignsウィンドウ Main]
① 同一バンド同一モードで交信済みの場合、コールサインBOXをグレー(Alerts/Worked B4で設定)にしてB4を付けて表示します。
② 初めての局 初モード、初バンドの CQ局があるとコールサインBOXをピンク(Alerts/CQで設定)にして、音声で「CQ」と知らせてくれます。BOXの右上にCQ、DXなどのバッジを表示します。
CQを出している局を呼びたい場合、その局(上の例では②)をクリックするとWSJT-X(JTDX)が応答メッセージを送信します。WSJT-X(JTDX)側でメッセージをダブルクリックするのと同じ動作をします。(ただし、WSJT-Xの場合クリックで呼び出せるのはCQメッセージのみです。JTDXの場合JTDX側の設定でCQメッセージ以外も呼び出すように出来ます。)
③ LoTWとeQSLの登録局の場合は、コールサインBOXに♦、●を表示します。
★は相手がJTAlertを使用していてメッセージのやり取りが出来る事を示しています。
④ メッセージに自分のコールが入っていると、受信時にコールサインBOXが赤(Alert/Own callで設定)になってチャイムが鳴ります。
(補足)
バッジは以下の三種類があります。[Badges & Borders]参照
Standard CQ 普通のCQメッセージ
Directed CQ CQとコールの間に、DX、US、EUなどの文字が入っているメッセージ
73 73、RR73メッセージ
[Callsignsウィンドウ Callers]
⑤ 呼んできた局をすべて表示します。QSOが終わると消えますが、未交信局は表示が残るので後で呼ぶことが出来ます。
ただし、WSJT-Xの場合コールサインBOXのクリックでは呼び出せないのでWSJT-Xのメッセージをダブルクリックして呼び出す必要があります。
JTDXの場合JTDX側の設定によりコールサインBOXのクリックで呼び出すように出来ます。(FT8運用開始 JTDX+HAMLOG参照)
[JTAlert本体]
⑥ のLog FieldsはViewからON/OFFできます。交信相手局コールサインとQRZ.comへの登録情報(Name,QTH)を表示します。
(注) Log FieldsはStandard ADIF Fileの設定をしていないと表示できません。
⑦ 右端のQボタンを押すとQRZ.comのWeb画面が表示されます。
⑧ QSL MessageとCommentを切替えて表示します。QSL Messageを入れておくとeQSLのRemarksに反映されます。
(Loggingの設定で[Log WSJT-X Comments to QSL Message field]をチェックしていると、そちらが優先されるので、ここのQSL Messageは使われません。)
(Confirmed情報)
Confirmed情報は交信中の局にカーソルを置くと表示されます。交信記録が表示されます。

(Tooltips表示)
CallsignsウィンドウのコールサインBOXの上にカーソルを置くと相手局の情報が表示されます。

(Contextメニュー)
CallsignsウィンドウのコールサインBOXの上にカーソルを置いてマウスを右クリックするとContextメニューが表示されます。
ここから、その局との交信記録表示、QRZ.comページ表示、メッセージ送信などを行えます。

(2) eQSL.cc 電子QSL自動発行
WSJT-X(JTDX)での交信が終わってログを書き込むと、JTAlertもJTAlertのログ(Logging/Standard ADIF Fileで設定したLog File)にログを書き込みます。
ログ書き込み結果画面は Logging で設定した時間表示されます。

Web Services/Online LogbooksでeQSL.ccの自動発行の設定をしている場合、交信が終わってWSJT-X(JTDX)とJTAlertのログが記録されると、自動的にeQSL.ccへ電子QSLカードが発行されます。eQSL.ccに電子QSLが発行されたかどうかは、eQSL.ccにログインしてOutBoxを見て確認できます。

当然ですが、パソコンがインタネットにつながっていないとeQSL.ccへの電子QSLカード発行は失敗します。JTAlertでは失敗しても何も表示しないので注意が必要です。
以上、JTAlertのインストール、設定と簡単な使い方の説明でした。
設定項目が多いので、実際に使いながら好みに合わせて設定を変えてください。
(あとがき)
JTAlertは元々設定項目が多くてマニュアルも無いので最初の設定が大変だったのですが、JTAlert 2.50.0から情報を別ウィンドウに表示するようになり、更に設定項目が増えました。色やデザインなどをカスタマイズする事ができますが、ちょっと自由過ぎの気がします。(笑)
また、今後もコードの書き換えと機能追加が計画されているそうなので、この記事もすぐに見直しが必要になりそうです。
JTAlertは使いこなすのが大変ですが、うまく使えばとても便利なソフトです。まだ使われていない方は是非使ってみてください。
コメント
コメント一覧 (16)
JA4JOE
が
しました
いつもコメントありがとうございます。
4月にJTAlertが新しくなって、ブログを改版しなくてはと思っていたのですが、だいぶ時間が経ってしまいました。
良く分からない機能が多いので、ブログを改版するたびに勉強してますが、その分ブログが肥大化してます。(笑)
JA4JOE
が
しました
初めまして。JG3WXM 須藤と申します。
カムバックしFT-8を始めるにあたり、このホームページを大いに参考にさせていただき、あと一息というところまで来ました。大変感謝しております。
さて、今回ぜひお知恵を拝借したく、書かせていただきました。
WSJT-Xやハムログを単独で起動すると、無線機(FT-891M)から周波数やモードを取り込んでくれるのですが、JTAlert経由で立ち上げた場合、以下の無線機制御エラーが出て、インターフェイスの再構成を求めてきます。
Hamlibエラー: IO error
port open : serial open status=-6
iofunc.c(80) : port open return(ー6)
rig.c(773) : rig open return(-6)無線機への接続
なお、このエラーが出てもハムログは周波数やモードをきちんと取り込んでくれています。WSJT-Xはうまく取り込んでくれません。
周波数表示は赤いままで、0が並んでいます。
WSJT-X、ハムログ、Portの設定などいろいろ変えてみましたが、解消に至りませんでした。
もし、何か解決法やヒントをご存じでしたら、ご教示いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
JA4JOE
が
しました
単独起動だとうまく行くけど、JTAlertからの自動起動からだとうまく行かないというのは不思議ですね。
残念ながら、そういう現象は思い当たる事が無いです。
ただ、「なお、このエラーが出てもハムログは周波数やモードをきちんと取り込んでくれています。WSJT-Xはうまく取り込んでくれません。」とありますが、もしかしてHAMLOGのリグ接続機能を使われているのでしょうか?
もしそうなら、一つのシリアルポートを二つのソフトで使う事は出来ません。HAMLOGのリグ接続はOFFしてください。
JA4JOE
が
しました
JG3WXM 須藤です。
ご助言に従いまして、HAMLOGのRIG接続をOFFにしたところ、周波数やモードを無事読み込んでくれるようになりました。
ご指摘のとおり、一つのシリアルポートを二つのソフトで使用しようとしていたようです。
これで準備が整ったと判断し、早速、試験運用を試み、10MHZにて国内2局、海外1局とのQSOに成功いたしました。また、QSOの結果はきちんとHAMLOGにも転送され、e-QSLやLoTWにもアップされていることを確認できました。
FT-8の設定におきましては、すべての項目においてJA4JOE様のホームページを参考とさせていただきました。その上、トラブル解決まで大変お世話になりました。
おかげさまで、今日から新しい世界が開けます。
本当にありがとうございました。
いつの日か、お空でお会いできることを楽しみにしております。
改めて厚くお礼申し上げます。
JA4JOE
が
しました
解決して良かったです。
2つ以上のアプリから接続するには、VSPEなどの仮想シリアルポートソフトを使ってポートを共有する方法がありますが、ややこしいです。
FT8を楽しんでください。
JA4JOE
が
しました
交信相手のCALLSIGN WINDOWにこちらが◆LoTWユーザーである事、●eQSLユーザーである事を知らせるための設定箇所はどこでしょうか?LoTWとeQSLへの自動ログ転送にチェックを入れないといけませんか?それともLoTW、eQSLに登録していれば良いのですか?
もう一つ、ClubLogユーザーの表示はないですね。
JA4JOE
が
しました
LoTW、eQSLユーザーの表示はJTAlertが、LoTW、eQSLのユーザーリストをHamApps Callsign Databaseに持っていて表示しています。HamApps Callsign Databaseは半月に一回程度更新されています。
LoTW、eQSLに登録してログをアップロードしていれば、HamApps Callsign Databaseに入って表示されるようになりますが、eQSLはGAメンバーのみ表示されます。
このあたりの話は以下に書きました。
https://tanukijima.at.webry.info/202106/article_9.html
Clublogの表示はありませんね。必要性が少ないのだと思います。
JA4JOE
が
しました
ご回答の内容、良く分かりました。ありがとうございます。
JA4JOE
が
しました
ログ関連でお教え下さい。
JTAlertのメイン画面にはName、QTHのデータが書かれていますがQSO LOGボタンを押すと現れるJTDXログにはName、QTH情報はありません。JTLinkerログのName、QTHにはチェックを入れていますが同様に書き込まれない為HamlogにName、QTHは転送されません。これはJTlinkerの仕様でしょうか?
よろしくお願いします。
JA4JOE
が
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JTAlertはQRZ.comからName、QTHを取って来てログに書き込みますが、JTDXのログにはName、QTHはありません。
JT_Linkerはログ(ADIFファイル)にName、QTHがあれば転送してくれます。
Name、QTHを転送したければ、JT_LinkerでJTAlertのログを指定すれば良いです。
以下を参考にしてください。
https://tanukijima.at.webry.info/202106/article_19.html#:~:text=%E5%88%86%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82-,%EF%BC%88%E3%81%8A%E3%81%BE%E3%81%91%20JTAlert%E3%81%A8%E3%81%AE%E9%80%A3%E6%90%BA%EF%BC%89,-JTAlert%E3%82%92%E4%BD%BF
JA4JOE
が
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アドバイスありがとうございます。
名前とQTHを含むJTAlertのログをハムログに転送出来るようになりました。
JA4JOE
が
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JA4JOE
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JA4JOE
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はじめまして、本解説を拝読し 無事設定が完了して 1ヶ月稼働中です
内容が詳細まで記述されており 老体でもバッチリ理解出来ました 笑
運用面では 1) USAの要望州が抽出されWASに効果的ですね 5Band WAS リーチです
2) ながらWatch ingで 各Bandの DXcc New のAlart助かってます
3) Message 機能で QSO中に挨拶 👍 先日CQ出してたらPick upしてくれ!が来ました
大変とは思いますが継続的なサポートお願いします。
JA4JOE
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