今年1月の記事「JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定(改版3)」の改版記事です。内容は大きくは変わっていませんが、キャプチャ画像を最新版のものにしました。

今年6月にJT_LinkerがバージョンアップされてJTAlert対応機能が強化されました。私は従来からJTAlertのADIFファイルを参照する設定にしてName、QTH情報をQRZ.comから取り込むようにして使っていましたが、新しいJT_LinkerではHAMLOGに情報が無い場合のみQRZ.comの情報を取り込むようになったので非常に便利です。(お勧め2 JTAlertとの連携)に追記しました。
参考:JT_Linker Ver.2022.06.20 JTAlertに対応


(ここから本文)
JT_LinkerはWSJT-XやJTDXと同時に起動しておくことで、交信ログ(wsjtx_log.adi)を監視して交信終了時にログ情報をHAMLOGに転送するソフトです。
eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogなどのオンラインログ(Web Log)への自動ログ アップロードと、それぞれのメンバーかどうかを判定してHAMLOGのQSL欄に自動記録する機能もあります。

1. JT_Linkerダウンロード

JT_Linkerを以下のホームページからダウンロードします。
 「TAKAさんの毎日が発見」マイソフトウエア・ダウンロードサイト
現時点の最新版はVer.2022.01.20bでした。
 JT_Linker Ver.2022.06.20b (インストーラ型 3,242kB)

2. インストール

ダウンロードしたファイルを起動してインストールを開始します。[次へ]
JTLinker1
インストール先はデフォルトのまま。[次へ]
JTLinker2
後で起動しやすいように「デスクトップ上にショートカットを作成する]をチェックしてインストールしました。[次へ]
JTLinker3
インストール完了です。
JTLinker4

(Quick Guide)
以下、設定と使い方について説明しますが、JT_Linkerの画面上でマウスを右クリックしてQuick Guideを表示する事ができますので、そちらも併せて参考にしてください。
2022-09-24

3. 設定

設定は特に記述していない項目はとりあえず説明画面と同じにしてください。自分向けにカスタマイズしたい場合はQuick Guideを参考にして変更してください。

JT_Linkerを起動して [Setup]ボタンをクリックしてSetup画面を表示します。(1回目の起動時は自動的にSetup画面が表示されます。)
JTLinker5
[Basic Settings]
コールサイン、グリッド、eQSLのパスワード、ClubLogのログイン情報、HRDlogのアップロードコードを設定します。
My Call_My_GLの横の[Set]をクリックします。
JTLinker6
My Call、My GL、eQSL Pswd、ClubLog email adrs、ClubLog pswd、HRDlog Codeを入力してAddでリストに入れます。
JTLinker7
My Call、My Gridは自局のコールサインとグリッドです。移動運用のために複数のCall/Gridを登録出来ます。
eQSL PswdはeQSL.ccのパスワードです。eQSLのアップロード機能を使わない場合は設定する必要はありません。
ClubLog email adrs、ClubLog PswdはClubLogのログイン用メールアドレスとパスワードです。ClubLogを使わない場合は設定する必要はありません。
HRDLog CODEはHRDlogのアップロードコードです。私はHRDlogは使っていないので登録していません。
なお、Pswdの文字をクリックするとパスワードを確認できます。
[Save] で登録完了です。JTLinker8
My Call_My_GL以外の主な設定項目は以下です。

Auto Tasktry-IN 起動時、JT_Linkerがタスクトレイに入って起動します。
EntitySearch HAMLOG側で、エンティティ選択画面の選択が終了するまで、JT_Linker側が待ち状態になります。最新のHAMLOGではCTY.DATを利用するようになりエンティティ選択画面が出る事は無くなりましたが、念のためチェックを入れておきます。
Use Hamlog DC12 チェックするとHAMLOG入力画面のDX、CQ、1、2が使われます。チェックしておきます。


[Decoder]
JTDXまたはWSJT-Xのファイルパスを登録します。
JTLinker9
デフォルトで各デジタル通信ソフトの標準ファイルパスが入っているので、そのままで使ってください。
ただし、以下の場合HAMLOGへ同じ内容のログ転送が2度起きるので、ファイルパスは一つだけの設定にしてください。
(注1)ハードリンクによりWSJT-XとJTDXでログを共有している場合はどちらか一方のADIFフィルのみを指定してください。また、JTDXを複数起動するようにしている場合は、いずれかのJTDXのADIFファイルを指定してください。
(注2)
JTAlertを使っている場合は[File Path of log.adi (JTAlert)] と、WSJT-XまたはJTDXのFile Pathを設定をするとJT_Linkerがうまく動作しません。どちらか一方のみを指定してください。
[File Path of log.adi (JTAlert)]のパスを消して、 WSJT-XまたはJTDXのFile Pathのみを設定をすると良いと思います。)

以下はWSJT-XとJTDXでログを共有している場合に、WSJT-XのADIFファイルのみを指定している例です。(パス情報の取得に関しては  (2) wsjtx_log.adi パス設定補足 を参考にしてください。)
JTLinker10
(注)JTDX/WSJT-Xで一度もQSOしていないと、指定したパスの中にwsjt_log.adiファイルが無いため設定終了時にエラーになります。JTDX/WSJT-Xでログを書き込んでからJT_Linkerの設定を行ってください。

Use Decoder Record チェックしておくとRemarksに使用デコーダー名(JT65-HF、WSJT、WSJT-X、JT65-HF HB9HQX-Edition、JTDX、MSHV、JTAlert) が転送されます。
kHz(Cut under kHz)  チェックすると交信周波数のKHz以下がカットされてHAMLOGに転送されます。私はチェックしています。
[SubM] チェックしておくとFT4やQ65通信のログがHAMLOGにFT4、Q65として通知されるので、チェックしておいてください。
[End]、[use S]  eQSL、LoTWへのログアップロード時の交信時刻に関する設定です。
参考:
JT_Linker LoTWメンバー確認機能が追加された 1. 交信時刻を分にする。
追記:[End] はチェックしない方が良いかも知れません。ログのQSO時刻、Tx2でのコール

(お勧め1 JTAlertとの連携)
JTAlertを使っている場合、参照先ADIFファイルにJTAlertのStandard ADIF Fileを指定するとJTAlertのログを参照してQRZ.comから取得したName、QTH情報を取り込むことが出来ます。
DX交信が多いなどで、QRZ.comのName、QTH情報を使いたい場合は、JTAlertのADIFファイルを指定すると便利です。
JTAlertのStandard ADIF Fileはデフォルトでは「log.adi」ですが、別のファイル名に変更する事が出来ます。
 
私は、JTAlertのADIFファイルを「wsjtx_log.adi」というファイル名にして、HAMLOGのフォルダーに置いています。
JTLinker37
JTAlertのADIFファイルがあるフォルダーのパスをWSJT-Xのログのパスの代わりに設定しています。
Blog10
JT_Linkerでの使い方は(お勧め2 JTAlertとの連携)を参照してください。


[Remarks]
Remarksのプルダウンリストの設定画面です。List1-List8のタブとList9-List12のタブに分かれています。
JTLinker11
JTLinker12
Remarks1 欄およびRemarks2欄に入力する項目を設定しておくことができます。交信に使用したアンテナやリグ名を書いておいて、プルダウンリストから選択してHAMLOGのRemarksに転送するような使い方が出来ます。
マクロを使うとJTDX/WSJT-Xのログ確認画面で入力した「Tx出力」や「コメント」をHAMLOGのRemarksに転送する事が出来ます。
%name_qrz_com%%qth_qrz_com%,%address_qrz_com% はJTAlertのStandard ADIF Fileを指定している場合にJTAlertのログを参照してQRZ.comから取得したName、QTH情報をRemarksに転送出来ます。


[Weblog]
eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogへのログ アップロード機能および、それぞれのオンラインログのメンバーかどうかを判定してHAMLOGのQSL欄に自動記録する機能に関する設定を行います。

[WebLog Common]
 Weblog設定の共通項目の設定です。
JTLinker13
Allow Internet Access Inrenet Accessを使うかどうかを設定します。チェックしないとeQSL、LoTWのユーザーリストはダウンロードされません。
オンラインログを使わない場合はチェックしないでください。Internet接続が無い場合もチェックしないでください。
オンラインログを使う場合はチェックして以降の設定を行ってください。

オンラインログを使わない場合は以降の設定は必要ありません。

Response eQSL/LoTW/ClubLog/HRDlogの有効判定/アップロード結果画面を設定時間表示します。2秒くらいが適当だと思います。
Default QSL Letters QSL欄の一文字目の初期値を設定します。通常は J にしてください。(紙のQSLカードは発行しないという方は N にしてください。)
File path of TQSL LoTWのアップロードを行うためのTQSLアプリのパスを指定します。デフォルトでTQSLアプリの標準パスが入っています。
Not record if this letter sets QSL 欄への文字書き込みを無効にする文字設定です。この場合、eQSL、LoTW、ClubLog、HRDLogそれぞれのQSL欄記入用文字の設定を「*」にするとHAMLOG QSL欄への書込みはされません。

(Multiple membership and uploaded letter of Weblogs)
2つ以上のオンラインログにログアップロードをする場合のHAMLOG QSL欄への転送文字を設定します。
Member of 2 or more 交信相手が2つ以上のオンラインログの有効メンバーなら、右の箱の文字「#」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Uploaded 2 or more 2つ以上のオンラインログにアップロードする場合は右の箱の文字「#」または「$」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手がいずれかの有効メンバーの場合は「#」、すべて非メンバーの場合は「$」になります。

(参考)今は eQSL、LoTWは使ってないけど、使ってみようかなという方は以下を参考にしてください。
 FT8運用環境向上 eQSL登録
 FT8運用環境向上 LoTW登録

[WebLog Detail]
オンラインログ毎の詳細設定です。
JTLinker14
(eQSL)
eQSL.ccへのログアップロードに関する設定です。
Verify membership 交信相手がeQSL会員登録をしていれば右の箱の文字「E」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。通常使わないです。
Verify AG list 交信相手が有効メンバーなら右の箱の文字「A」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。通常はこちらにします。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はeQSLを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしています。
Upload eQSLにログを自動アップロードします。eQSLのみにアップロードした場合は右の箱の文字「E」または「e」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「E」、非メンバーの場合は「e」になります。

(LoTW)
LotWはTQSLアプリ経由でアップロードする仕組みです。TQSLがインストールされてログをアップロードできるように設定されていないといけません。(参考:FT8運用環境向上 LoTW登録
Verify membership 交信相手が有効メンバーなら右の箱の文字「L」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はLoTWを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしています。
Same as eQSL 有効期限をeQSLと同じにします。
Upload LoTWにログを自動アップロードします。LoTWのみにアップロードした場合は右の箱の文字「L」または「l」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「L」、非メンバーの場合は「l」になります。

(ClubLog)
Log Search ClubLogのLog Search機能で確認して有効メンバーなら右の箱の文字「C」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
Same as eQSL 有効期限をeQSLと同じにします。
Upload ClubLogにログを自動アップロードします。ClubLogのみにアップロードした場合は右の箱の文字「C」または「c」をHAMLOGのeQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「C」、非メンバーの場合は「c」になります。

(HRDLog)
Log Search HRDLogのコールサイン検索で確認して有効メンバーなら右の箱の文字「H」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
Upload HRDLogにログを自動アップロードします。HRDLogのみにアップロードした場合は右の箱の文字「H」または「h」をHAMLOGのeQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「H」、非メンバーの場合は「h」になります。

[Web Log]設定例
以下に何パターンか設定例を載せておきます。なお、私はHRDlogは使っていないのでHRDlogの設定例は省略します。

(1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合

デフォルトのままで良いです。Allow Internet Accessのチェックが外れている事を確認してください。
JTLinker15
JTLinker16

以降の設定例ではeQSL/LoTWのVerifyとUploadは一緒に使う事にしていますが、独立した機能なのでどちらか一方のみを使う事もできます。例えばeQSLへのログアップロードはJTDXで行って、VerifyのみJT_Linkerを使うような使い方も可能です。


(2) eQSLのみ使っている場合

Allow Internet Access をチェックします。
JTLinker17
Verify AG list の文字を「E」に変更します。Upload の「e」を「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JTLinker18

(3) LoTWのみ使っている場合

Allow Internet Access をチェックします。
JTLinker19
Upload の「l」を「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JTLinker20

(4) eQSLとLoTWを使っている場合

Allow Internet Access をチェックします。
Uploaded 2 or moreの「$」は「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JTLinker21
eQSLとLoTWのVerifyとUploadをチェックします。
JTLinker22

(5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合

私の設定です。Uploaded 2 or moreの「$」は「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JTLinker23
ClubLogはログ アップロードのみ行い、ClubLog会員かどうかはチェックしていません。(参考:ClubLogについて
JTLinker24

(補足:デフォルト設定について)
JT_LinkerのQuick Guide によると、それぞれの文字の初期値は以下のようになっています。
JTLinker25
初期値のままだと、eQSL、LoTW会員かどうかで、HAMLOGのQSLフラグの2文字目は以下のようになります。(eQSL、LoTWへログをアップロードしている場合。_はスペースです。)
eQSL非会員/LoTW非会員  J$_
eQSL会員/LoTW非会員   A#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

eQSL非会員/LoTW非会員の場合に2文字目が$になっているとHAMLOGでのQSLカード印刷時に印刷済みと判断されてしまいます。
作者の意図としては、HAMLOG でQSLカード印刷をする時に「QSL 発行マーク済でも印刷」の欄に「el$」と記入して印刷する事を想定しているそうです。なるべくデフォルト設定のまま使いたい方は、この方法を使われると良いと思います。


4. JTDX/WSJT-XとHAMLOG連携動作

以下の連携動作はそれぞれ[Web Log]設定例の設定をした場合の動作例です。

(共通動作)
JTDXによる通信で JT_LinkerとTurbo HAMLOGを起動しておくと、JTDXのログが書込まれた時点で自動的にHAMLOGのデータ入力画面に交信データが転送されます。
JTDXのログ確認画面の[OK]でログ(wsjt_log.adi)が書き込まれるとJT_LinkerがHAMLOGにデータを転送します。
(JTDXのログ確認画面)
JTLinker26

(WSJT-Xのログ確認画面)動作はJTDXと同じです。
JTLinker30
JT_LinkerがHAMLOGにデータを転送して、HAMLOGの登録確認画面が表示されます。HAMLOGで[はい]を選ぶとログが記録されます。
JTLinker27

(1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合
JTLinker36
HAMLOGのQSLフラグは[J__」固定です。(Default QSL LettersがJの場合)
修正が必要な場合は[キャンセル]して修正後に[Save]してください。

(2) eQSLのみ使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、eQSL有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
2022-09-26 (1)
HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
eQSL非会員        J__
eQSL会員         EE_

HAMLOG画面
JTLinker28

(補足 QSLメッセージ)
JTDX/WSJT-Xのログ確認画面でコメントを記入してログに書き込むと、JT_LinkerがeQSLにQSLメッセージとしてアップロードしてくれます。
JTLinker29
上記の確認画面ではモードと送受レポートが入っていますが、JTDX/WSJT-Xのレポート設定で入れる事ができます。参考: eQSLへのコメント入力
ログ確認画面で「TNX 3rd QSO. 」のようなメッセージを入れる事もできます。
QSLメッセージはeQSLのQSLカードに表示されます。
JTL18d20.png

(3) LoTWのみ使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、LoTW有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
2022-09-27

HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
LoTW非会員        J__
LoTW会員         LL_

(4) eQSLとLoTWを使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、eQSLとLoTWの有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
eQSL会員/LoTW会員の場合
JTLinker32
eQSL非会員/LoTW非会員の場合
JTLinker31
HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
eQSL非会員/LoTW非会員  J__
eQSL会員/LoTW非会員   E#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

(5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合
私の設定です。HAMLOGへのログ転送前に、eQSL、LoTWの有効メンバーかどうかのチェック結果とeQSL、LoTW、ClubLogへのアップロード結果の画面が表示されます。(ClubLog会員の確認はしていません。)
JTLinker33

ClubLog会員の確認はしていないので、HAMLOGのQSLフラグはeQSLとLoTWを使っている場合と同じです。
eQSL非会員/LoTW非会員  J__
eQSL会員/LoTW非会員   E#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

HAMLOGのQSLフラグの転送例です。QSLをNにする場合以外はJT_Linkerが自動でQSLフラグを記入してくれます。
JTLinker34

(参考 私のQSLフラグの使い方)
別記事にしたので参考にしてください。オンライン ログとQSLカードの運用について

(お勧め2 JTAlertとの連携)
JTAlertを使っていてJT_LinkerでJTAlertの
Standard ADIF Fileを指定している場合、JTAlertのログを参照してQRZ.comから取得したName、QTH情報を取り込むことが出来ます。(設定についてはお勧め1 JTAlertとの連携を参照してください。)
JT_Linker Ver.2022.06.20 からHAMLOGに情報が無い場合のみQRZ.comの情報を取り込めるようになったので非常に便利です。参考:JT_Linker Ver.2022.06.20 JTAlertに対応

JT_LinkerからHAMLOGへName、QTHを転送したい場合、Name(Auto)、QTH(Auto,City 1st)にしておきます。

JTLinker35
Name、QTHの文字の部分をクリックすると、それぞれ以下のように変化します。
(Hamlog) →(Web data) 
 (Auto)
(Hamlog) 
 (Web data (Auto、Ctry 1st)(Auto, Addr 1st)

Hamlog:HAMLOGの情報を使用
Web data:JTAlertの情報を使用(QRZ.comもしくはHam.QTHの情報)
Auto:Hamlog に情報が有る場合はHAMLOGの情報を使用、
HAMLOGの情報が無い場合はJTAlertの情報を使用

Auto、Ctry 1st:DX局の場合、国名, QTH(City/Townなど)の順になる
Auto, Addr 1st:DX局の場合、QTH(City/Townなど), 国名 の順になる

私はこの機能が追加される前は国内局との交信ではName、QTHのチェックを外し、DX局との交信ではNameにチェックを入れて交信するようにしていました。それでも国内局でHAMLOGに情報が無い場合は、JTAlertのメイン画面からQRZ.comのName情報をコピーしてくるなどの作業が発生して面倒でした。
この機能が追加されてからは、ほとんど自動でHAMLOGへの記録が出来るのでとても便利になりました。(^^;

(参考)
以前、JT_LinkerからJT_Alertのログを参照する設定が分かりにくいという相談を受けて、以下の記事を書いたので興味のある方は参考にしてください。
 JT_LinkerでJTAlertのログ(ADIF)を参照する設定(改版2)

5. その他情報

(1) JT_LinkerのADIFファイル読込エラー
ブログへのコメントやメールで「JT_LinkerでADIFファイル読込エラーが発生する」との相談を受ける事があります。
JT_Linkerは起動時にWSJT-X(またはJTDX)のADIFファイルを読み込みますが、ADIFファイルに異常があるとエラーになります。
私もJTDX+JT_Linkerの環境でエラーが発生したことがあります。
その時は、HAMLOGから出力してコピーしたADIFファイルに漢字が含まれていたために発生していたので、HAMLOGからのADIF出力を[全角を除く]で行えば良いことが分かりました。

ADIFファイルのせいでJT_Linkerがエラーになる場合、ADIFファイルをADIF MasterというADIFファイル編集ソフトで一度開いて上書きする事で、エラーが発生しなくなる事が多いです。JT_Linkerがエラーになる場合は、以下の記事を参考にして正規化をやってみてください。
 ADIF Master による ADIFファイル正規化

(2) wsjtx_log.adi パス設定補足
JT_Linkerは初期状態でwsjtx_log.adiのファイルパスが入っていますが、変更する必要がある場合はJTDX/WSJT-Xのプログラムからwsjtx_log.adi のあるディレクトリを開いてパスを取得する事が出来ます。
以下はJTDXの画面ですが、WSJT-Xでも同じです。
2022-09-27 (1)

エクスプローラーのアドレスバー上で右クリックしてパス情報をクリップボードにコピーできます。
2022-09-27 (2)
コピーしたパス情報をJT_LinkerのJTDX/WSJT-Xのパス情報に貼りつければ良いです。

(3) JTDX/WSJT-X、HAMLOG、JT_Linkerの起動
JTDX/WSJT-Xを起動時にJT_Linker、HAMLOGを起動しておく必要があります。JT_Linkerの起動を忘れていると、HAMLOGへのログ自動転送が行われないので注意が必要です。
JTDX、HAMLOG、JT_Linkerを一括で起動するためのバッチファイルを作っておくと便利です。

JTDX用のバッチファイル
[FT8_JTDX.batの内容]
echo JTDX、HAMLOG、JTLinker起動バッチ
start C:\JTDX\JTDX\bin\jtdx.exe
start C:\Hamlog\Hamlogw.exe
start C:\PROGRA~2\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe

WSJT-X用のバッチファイル
[FT8_WSJTX.batの内容]
echo WSJT-X、HAMLOG、JTLinker起動バッチ
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe
start C:\Hamlog\Hamlogw.exe
start C:\PROGRA~2\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe


(4) eQSL、LoTWメンバー情報
JT_LinkerではeQSLメンバー、LoTWメンバーの有効判定にそれぞれ、以下の情報を使います。
eQSL AGメンバーリスト AG Member List Dated
LoTWメンバーリスト lotw-user-activity.csv

eQSLのAGメンバーリストはAGメンバーのみなので、本人確認が終了している局のみが有効になります。(参考 WSJT-XによるFT8運用環境向上(その4)eQSL登録
eQSLメンバーリスト、LoTWメンバーリストには最終ログアップロード年月日が入っているので、JT_Linkerでは設定された期間より古い局は無効と判定します。
また、eQSLでは開始/終了日がQSOの日付と一致しないメンバーはeQSLメンバーリストの最終ログアップロード年月日が0000-00-00になっていて、無効になります。
(参考 eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント

(5) 設定を初期化する
このブログを見てJT_Linkerを使い出したかたから、「JT_Linkerがおかしくなって困っている」という相談をいただく事があります。
設定を見直しても治らない場合は、設定を初期化して再設定する事をお勧めしています。
設定の初期化はJT_Linkerの画面上でマウスを右クリックして「設定を初期化する」を選んで行います。
2022-02-21
設定を初期化後に設定をやり直せば復旧する事が多いです。
「JT_Linkerが表示されない」という相談もありますが、表示位置が画面の外になっている場合があります。その場合「位置のみ初期化する」をやってみてください。
心配な人は「設定ファイルに保存する」を行っておけば、「設定ファイルから復元する」で設定を元に戻すことができます。

(終わり)
以上、JT_Linkerが進化してとても便利になりました。
HAMLOGがHAMLOG(Ver5.32~)からHAMLOG自体にJTDX/WSJT-Xとの連携機能が追加されてJT-Get's機能を使えばJT_Linkerを使わなくても連携できるようになりましたが、eQSL、LoTWを使っている方はJT_Linkerを使うほうが便利です。
ただ、高機能化すると設定が難しくなるので、動かすまでのハードルが高くなりますね。(^^;
初心者には最初はHAMLOGのJT-Get's機能をお勧めしたいと思います。

JT_Linkerの高機能化で本記事も改版するたびに記事が長くなっています。
最後まで読んでいただいた方に感謝します。お疲れさまでした。(笑)

今回の改版ではブログ移行前の記事を流用して改版しましたが、目次をHTMLタグ編集して修正するなどで結構手間がかかりました。キャプチャ画像も最新ソフトのものにするため、設定を変えながら条件に合った局と交信してキャプチャするので大変でした。(^^;

最後に、素晴らしいソフトウェアを提供してくださっているJT_Linker作者のTaka(JA2GRC)さんに感謝します。

(2024年2月17日 追記)
「JT_Linkerで時々 ADIF書込みエラー が出る」という方が多いですが、今のところ対策は無さそうです。 JT_LinkerでJTAlertのADIFを参照するとエラーが出る件