夏ごろからIC-7300Mの電源を長時間切っていると、内蔵時計がリセットされるようになりました。
9月19日の台風14号では約12時間停電しましたが、復旧後IC-7300の時計がリセットされていました。
アイコムの無線機は時計のバックアップに充電可能な電池(2次電池)を使っていて、寿命で電池が駄目になると時計がバックアップできなくなるという問題があります。
以前にもIC-7000Mのバックアップ電池を交換した事があります。

ネットで調べると電池はセイコーインスツルのML414Hというリチウム二次電池です。
IC7300_1
随分小さな電池ですね。サイクル寿命が300回だと、すぐ駄目になりそうな気がします。

このIC-7300Mは2017年にヤフオクで落札したものですが、前オーナーは2016年10月に購入したとの事だったので6年で駄目になった事になります。
私は通常は安定化電源は常時ONにしているのでIC-7300Mのバックアップ電池は常時充電している状態です。駄目になるまでの期間は比較的長かったようで、3年くらいで駄目になった方もいるようです。

バックアップ電池が駄目でも、IC-7300Mの時計が「0:00」になるだけであまり困る事はないのですが、ブログ書き用にLCD画面をキャプチャした際にJPEGファイルの日付が異常になるので、ちょっと困ります。(^^;

しばらくは、アイコムのST-4003Wという時刻設定アプリで時計合わせをしていました。
IC7300_2
[ショートカットを作成]でIC-7300 時刻調整用のショートカットを作る事が出来ます。
IC7300_3
JTDXの起動と合わせてバッチファイルを作っておけばJTDXの起動の度に時刻調整が出来ます。
ClkAdj_JTDX -------------------------------------------------------------------------------------
"C:\Program Files (x86)\Icom\ST-4003W\ST-4003W.exe" "IC-7300 10001604"
start C:\JTDX64\bin\jtdx.exe
--------------------------------------------------------------------------------------------------------

(ここから電池交換の話です。)
というような状況でしたが、思いたって電池交換をやることにしました。(^^;
ネット検索するとML414Hの代わりに電気二重層コンデンサを付けた記事や電池ホルダーを付けてボタン電池にした記事がありましたが、基板からリード線を引いて取り付ける改造をする事になります。
改造まではやりたくないので、素直に新しいML414Hを購入して交換する事にしました。
余談ですが、大昔に装置設計屋だった頃は時計(RTC)のバックアップにはスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)を使うのが定番でした。スーパーキャパシタはNECが作っていたので、社内製部品を使っていました。(現在はトーキンの製品)

電池はAmazonで購入しました。
 セイコーインスツル リチウム充電池 ML414H 500円+配送料 190円

最初に、IC-7300の底面カバーを外します。ネジは底面6本、サイド各2本の10本を外します。
IC7300_4

IC7300_5
IC7300_6
底面カバーを外しました。
IMG_0167
電池はマイクコネクターの裏側あたりにあります。
IMG_0169
先にプラス側端子(右側)をハンダ吸取線を使ってハンダを取ってから、マイナス端子(左側)にコテ先を当ててハンダを溶かしながらピンセットで外しました。(ハンダごては20Wのものを使いました。)
右側にあるフラットケーブルにコテが当たって溶けないようにマスキングテープで保護しています。
IMG_0175
外した電池と購入した電池です。
IMG_0176
新しい電池をマスキングテープで留めてハンダ付けします。
IMG_0178
先に右の端子をハンダ付けしました。
次に左側をハンダ付けしましたが、グランドパターンにべた付けなのでハンダがうまく回り込まず電池の上のほう(プラス側)にもハンダが付いてしまいました。
IMG_0180
テスターで当たると+-がショートしていたので、左側端子を再度溶かして余分なハンダをハンダ吸い取り機で除去したら電圧が出るようになりました。先に基盤側パターンに少しハンダ盛りしておけば良かったです。
IMG_0183
本当はペーストハンダを使えば良いのでしょうが、持っていません。
電池に余分なハンダが残って、ちょっとみっともなくなりましたが、なんとか交換出来ました。(^^;

(注)ML414Hのリフロー条件を見ると260℃以上ピーク5秒以内とあります。

ハンダを溶かす作業でダメージを与えたかも知れませんね。寿命のある部品はスルーホールタイプの部品にして欲しいものです。
結構難易度が高かったですね。自信の無い方はやめた方が良いかも。

マスキングテープを外して底面カバーを付けて完了です。
時刻合わせをしてから2時間くらい安定化電源を切っておきましたが、時計はリセットされませんでした。

(おまけ)回路図を見てみる
底面カバーを開けた時に、MAIN BOARDに電気二重層コンデンサが載っているのに気が付きました。
IMG_0167 - コピー
気になったので回路図を見てみました。
電気二重層コンデンサが接続された電源があって、電源OFF後もしばらく生きているようです。H3R3Vという記号になっていますが、H3R3Vの電源はクロックやリセット回路に供給されています。
IC7300_8
RTCの回路図です。
IC7300_7
EPSONのRX-8803が使われています。RX-8803は水晶発振器内蔵のRTCです。
IC7300_9
RX-8803の電源はH3R3Vが接続されています。
電気二重層コンデンサ DXN-5R5H334Uは0.33Fですが、負荷が100mAとすると3.3Vに下がるまで3秒くらいでしょうか。この電気二重層コンデンサに時計のバックアップは期待できないですね。

電気二重層コンデンサを使っているのならRTCにも、もう一個使えば良いのに。
RX-8803はバックアップ電流0.75uA/3Vなので、0.33F/5Vの電気二重層コンデンサで5Vから計時(保持)電圧の1.6Vまで降圧するのが415H=約17日です。(計算に自信ないけど)
17日間バックアップできれば十分ですね。

(おまけの昔話し)
昔、設計した装置はボタン電池とスーパーキャパシタをパラで入れたものもありました。
昔の装置は設定情報をSRAMに入れていたので電池交換時もSRAMの設定情報が飛ばないように配慮していました。
その後、設定情報はフラッシュROMに保存するようになったので、バックアップが必要なのは時計だけになって、スーパーキャパシタだけになりました。