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(旧記事)
昨年書いた「IC-7300 + WSJT-X2.2で FT8 運用開始」の改版記事です。WSJT-X 2.5.1でレイアウトが少し変わったので、WSJT-X画面の差し替えと多少の見直しを加えました。
なお、私のPCはWindows11にアップグレード済みなので、Windows11環境での説明にしました。


1. 事前準備(USBドライバーインストール)


(1) 必用な設備
・SSBモードのある無線機とアンテナ
 この記事ではIC-7300を使う前提で説明します。
・Windows10 、Windows11パソコン
 Windows7、Windows8でも動きますが、Windows10、Windows11を推奨します。
 ディスプレイはHDサイズ以上を推奨します。
・USBケーブル(A-Bタイプ)
 無線機とパソコンを接続します。
 送信電波のUSBケーブルへの回り込みでエラーが起きる事があります。そういう場合はフェライトコア(パッチンコア)を入れて対策します。

(おまけ)
私の無線機とパソコンです。27インチモニター3画面です。ちょっと自慢させてください。(笑)
IMG_7107.jpg
モニター画面が小さいとWSJT-Xとログソフト(私の場合Turbo HAMLOG)と並べて表示するのが難しいので、HDサイズ(1920x1024)以上のディスプレイのパソコンが良いです。可能なら2モニターにすれば、ブラウザでPSK REPORTERなども同時に見れて便利です。

(2) 必要ソフトのインストール
・IC-7300のFWをバージョンアップ
FWはVersion1.41が最新です。(2021年7月時点)バージョンが古い場合はバージョンアップしてください。バージョンアップ手順は以下を参考にしてください。
  IC-7300M ファームウェアバージョンアップ Version1.30

・USBドライバーインストール
アイコムのページからIC-7300用のUSBドライバーをダウンロードしてインストールします。
 USBケーブルは外しておく。
 ダウンロードしたCD-301501-004.zipを解凍する。
 Win10下のCP210xVCPInstaller_x64.exeを実行。(32ビッ トOSの場合はCP210xVCPInstaller_x86.exeを実行)
 USBケーブルを接続する。

私の環境ではIC-7300MのUSBシリアルポートがCOM4になりました。 
WSJTX1.PNG



2. IC-7300の設定


本記事ではIC-7300を例に説明します。
IC-7300、IC-9700、IC-705ではFT8用プリセットメモリーがあるので、FT8通信時にプリセットメモリーを読み込んでください。

IC-7300の[MENU]ボタンを押して②にある[PRESET]を選びます。
161449832458933523845.png
初期状態では「通常」と「FT8」が用意されています。
161449839217228644588.png
「2.FT8」のプリセットを読み込みます。
161449842860875607109.png
「FT8」が使用中になります。
161449845195533041981.png
以上でIC-7300のFT8用設定が出来ます。

(参考)IC-7300のFT8プリセットメモリーの内容は以下を参照してください。
IC-7300 F/W Version1.40 FT8プリセットメモリー初期値



3. パソコンのサウンドデバイス設定


以下の記事に従って、PCのサウンドコントロールパネルでIC-7300のサウンドデバイス設定を行います。
Windows 10 IC-7300でFT8運用開始 パソコンのサウンドデバイス設定
Windows 11 FT8運用開始 パソコンのサウンドデバイス設定(Win11版)



4. WSJT-Xのインストール


(1) WSJT-Xのダウンロード
WSJT-Xのホームページから最新のWSJT-Xをダウンロードしてインストールします。(SourceForgeからもダウンロードできます。)
現時点の最新版はwsjtx-2.5.2-win64.exe または wsjtx-2.5.2-win32.exeです。自分のPCにあった方をダウンロードしてください。
私のパソコンは64bit版なのでwsjtx-2.5.2-win64.exeをダウンロードしました。

(2) WSJT-Xのインストール
wsjtx-2.5.2-winXX.exeを実行してインストールします。
一回目はDesktop Icon を作ったほうが良いでしょう。
WSJTX1.png
インストール先はデフォルトにしました。
WSJTX2.png
スタートメニューフォルダーはwsjtxとしました。(バージョン付きのフォルダーにするとフォルダーが増えるので。)
WSJTX3.png


5. WSJT-Xの設定


WSJT-Xの設定に関しては「WSJT-X 2.5.0 ユーザーガイド 日本語訳」に一度目を通しておくことをお勧めします。

WSJT-Xを起動してWSJT-Xの設定を行います。
2021-11-08 (2).png

以下、記述の無い設定はデフォルトで良いと思います。
ファイル→設定
・一般
自局コールサインとグリッドロケーターを設定します。グリッドロケーターは住所からグリッドロケーター計算で調べて入力します。
WSJTX5.png
 [コールサインをダブルクリックすると送信可にする] はチェックしておくとCQを出している局をダブルクリックすると応答を送信してくれるので便利です。
 [73を送った後、送信を停止] 73を送出完了すると自動的に送信終了します。

・無線機
IC-7300との通信に関する設定を行います。
WSJTX6.png
 [無線機]  Icom IC-7300 を選択します。
 [シリアルポート] USBドライバーをインストールした際に割り付けられた番号です。私の環境ではCOM4です。
 [PTT方式] IC-7300のプリセット機能を使ってFT8用の設定をした場合はCATにします。
 [モード] Data/Pktに設定しておくと自動的にIC-7300の通信モードを「USB-D」に設定してくれます。
 [スプリット] 疑似スプリット
(重要)スプリットを使う事で送信オーディオ信号(DF)を常に1500から2000Hzの範囲におさめ、2倍3倍高調波を送信帯域の外に押しやることができます。結果、高調波が送信フィルターでカットされ出ていきません。スプリット機能を使うことをお勧めします。

上記までの設定後に[CATをテスト] ボタンをクリックして緑色になれば CATによるIC-7300の制御が出来ています。
[PTTテスト]をクリックするとIC-7300が送信状態になります。
CATが動作しない場合、いったんWSJT-Xを終了して再度起動すると上手くいくことがあります。
それでもCATが動作しない場合は、USBケーブル接続、ドライバー設定、IC-7300の設定、WSJT-Xの設定を再確認してください。

・オーディオ
サウンドデバイス関係の設定です。サウンドカードはIC-7300のサウンドデバイスを指定します。
WSJTX7.png
サウンドカードの名称は先に付けたデバイス名です。

(注意)
オーディオサウンドカードの設定がDefoult Device に変わってしまう事があります。
ノートパソコンを使われている方で、ノートパソコンを持ち出す際にUSBケーブルを外した後に良く起こるようです。
突然受信できなかったり送信できない状況になった場合は、オーディオ設定を確認してください。


・Txマクロ
任意の送信メッセージを登録して送信できますが、とりあえず設定しなくて良いです。運用に慣れてきたら適当なメッセージ(例えば JCCxxxx TU73 とか)を設定して使ってください。

・レポート
WSJTX8.png
 [QSOをログするよう促すメッセージを出す] QSOが終了すると自動的にログ書込み確認画面が表示されます。
 [dBレポートをコメントに追加] ログにコメントとしてdBレポートが追加されます。(2022年1月26日追記)参考: eQSLへのコメント入力
 [PSK Reporterによるスポットをオン] PSKレポーターに送受信情報が送信されます。(後述)
 [UDPサーバー] JTAlertを使う際に設定しますが、とりあえず、すべてチェック無しにしておきます。

・周波数
WSJTX9.png
 [運用周波数] 国内周波数の3.531MHzと7.041MHzを追加しました。表の上でマウス右ボタンを押して挿入を選んで追加できます。
(補足)
3.573MHzと7.074MHzではJA局同士の交信が出来ません。
アマチュアバンドプランを参照してください。)

 [局情報] アンテナ情報を設定しておくと PSKレポーター(後述)に表示されます。

・色
メッセージの種類によって色分けして表示されます。
WSJTX10.png
とりあえず、デフォルトでも良いと思いますが[新コールサイン]と[バンドの新コールサイン]はチェックを入れた方が良いと思います。
上記設定は私の設定ですが、新コールサインを分かりやすくするためにピンク系の色にしています。モードハイライトをチェックして新モード(FT8で交信済みだがFT4では初めてとか)も区別するようにしています。

(おまけ)
[LoTWユーザー]をチェックするとLoTWユーザーのCQメッセージの文字が色付きで表示されます。LoTWでのアワードを狙う場合はLoTWユーザーを呼ぶ必要があるので、チェックしておくと良いと思います。LoTWユーザー表示を利用する場合は、下のLoTWユーザー確認の[データ取り込み]で lotw-user-activity.csv を読み込んでおいてください。

・詳細
ここもデフォルトで良いと思います。
WSJTX11.png

[特別な運用] DXペディションがFT8のDXpeditionモードを使ってサービスされることがあります。Dxpeditionの相手(Fox)を呼ぶ場合は[Hound]をチェックします。周波数も通常の周波数を使わないので、あらかじめ運用周波数情報を入手して設定しておく必要があります。

上記設定が終わったら[OK]をクリックして設定を終了します。
念のため、WSJT-Xを終了して再起動します。



6. HAMLOGからのログ情報取り込み


新規にFT8を始められる場合は、この作業は必要ありません。次に進んでください。
過去にFT8やJT65をやられた方でTurbo HAMLOGを使われている場合、HAMLOGからADIFファイルを出力してWSJT-XのADIFファイルに上書きする事によりログ情報を取り込むことが出来ます。

この作業はWSJT-Xを起動していない状態で行ってください。
別記事「ADIF Master による ADIFファイル正規化」を参照して、HAMLOGのログからADIFファイル(wsjtx_log.adi)を作ってWSJT-Xのwsjtx_log.adiに上書きします。
WSJTX12.png
(補足)WSJT-XのログディレクトリはWSJT-Xから開くことが出来ます。
 ファイル-->ログディレクトリを開く
2021-11-08 (3).png



7. BktTimeSyncインストール


FT8通信ではパソコンの時計を正確に合わせる必要があります。Windows10自体の時刻合わせ機能では、パソコンの時刻がずれる事があるので、時刻合わせソフトをインストールすることをお勧めします。既に桜時計などの時刻合わせソフトをを使われている方は次に進んでください。
BktTimeSyncはデジタルモード通信用に開発されたソフトなので、FT8と相性が良いです。
以下の記事を参照してBktTimeSyncをインストールしてください。BktTimeSyncはパソコン起動時に常駐して、パソコンの時計をネット上の時刻サーバに合わせてくれます。
 FT8通信用時刻合わせソフト BktTimeSync インストール(改版)



8. JT_Linkerインストール、設定


JT_Linkerを起動しておくことでWSJT-XとTurbo HAMLOGを連携させる事が出来ます。(JT_Linkerを使わない場合は次に進んでください。)
JT_LinkerからeQSLやLoTWへのログ アップロードを行う事も出来ます。
JT_Linkerのインストールと設定については以下を参照してください。
 JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定(改版)

(補足)
HAMLOG Ver5.32 からHAMLOG自体にWSJT-XまたはJTDXのログを取り込む機能「JT-Get's」が追加されました。
eQSLやLoTWへのログ アップロードが必要無い場合はHAMLOGのログ自動転送機能のほうが設定が簡単なので、JT_Linkerの代わりにJT-Get'sを使う事をお勧めします。
WSJT-X/JTDXとHAMLOGの連携(改版)」を参照してください。



9. WSJT-Xで通信する


FT8通信時はWSJT-XとHAMLOG、JT_Linkerを起動しておきます。(BktTimeSyncは自動起動して常駐します。)

(1) IC-7300側の設定
・通信モード
通信モードはWSJT-Xから自動的に設定されてUSB-Dモードになります。

ちなみにIC-7300のUSBとUSB-Dの違いは、以下らしいです。(他にもあるかも)
 受信フィルターの帯域幅
 送信フィルターの帯域幅
 送信時自動的にマイクオフになる。

・受信フィルター設定
IC-7300のUSB-DのフィルターはデフォルトでFIL1が最も広くて1.2k(900~2100Hz)になっていますが、FT8の通信では900Hz以下や2,100Hz以上で出ている局も多いです。
そこで、FIL1のバンド幅を広げておいてFIL1で通信します。
「FIL1」長押しでFILTER設定画面を表示させて、「BW」でメインダイヤルを回してバンド幅を最大の3.6k(-300~3300Hz)に設定します。これで、3,300Hzまでの周波数が受信できるようになります。

画像


・AGC設定
 AGCはFAST(AGC-F)に設定します。(FUNCTIONボタン→AGC FAST)
他にNB(ノイズブランカ)、NR(ノイズリジェクタ)はオフにします。

(補足)
FT8通信時の画面はMETER表示にしています。FT8ではスペクトラムスコープ表示は意味が無いのでALCとSWRを確認できるようにしています。(MENUボタン→METER)

(2) 通信する モード、バンドを設定
WSJT-Xで通信する モード、バンドを設定します。受信音を聞きながらバンドを切り替えれば、出ている局がいるかどうかすぐ分かります。
WSJTX14.png
① 通信モードは「FT8」を設定します。
 モード→FT8
② バンド
 画面左中段の周波数選定BOXで運用周波数を選びます。 例では20m 14.074MHzです。
 バンドを選ぶとIC-7300の周波数と通信モード(USB-D)が設定されるはずです。変わらない場合はCAT制御が上手くいっていません。

(参考)JT65/FT8運用周波数 (すべてUSBモードで運用)
 1,838MHz(JT65)、1.840MHz(FT8)
 1.909MHz(JT65/FT8 日本)
 3.531MHz(JT65/FT8 日本)
 3.570MHz(JT65 ※DX用) 、3.573MHz(FT8 ※DX用)
 7.041MHz(JT65/FT8 日本)
 7.074MHz(FT8 ※DX用) 7.076(JT65 ※DX用)
 10.136MHz(FT8)、10.138MHz(JT65)
 14.074MHz(FT8)、14.076MHz(JT65)
 18.100MHz(FT8)、18.102MHz(JT65)
 21.074MHz(FT8)、21.076MHz(JT65)
 24.915MHz(FT8)、24.917MHz(JT65)
 28.074MHz(FT8)、28.076MHz(JT65)
 50.310MHz(JT65)、50.313MHz(FT8)
 50.323MHz(FT8 DX用)
 144.460MHz(JT65/FT8 日本)
 430.510MHz(JT65/FT8 日本)
 1296.60MHz(JT65/FT8 日本)
(注) 「※DX用」の周波数は国内局同士の交信は禁止

他のボタンは、とりあえず上記画面と同じ設定で始めてみてください。
③ [Tx even/1st] CQを出すときにチェックすると00秒/30秒に送信を開始します。チェックを外すと、15秒/45秒に送信を開始します。
④ [自動シーケンス] FT8では自動でシーケンスを進めるのでチェックしておきます。
⑤ [コール 1st] チェックするとCQ送信時に自動的に応答局と交信を開始します。
⑥ 右下の送受メッセージタブはタブ1(標準メッセージ生成)を選んでおきます。
 TX4がRRRになっている場合は [TX4] をダブルクリックしてRR73にしてください。
(補足)最新のWSJT-XではRRRにすると73を送らずに交信を終了する仕様になっています。JTDXの相手と交信すると問題がありますので、RR73にする事をお勧めします。
⑦ [送信周波数固定] チェックすると送信周波数を固定します。通常はチェックしておきます。
⑧ [モニター] ON(緑)にして受信を開始します。
⑨ [送信許可] ON(赤)にして送信を開始すると指定した送信メッセージを送信します。OFFにすると送信中メッセージを送信してから送信を停止します。
⑩ [送信停止] 送信を中断します。
⑪ [メニュー] 画面が狭い場合などにメニューバーをOFFする事が出来ます。

なお、マウスカーソルをWSJT-X画面のボタンやボックスに重ねると説明がバルーン表示されるので参考にしてください。

(3) 変復調レベル調整
・変調レベル
変調レベルはWSJT-Xメイン画面の[チューン] ボタンを押すとIC-7300が送信状態になるので、 ALCメーターが少し触れるレベルに画面右側の[出力]スライダーを調整します。
ALCメーターが大きく振れる状態で送信すると信号が歪んで子供や孫が発生する恐れがあるので大きく振れないように調整してください。

画像

(補足) 
IC-7300側で送信音質モニターをONにして運用中の送信音を確認する事が出来ます。(FUNCTIONボタン→MONI ON)
 私はモニター音量は5%でかすかに聞こえるレベルにして、必要に応じて送信音を確認しています。(MULTIボタン→MONITOR)

・復調レベル
復調レベルはパソコンのサウンド設定の入力でIC-7300を選んで入力音量を調整します。受信信号が無い状態で30dBくらいになるように調整しますが、極端に大きすぎたり小さすぎたりしなければ大丈夫です。私の場合、10に設定しています。

(4) 受信
WSJTX15.png
 画面中央の [モニター]が緑になっていない場合はクリックして緑にして受信を開始してください。

・ウォーターフォール画面(ワイドグラフ)
WSJTX16.png
 受信信号をウォーターフォール/スペクトラムで表示しています。
 [操作パネル] 画面が狭い場合などに、下側の設定パネルを非表示にして使えます。
 [Bin数/ピクセル X ] 表示帯域を変えて3,500Hzくらいまで表示するようにします。
 [開始 100 Hz] 私は100Hzからの表示にしています。
 [N Avg X ] 縦方向の時間軸を調整します。数シーケンス前まで表示されるようにします。
 [スペクトラム %] ウォーターフォールとスペクトラムの表示比率です。

 右側のスライダーはウォーターフォールの濃さ/ゼロレベル、スペクトラムの高さ/ゼロレベルを調整します。見やすいように調整してください。(薄くし過ぎると、送信周波数を空き周波数に合わせる際に弱い局が見えなくなくなるので注意してください。)

 ウォーターフォールで送受信周波数を指定することが出来ます。送信 下向き赤カッコ、受信 上向き緑カッコで表示されています。
  左クリック          受信周波数
  シフト+左クリック      送信周波数
  コントロール+左クリック   送受周波数
 
・バンド状況ウィンドウ メッセージ表示
 15秒毎にDecodeが実行されて左側のバンド状況ウィンドウにバンド内の通信が表示されます。
 最初は、しばらく他局の交信をモニターして様子をみると良いと思います。(やり取りの流れを把握する。)
 バンド状況ウィンドウの表示は時刻(UTC)、信号強度(dB)、時刻ずれ(DT)、周波数(Freq)、メッセージを表示しています。
 メッセージは種類に応じて設定の「色」で設定した色で表示されます。私の設定では、以下になります。
  CQメッセージが未交信局なら濃いピンク(最初はすべてのCQがピンクになるはずです)
  CQメッセージがそのバンドで未交信局なら薄いピンク
  CQメッセージが交信済み局ならグレー
  CQメッセージがNewCountry(DXCC)なら濃い紫(最初は国内局のCQも紫になるはずです)
  CQメッセージがそのバンドでNewCountryなら薄い紫
  自分宛のメッセージは赤
  送信メッセージは黄色(受信周波数ウインドウのみ)

(補足)時刻ずれ(DT)が大きいと旨くデコードできません。複数の局がずれている場合は自分のPCの時刻が狂っている可能性があるので調整が必要です。(BktTimeSync使用の場合、Sync Nowで時刻合わせが実行されます。)

・受信周波数ウインドウ
 ウォーターフォールを左クリックすると受信周波数が移動します。受信周波数の受信メッセージが受信周波数ウインドウに表示されます。

(5) 交信(CQへの応答)
 最初はCQを出している局を呼んでみてください。
WSJTX18.png
・ウォーターフォール上でシフト+左クリックをして、空いている周波数に送信周波数を設定します。
・バンド状況ウィンドウで直前にCQを出している局をダブルクリックします。 [送信許可] が赤に変わります。受信周波数がCQ局の周波数になって、相手のメッセージが受信周波数ウィンドウに表示されるようになります。
・次の15秒間で自動的にコールサインと自分のグリッドロケーターが送信されます。(Tx1の内容)
(ダブルクリックが遅れると途中からメッセージを送るので正常なメッセージが送れません。次の回で正常なメッセージが送られることになります。)
・相手が応答してくれれば、自動的にシグナルレポートが送られます。
 相手の応答が他局あての場合は [送信停止] を押して中止してください。
・次の15秒で応答(RR73など)が返り、自動的に73が送られます。
・途中、相手からのメッセージを受信できない場合や同じメッセージが返った場合は次のメッセージが返るまで同じメッセージが送信されます。
(交信のパターン)
 1. CQ K1ABC FN42
 2. K1ABC G0XYZ IO91
 3. G0XYZ K1ABC -19
 4. K1ABC G0XYZ R-22
 5. G0XYZ K1ABC RR73
 6. K1ABC G0XYZ 73

なお、[送信周波数固定] のチェックを外していると送信周波数が自動的に受信周波数に合わせられます。
通常は他局と被らないように空いている周波数に固定して通信します。

(補足1)
メッセージでCallSign/1のような形式の場合CQにGridが付きません。CallSign/1のようにコールサインが長いとメッセージに収まらずGridが省略されます。
CallSign/1の形式のコールサインはCQ以降のメッセージはコールサインの代わりにハッシュコードを送って同じコールと認識して表示します。
なお、CallSign/P形式のコールを送る場合はGridを付けることが出来ます。
こういう局は一連のシーケンスの最後にJCCコードなどを送ってこられる場合があります。

(補足2 ちょっと重要)
通常、FT8では同一モード&同一バンドで交信済みのCQ局を呼ぶことはしません。WSJT-Xでは新バンドのNew Call CQが色分け表示されるので、同一モード&同一バンドで交信済みのCQ局は呼ばないようにした方が良いと思います。


(6) ログ
 交信終了後(73送出後)、ログ書込み確認画面が表示されます。
WSJTX19.png
OKを押すとWSJT-XのADIFファイル(wsjtx_log.adi)にログが書込まれて既交信局(B4)の区別に使われます。

JT_LinkerによりTurbo HAMLOGと連携している場合はHAMLOGにデータが送られます。
HAMLOGで [はい] を選ぶとログが記録されます。必要に応じて [キャンセル] で情報を修正して記録してください。
WSJTX21.png
JT_LinkerでeQSLやLoTWへのログアップロードを設定している場合は、eQSL、LoTWにログが送信されます。
参考:JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定(改版)

(7) CQ送出による交信
・[コール 1st] をチェックしておきます。
・ウォーターフォール上でシフト+左クリックをして空いている周波数に送信周波数を動かします。
・送信メッセージタブで [TX6](CQ)を押します。
・[送信許可]を押して送信を開始します。
・応答があれば、自動的にシーケンスが進みます。
・応答がない場合はTx watchdogで設定した時間(6分)CQを繰り返します。
・途中、相手からのメッセージを受信できない場合や同じメッセージが返った場合は、次のメッセージが返るまで同じメッセージが送信されます。

WSJTX20.png

(補足 ちょっと重要)
Eスポシーズンの50MHzバンドでCQを出す際にJA局はODD(15/45秒 )でCQを出すのが慣例になっています。CQは[Tx even.1st]のチェックを外してODDで出すようにしましょう。
これは、EVENでCQを出すと距離の近いローカル局の受信を妨害しやすいので、その対策です。





10. JTALertによるFT8運用環境の向上


JTAletrtを使う事で交信相手局がeQSL、LoTWを利用しているかどうか分かるので便利です。また、QRZ.com情報を表示できます。
 
(1) WSJT-X/JTDX+JTAlertによるFT8運用環境向上(改版3)
 JTAlertはJTDXやWSJT-Xを補完するソフトで、受信コールサインに交信済み、LoTW、eQSLユーザーかなどの情報を付加して表示してくれます。

(2) FT8運用環境向上 eQSL登録
 eQSL.ccはオンラインQSLカードシステムです。紙QSLカードのやり取りはなるべ減らして、電子QSLカードを使う方が多いです。eQSLの利用をお勧めします。

(3) FT8運用環境向上 LoTW登録
 LoTWはARRLの公式オンラインログで、DX局はeQSLよりLoTWを使っている局が多いです。LoTWにログを上げて、相手もログを上げるとコンファーム状態になります。LoTWでDXCCアワードの申請が行えます。

(4) FT8運用環境向上 QRZ.com登録
 DX局はQRZ.comで交信相手がBURO経由でカードを送れるかなどの情報を見る人が多いです。JTAlertに相手のQRZ.com情報が表示されるようにするためにQRZ.comに登録しました。





11. その他情報


(1) PSKレポーター
WSJT-Xの(レポート)設定で [PSK Reporterによるスポットをオン] をチェックしておくと、PSKレポーターに送受信局情報が送信されます。
PSK Reporter
PSKR.PNG
自分の情報が世界地図に表示されます。他の局の情報も表示されるので、相手から自分が見えているかなどが分かります。
他局の通信ソフトの情報も分かるので、WSJT-XとJTDXのどちらを使っている局が多いかなども分かります。

(補足)
超ローカル局が同じグリッドロケーターのため、PSKレポーターの画面で重なってしまうという問題がありました。
このため、現在はグリッドロケーターを8桁にしています。
 JTDX、WSJT-X PSK Reporter表示重なり対策 グリッドロケーターを8桁に変更(改版)

(2) WSJT-Xログ (ユーザーディレクトリ\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi)
WSJT-Xでは、QSOのログをwsjtx.log(CSVフォーマット)とwsjtx_log.adi(標準ADIFフォーマット)へ記録します。
ADIFファイルは交信済みの判定に使われますが、これが壊れて読み込みエラーが起こったという方がいるようです。
HAMLOGでADIFファイルを作り直してリネーム、コピーしてみる。ADIF Master による ADIFファイル正規化をやってみる。などの対処方法があります。

(3) ALL.TXT (ユーザーディレクトリ\AppData\Local\WSJT-X\ALL.TXT)
WSJT-Xのデコード情報、送信情報が記録されています。
ログに無い相手からQSLカードを受取った時などの調査に使えます。WSJT-Xを長く使うと大きなファイルになるので、DISK容量不足の場合は時々削除すると良いかも知れません。

(4) 複数のリグ切換え
複数のリグを一台のPCにつないで切替えて使う事が出来ます。
 WSJT-X 複数リグ接続 切替え IC-9700追加

(5) FT8 無線局免許申請
2020年4月の省令によりデジタル通信の免許申請が簡素化されて、届出時に「15 備考」に「デジタルモードのため付属装置(PC)を追加する。」と書くだけで良くなりました。(現在の免許状に電波形式 F1D が入っている必要があります。)
 FT8関係 1.8/3.5MHz帯がバンド拡張、免許手続き簡素化

(6) FT8通信のQSLカード発行
FT8の紙QSLカードの内容について聞かれたので書いておきます。私のQSLの文面です。
QSL.PNG
RSTはdBにdB値 -08を書いています。
カードはHAMLOGのQSLカード印刷機能を使って印刷しています。以下に私の印刷用マクロを載せておきます。参考にしてください。
 HAMLOG_QSLprint.qsl
あと、私のFT8通信の紙カードQSLの発行作業について「オンライン ログとQSLカードの運用について」に書いたので参考にしてください。

(7) プログラムの自動起動
FT8通信時はWSJT-XとHAMLOG、JT_Linkerを起動しておきます。(BktTimeSyncは自動起動して常駐します。)
WSJT-X、HAMLOG、JT_Linkerを一括で起動するためのバッチファイルを作っておくと便利です。

[FT8_WSJTX.batの例]
echo WSJT-X、HAMLOG、JT_Linker起動バッチ
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe
start C:\Hamlog\Hamlogw.exe
start C:\PROGRA~2\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe

(8) FT8関連ソフト 記事リスト
FT8関連ソフトの記事リストです。FT8関連ソフト 記事リスト


以上です。
お役に立ったら、拍手をいただけると嬉しいです。(笑)
また、間違いなどに気づかれたかたはコメントや jarl.com宛メールなどで教えていただけるとありがたいです。