仰角ローテーター KR-500を入手して整備したので、次回整備時の参照用に記録しておきます。
一年もするとしっかり忘れるので、ブログに書いておけば思い出せるでしょう。(笑)
先月、CALSAT32 ローテーターコントローラーを制作したので仰角ローテーターが欲しいなと思っていました。
アンテナを用意するのが先の気がしますが、ヤフオクで良さそうなものが出ないかなと時々チェックしてケンプロのKR-500が出品されていたら入札してみていました。
3万円くらいで入札出来ないかなと思うのですが、結構高くて3.5万円~4万円くらいで落札されます。
2週間くらい前にまたKR-500が出ていたので入札してみたら、3万円強で落札出来てしまいました。(^^;
汚れがあるのとコントローラーの照明ランプが切れているので安かったのかも知れません。
届いたローター本体とコントローラーです。

動作確認を行いましたが、回転動作は問題なさそうでした。
ただし、角度検出用のボリュームがガリオームになっているようで、メーターの指示がフラフラします。
他に出品情報にあったとおりコントローラーの照明ランプが点灯しません。
先にコントローラーの照明ランプのLED化を行いました。コントローラーはKR-400のものとほとんど同じなので、「ケンプロ ローテーター KR-400 コントローラー照明改造」の手順でLED化しました。

KR-400と並べてみました。KR-400はスイッチが壊れてトグルスイッチになっていますが、他はメーターの表示が違うだけです。

ついでに、ローテーターコントローラーに接続するため、モーター駆動スイッチの共通側を空き端子7番に接続しておきました。

次にローター本体の整備をやろうと思ってハウジングのネジを外しましたが、一本プラスネジのネジ頭が潰れていて外れません。
前の所有者も開けようとして諦めたのでしょうね。
ネジは6mmネジです。
最初にグラインダーでマイナスの切込みを入れてマイナスドライバーで回そうと試みましたが駄目でした。

固着がかなりひどいようです。アルミとステンレスの接触部は電蝕による錆で固着が起きやすいです。
仕方ないのでネジにドリルで穴を開けてエキストラクターで外せないかやってみましたが固すぎて駄目でした。
ネジ エキストラクターです。エキストラクターが折れたらどうしようもないので無理はしませんでした。

結局、最後の手段でグラインダーでネジ頭をカットしてこじ開けました。
開けてビックリ...
中は錆び錆びです。これはジャンク品レベルですね。(笑)

ネジの残骸を5mmドリルで穴を広げて除去したので、ハウジングのネジ山が駄目になりました。(-_-;)

右側ハウジングのべアリングですが、ベアリング球が錆びています。KR-400と違ってベアリング球が落ちないようにベアリングホルダーが付いています。

ベアリング球は20個ありますが、開けた時は片側に寄っていました。錆びて動きが悪いのでベアリングホルダーからずれるようです。
次にギヤマウントを外そうとしましたが、今度はギヤマウントのプラスネジが4本のうち2本が回りませんでした。
仕方ないのでモーターとギヤを分解してエキストラクターでネジを外しました。
1本は外れましたが、もう1本はドリルで穴を開ける際にドリルビットが折れて残ってしまいました。(-_-;)

ミニグラインダーでネジ頭に切れ目を入れて小型タガネで叩いて回したら何とか外れました。
前に買って出番が無くて仕舞ったままだったミニグラインダーが役に立ちました。

左側ハウジングのベアリング球も錆びていますが、右側ハウジングのベアリングより多少ましでした。

ギヤは錆びていませんがグリスが固まっていました。ギヤマウントプレートやサポーターは錆びているところがあります。

分解した全部品です。部品点数は少ないですね。

ガリオームを起こしている500Ωボリュームです。密閉型ではないんですね。(^^;

ギヤ周りをパーツクリーナーで洗浄して古いグリスを落として清掃しました。

べリング球とベアリングホルダーは外して灯油で洗浄しました。

ベアリング球は痛みのひどいものとマシなもので大きさが違います。錆びて小さくなったようです。


7.9mmが元々の大きさでベアリング球の規格は5/16インチ(7.938mm)の様です。
ここまででいったん作業は終了して、モノタロウでベアリング球を注文しました。
他にMISUMI-VONAでボリュームを注文して、ナフコで傷んだネジの交換用ネジとグリスを購入しておきました。
ツバキ・ナカシマ 鋼球 SUJ2 インチサイズ 5/16 1袋(10個) @249x5 1,370円
東京コスモス RA30シリーズ 巻線形可変抵抗器 RA30Y20S B501-R6 @901x3 2,703円
極圧有機モリブデンG ウレアベース 591円
ボリュームはKR-400のメンテナンスも考えて3個購入しておきました。

グリスはウレアグリスが無かったので、ウレアベースのモリブデングリスを購入しました。ウレアグリスは耐水性能が優れているそうです。

一昨日、ベアリング球が届きました。左右20個づつ計40個必要ですが、予備も入れて50個購入しました。

昨日、整備作業を行いました。
先にボリュームを交換しました。ボリュームは元のものの方が軸が長かったです。

交換したボリュームです。元のボリュームに共締めで絶縁シートがついていましたが割れたので、端子に収縮チューブをかけておきました。

ボリュームを交換してギヤを組み立てました。ボリュームは軸長20mmで問題なかったです。

ギヤにはスプレーのウレアグリスを塗布しました。

引き続き、ベアリング球を交換しました。左側ハウジングのベアリングです。

右側ハウジングのベアリングです。

ベアリングホルダーの合わせ目は間隔が広いので下に向けるとベアリング球が落ちます。組立時に落として一個行方不明になりました。(^^;
余分に買っておいて良かったです。
ハウジングを組み立てる時は左側ハウジングを水平に置いて、右側ハウジングのベアリングホルダーの合わせ目が下側になる状態ではめるとベアリング球が落ちないので良いです。(ベアリングホルダーを取り付ける時に合わせ目が下になるようにしておく。)
組み立ては、一度仮組して動作確認しました。

ハウジングのネジを壊した箇所は6㎜のドリルで穴を貫通させてグラインダーで平たくしてボルトナットで留まるようにしました。

ボルトナットで留めた状態です。

ボリュームを交換したので表示角度調整が必用でした。
仮組の動作確認で最後にコントローラーの表示角度を90度にしておきます。

その後の組立時に90度ポイントが合うようにブームシャフトのギヤをはめれば角度が合います。

90度ポイントを合わせてから再確認したら、180度のメーター表示が多少ずれていたのでコントローラーのボリュームで調整しました。
仮組で問題なかったので、最終組み立てです。
ベアリング部分にモリブデングリスをたっぷり塗布しました。


防水のため液状ガスケットを使いました。左右のハウジングの合わせ目にヘルメシールNo.201を塗ってから組み立てました。


下側の水抜き穴は埋まらないようにします。

組立後に動作確認を行いました。結構音がうるさいですがKR-400もうるさいので、こういうもののようです。(^^;
90度の位置合わせも問題ありませんでした。
以上でKR-500の整備が終わりました。ネジが外せなくて苦労しましたが、なんとか使える状態になりました。
中がかなり錆びていましたが、ボールベアリングのベアリング球交換だけで済んで良かったです。
ヤフオクの出品説明では4年くらい使って、その後ずっと保管していたものとの事ですが、KR-500は構造的に雨水が入りやすいので劣化が早いのでしょうね。
2年置きくらいにグリスアップしないといけないもののような気がします。
構造をKR-400と比べるとKR-500は回転シャフトが水平なのでベアリング部をカバーしにくいのでしょうね。
KR-400とKR-500の組み立て図です。
KR-400 上のハウジングが被さるのでベアリング部には雨水が入りにくい構造です。

KR-500 ベアリング部が横にあって、カバーが無いのでベアリングの隙間に雨水が入りやすそうです。

防水ベアリングを使えば良いのでしょうが、値段が高くなるので簡易的な構造になっているのでしょうね。
仰角ローテーターは準備できましたが、肝心の衛星通信用アンテナがまだ無いので次はアンテナを作らないといけません。
いつの事になるやら。(^^;
一年もするとしっかり忘れるので、ブログに書いておけば思い出せるでしょう。(笑)
先月、CALSAT32 ローテーターコントローラーを制作したので仰角ローテーターが欲しいなと思っていました。
アンテナを用意するのが先の気がしますが、ヤフオクで良さそうなものが出ないかなと時々チェックしてケンプロのKR-500が出品されていたら入札してみていました。
3万円くらいで入札出来ないかなと思うのですが、結構高くて3.5万円~4万円くらいで落札されます。
2週間くらい前にまたKR-500が出ていたので入札してみたら、3万円強で落札出来てしまいました。(^^;
汚れがあるのとコントローラーの照明ランプが切れているので安かったのかも知れません。
届いたローター本体とコントローラーです。

動作確認を行いましたが、回転動作は問題なさそうでした。
ただし、角度検出用のボリュームがガリオームになっているようで、メーターの指示がフラフラします。
他に出品情報にあったとおりコントローラーの照明ランプが点灯しません。
先にコントローラーの照明ランプのLED化を行いました。コントローラーはKR-400のものとほとんど同じなので、「ケンプロ ローテーター KR-400 コントローラー照明改造」の手順でLED化しました。

KR-400と並べてみました。KR-400はスイッチが壊れてトグルスイッチになっていますが、他はメーターの表示が違うだけです。

ついでに、ローテーターコントローラーに接続するため、モーター駆動スイッチの共通側を空き端子7番に接続しておきました。

次にローター本体の整備をやろうと思ってハウジングのネジを外しましたが、一本プラスネジのネジ頭が潰れていて外れません。
前の所有者も開けようとして諦めたのでしょうね。
ネジは6mmネジです。
最初にグラインダーでマイナスの切込みを入れてマイナスドライバーで回そうと試みましたが駄目でした。

固着がかなりひどいようです。アルミとステンレスの接触部は電蝕による錆で固着が起きやすいです。
仕方ないのでネジにドリルで穴を開けてエキストラクターで外せないかやってみましたが固すぎて駄目でした。
ネジ エキストラクターです。エキストラクターが折れたらどうしようもないので無理はしませんでした。

結局、最後の手段でグラインダーでネジ頭をカットしてこじ開けました。
開けてビックリ...
中は錆び錆びです。これはジャンク品レベルですね。(笑)

ネジの残骸を5mmドリルで穴を広げて除去したので、ハウジングのネジ山が駄目になりました。(-_-;)

右側ハウジングのべアリングですが、ベアリング球が錆びています。KR-400と違ってベアリング球が落ちないようにベアリングホルダーが付いています。

ベアリング球は20個ありますが、開けた時は片側に寄っていました。錆びて動きが悪いのでベアリングホルダーからずれるようです。
次にギヤマウントを外そうとしましたが、今度はギヤマウントのプラスネジが4本のうち2本が回りませんでした。
仕方ないのでモーターとギヤを分解してエキストラクターでネジを外しました。
1本は外れましたが、もう1本はドリルで穴を開ける際にドリルビットが折れて残ってしまいました。(-_-;)

ミニグラインダーでネジ頭に切れ目を入れて小型タガネで叩いて回したら何とか外れました。
前に買って出番が無くて仕舞ったままだったミニグラインダーが役に立ちました。

左側ハウジングのベアリング球も錆びていますが、右側ハウジングのベアリングより多少ましでした。

ギヤは錆びていませんがグリスが固まっていました。ギヤマウントプレートやサポーターは錆びているところがあります。

分解した全部品です。部品点数は少ないですね。

ガリオームを起こしている500Ωボリュームです。密閉型ではないんですね。(^^;

ギヤ周りをパーツクリーナーで洗浄して古いグリスを落として清掃しました。

べリング球とベアリングホルダーは外して灯油で洗浄しました。

ベアリング球は痛みのひどいものとマシなもので大きさが違います。錆びて小さくなったようです。


7.9mmが元々の大きさでベアリング球の規格は5/16インチ(7.938mm)の様です。
ここまででいったん作業は終了して、モノタロウでベアリング球を注文しました。
他にMISUMI-VONAでボリュームを注文して、ナフコで傷んだネジの交換用ネジとグリスを購入しておきました。
ツバキ・ナカシマ 鋼球 SUJ2 インチサイズ 5/16 1袋(10個) @249x5 1,370円
東京コスモス RA30シリーズ 巻線形可変抵抗器 RA30Y20S B501-R6 @901x3 2,703円
極圧有機モリブデンG ウレアベース 591円
ボリュームはKR-400のメンテナンスも考えて3個購入しておきました。

グリスはウレアグリスが無かったので、ウレアベースのモリブデングリスを購入しました。ウレアグリスは耐水性能が優れているそうです。

一昨日、ベアリング球が届きました。左右20個づつ計40個必要ですが、予備も入れて50個購入しました。

昨日、整備作業を行いました。
先にボリュームを交換しました。ボリュームは元のものの方が軸が長かったです。

交換したボリュームです。元のボリュームに共締めで絶縁シートがついていましたが割れたので、端子に収縮チューブをかけておきました。

ボリュームを交換してギヤを組み立てました。ボリュームは軸長20mmで問題なかったです。

ギヤにはスプレーのウレアグリスを塗布しました。

引き続き、ベアリング球を交換しました。左側ハウジングのベアリングです。

右側ハウジングのベアリングです。

ベアリングホルダーの合わせ目は間隔が広いので下に向けるとベアリング球が落ちます。組立時に落として一個行方不明になりました。(^^;
余分に買っておいて良かったです。
ハウジングを組み立てる時は左側ハウジングを水平に置いて、右側ハウジングのベアリングホルダーの合わせ目が下側になる状態ではめるとベアリング球が落ちないので良いです。(ベアリングホルダーを取り付ける時に合わせ目が下になるようにしておく。)
組み立ては、一度仮組して動作確認しました。

ハウジングのネジを壊した箇所は6㎜のドリルで穴を貫通させてグラインダーで平たくしてボルトナットで留まるようにしました。

ボルトナットで留めた状態です。

ボリュームを交換したので表示角度調整が必用でした。
仮組の動作確認で最後にコントローラーの表示角度を90度にしておきます。

その後の組立時に90度ポイントが合うようにブームシャフトのギヤをはめれば角度が合います。

90度ポイントを合わせてから再確認したら、180度のメーター表示が多少ずれていたのでコントローラーのボリュームで調整しました。
仮組で問題なかったので、最終組み立てです。
ベアリング部分にモリブデングリスをたっぷり塗布しました。


防水のため液状ガスケットを使いました。左右のハウジングの合わせ目にヘルメシールNo.201を塗ってから組み立てました。


下側の水抜き穴は埋まらないようにします。

組立後に動作確認を行いました。結構音がうるさいですがKR-400もうるさいので、こういうもののようです。(^^;
90度の位置合わせも問題ありませんでした。
以上でKR-500の整備が終わりました。ネジが外せなくて苦労しましたが、なんとか使える状態になりました。
中がかなり錆びていましたが、ボールベアリングのベアリング球交換だけで済んで良かったです。
ヤフオクの出品説明では4年くらい使って、その後ずっと保管していたものとの事ですが、KR-500は構造的に雨水が入りやすいので劣化が早いのでしょうね。
2年置きくらいにグリスアップしないといけないもののような気がします。
構造をKR-400と比べるとKR-500は回転シャフトが水平なのでベアリング部をカバーしにくいのでしょうね。
KR-400とKR-500の組み立て図です。
KR-400 上のハウジングが被さるのでベアリング部には雨水が入りにくい構造です。

KR-500 ベアリング部が横にあって、カバーが無いのでベアリングの隙間に雨水が入りやすそうです。

防水ベアリングを使えば良いのでしょうが、値段が高くなるので簡易的な構造になっているのでしょうね。
仰角ローテーターは準備できましたが、肝心の衛星通信用アンテナがまだ無いので次はアンテナを作らないといけません。
いつの事になるやら。(^^;
コメント
コメント一覧 (9)
JA4JOE
が
しました
JOEさんの技術力と、この製品をオークションにジャンクではなく出してきた出品者さんに。^^;
せっかく見事に直されたんですから、ぜひお月さんを追っかけてくださいませ。^^)/
JA4JOE
が
しました
コメントありがとうございます。
予想外に手間がかかりましたが、整備出来て良かったです。
ローテーターは構造が簡単なので何とかなりますね。
>これで衛星追尾は完璧ですね。この先にはEMEの予定も有るのでしょうか?
衛星通信用アンテナが無いのでアンテナを準備しないといけません。
EMEは144MHzだと4m以上のブーム長のスタックが必要らしいので、狭いベランダにアンテナを上げるのは厳しそうです。
JA4JOE
が
しました
いつもコメントありがとうございます。
ローテーターは構造が簡単なのでなんとかなりますね。
お月さんもやってみたいですが、大きなアンテナが必要らしいので当分無理そうです。
JA4JOE
が
しました
電蝕によるボルトの食いつきは困ります。JOEさんが改造したように馬鹿穴にしてボルトナットが正解です。アルミとステンは絶対ダメで、ステンの板に乗せたローテーターの底が抜けたことがあります。マストクランプも前はたてこみだったですが今は馬鹿穴でボルトナットになってますね。
JA4JOE
が
しました
動作はしていたので、中を見ないとこんな状態と思えないですね。出品者も動けば問題ないと思ったのかな。
KR-500はKR-400と比べて無理な設計のような気がします。他社の仰角ローテーターは見たことが無いですが、ちゃんとした防水構造になっているのではないかと思います。
JA4JOE
が
しました
KR-500の取説を無くしてしまいました。内部の結線図があれば、教えて頂きたいのですが、よろしくお願いします。
JA4JOE
が
しました
(お願い)質問はメールではなく、コメントでお願いします。