農業倉庫がある土地の所有権移転登記を自分で電子申請したので記録しておきます。

昨年夏に、借りている農業倉庫のある田んぼに関して「お寺の納骨堂を建てる計画があるので、お寺に売却する事になった。倉庫を使うなら倉庫部分のみ購入して欲しい。」という話がありました。
この倉庫はトラクターや耕運機を入れていて、無料で借りる代わりに休耕田を時々耕して管理していました。
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倉庫が使えなくなるとトラクターを置くところがなくなります。自分の畑の農業倉庫を整理して置くことも検討しましたが、入り口が狭く板張りなので大改造が必要です。
その後、仲介の不動産屋さんとやり取りして最終的に買う事にしました。
当初、分筆や不動産登記手続きの費用を入れて50万円くらいかかると言われましたが、分筆はお寺のほうの手続きでやるので、不動産登記手続きを自分でやるなら20数万円で済むという事になりました。
という事で金は無いけど、時間はある年金生活者は不動産登記をDIYする事にしました。(^^;

10月に不動産屋さん経由で売買契約を交わしました。
倉庫自体は登記されておらず土地のおまけという事で、土地の売買契約です。
土地は分筆時に2つに分けられて、田んぼから小川への排水管が通っている部分に地役権が設定されるそうです。これが後で面倒な話の原因になりました。

当初12月頃に分筆登記が終わるので、その時点で代金を支払う事になっていました。
しかし、お寺の方の建築許可などの手続きに手間取ったそうで、今年の2月に不動産屋さんから連絡があって、土地代金を売主の口座に送金しました。同時に不動産屋さんにも仲介手数料(5%)を送金しました。
売主は元々は田んぼの近くに住んでいたのですが、現在は息子が相続して隣の周南市に住んでいます。

ここから、不動産登記の手続きを開始しました。
(参考にした情報)
オンライン登記申請 体験コーナー【所有権移転(売買)登記編】
 申請用総合ソフトの操作手順を体験できます。これを動かしながらステップバイステップで申請書を入力しました。(体験ページはいちいち決められた情報を入力しないと先に進まないので面倒です。簡単に流れが分かるようにしてくれると嬉しいです。)
所有権移転登記(売買)の委任状の書き方・ひな形
 ひな形を使って委任状を作り、不動産屋経由で売主に署名、実印捺印してもらいました。

1. 農業委員会申請
・1回目不動産登記申請前
農地転用が必要という事で事前に市役所にある農業委員会に相談に行きました。
「農業倉庫部分は以前に転用届が出ているが、今回、別に他の部分の農地転用申請が出ている。すぐには判断できないので検討して連絡する。」との事で2週間後に連絡がきました。(お役所仕事は時間がかかりますね。)
「倉庫部分の土地は昭和58年に非住宅用地への転用届が出ている。所有者が登記申請用の現況確認書を申請して欲しい。」との事でした。
不動産屋さんに連絡したら、「地役権を設定したXXX-9はお寺の方で地目変更するので、残りのXXX-10の方の地番のみ地目変更すればよい。現況確認書は取得して届ける。」との事でした。
一週間後に現況確認書を持ってきてくれました。

あとで分かったのですが、お寺の方で地目変更してくれると言うのは間違いで、両方の地番の地目変更が必要でした。

・2回目不動産登申請用現況確認書
2月21日、話が前後しますが、1回目の不動産登記申請の取下げ後に両方の地番の地目変更が必要な事が分かったので、改めて売主に現況確認申請用の委任状を書いてもらって自分で現況確認書を申請し直しました。
防府市農業委員会の現況確認申請書フォーマットを使って申請しました。
申請に行ったら、委任状、現況確認申請書の他に登記簿謄本と公図の写しが必要でした。
「ホームページにそんな事書いて無いじゃない。」「申請物件ごとに必要書類が違うので書けない。」(^^;
登記簿謄本は不動産屋からもらっていた登記情報証明書のコピーでOKでしたが、公図は市役所の課税課に行ってもらってきました。運悪く該当土地が図の角で4枚の公図をもらう必要があって、1,200円も払わされました。(^^;
いろいろあって、ようやく2つの地番が載った現況確認書を入手できました。

2. 1回目不動産登記申請
電子申請はすべてマイナンバーカードを使って行いました。
事前に登記・供託オンライン申請システム申請者情報登録で申請者登録を行いました。
申請用総合ソフトをダウンロードしてパソコンにインストールしました。

・2月7日 所有権移転登記申請
オンライン登記申請 体験コーナー【所有権移転(売買)登記編】
を見ながら申請用総合ソフトで申請書を作成して送信しました。
添付情報は以下にしました。
 登記原因証明情報
 登記識別情報(特例)
 住所証明情報(特例)
 代理権限証明情報(特例)
 印鑑証明書(特例)
 現況証明(特例)

登記原因証明情報は不動産売買契約書をスキャンして電子署名して申請書に添付しました。
以下は電子申請の後に特定記録郵便で山口地方法務局に郵送しました。
 登記識別情報 登記識別情報通知 不動産屋経由でもらってありました。(注)
 住所証明情報 私の住民票 コンビニで取得
 代理権限証明情報 委任状 こちらで作成して売主に署名、実印捺印してもらいました。
 印鑑証明書 売主の印鑑証明書
 現況証明 農業委員会の現況証明書(あとで間違ってる事が分かりました。)

(注)登記識別情報通知は分筆前の地番(XXX-1)のものでしたが、分筆後の地番の土地も同じ記号だそうです。

電子申請後に納付情報のメールが来たので、申請用総合ソフトの[納付]ボタンから銀行のPay-easyに飛んで登録免許税(不動産の価額の1,000分の15)を納付しました。

・2月8日 申請取り下げ
補正依頼が来ました。
1.農地では所有権移転登記は不可能です。地目変更登記をされた後に、この申請となります。
2.令和4年度の評価証明書なし
3.原因証明情報の添付なし、売買日について、領収証等(オンラインで送信が必要)で明らかにする必要あり(オンラインで送信された原因証明情報(売買契約書及び領収証)の添付が必要です)

電話して確認しました。
・地目変更を先に行う必要があるので、所有権移転登記は取り下げて地目変更後に地目を「宅地」にして再提出して欲しい。
・売買契約書のファイル添付は双方の電子署名が必要
 原本を送るなら、原本+コピーを作ってコピーに割印(契印)を押して「原本に相違ない」というページを付ける。印鑑は契約書と同じにする。原本は還付する。
・売買契約の日付は代金を支払った日になる。
・評価額の証明書が必要。納税通知書で可能。
・登録免許税は100円以下を切り捨てて計算するので、評価額は23,600円で、登録免許税は3,500円になる。
 登録免許税は取下げ後に還付請求書を提出してもらえれば返還される。

一回目は、たくさん問題がありました。(^^;
基本的な事が分かっていなくて、所有権移転登記と地目変更を同時に行えると思っていましたが、別々に手続きが必要だそうです。
申請用総合ソフトで取下げを行いました。
郵送した書類を返還してもらわないといけません。

・2月9日 地目変更登記申請
申請情報作成例① - 【地目に関する変更の登記編】(PDF)を参考にして、申請用総合ソフトで地目変更届を作成して送信しました。
申請後に法務局に電話して相談したら、以下が発覚しました。
・地目変更の現況確認書の地番がXXX-10のみだが、XXX-9は地目変更されておらず農地になっている。XXX-9も地目変更が必要。
・委任状は地目変更用と所有権移転登記用を別に作った方が良い。

このため、1回目の地目変更登記申請も取下げました。
(トラブル発生)
しかし、取下が中止/却下になって受け付けられません。
法務局に電話して確認したら、システムの操作については分からないのでと、サポートデスクを案内されました。050-3786-5797
電話して聞いたら、
申請の種別が「登記申請書(権利に関する登記)」になっていたため中止/却下になる。
「登記申請書(表示に関する登記)」にしないといけない。
変更して再送したら取下げできました。(^^;

・2月13日(月)添付書類還付
山口市の山口地方法務局に移転登記申請の書類を取りに行きました。
窓口で名前を言ったらすぐに返してくれました。ついでに登録免許税の還付申請書を提出してきました。
山口地方法務局まで車で1時間弱かかるのですが、直接行くのはこの一回で済みました。
登録免許税は後日、税務署から書留で登録免許税の還付通知が届いて、郵便局で受取りました。


結局、地目変更登記と所有権移転登記を最初からやり直す事になりました。(^^;

3. 2回目地目変更登記申請
・追加書類入手
 現況確認書 先に書きましたが、農業委員会で2つの地番が載ったものを取得しました。
 地目変更委任状(代理権限証明情報) 地目変更の委任状を作って不動産屋経由で署名捺印してもらいました。

・3月8日 2回目地目変更登記申請

申請情報作成例① - 【地目に関する変更の登記編】(PDF)を参考にして、申請用総合ソフトで申請書を作成して送信しました。
添付情報は以下にして、特定記録郵便で山口地方法務局に郵送しました。
 現況確認書(送付)
 代理権限証明情報(送付)

・3月16日 補正通知

山口地方法務局から電話があり、以下の不備があるので補正して欲しいとの事でした。
 1. 原因及びその日付が資料によって違っているので、同じにしないと駄目。
  委任状 令和5年2月6日
  申請書 令和5年2月9日
  現況証明 昭和58年
 倉庫が建った昭和58年に合わせるべき。記述は「昭和58年月日不詳 地目変更」とする。
 2. XXX-10の地積が110となっているが、測量図には110.97となっている。
 110.97に変更して欲しい。
 3. 申請書に代理人を記入して欲しい。

・追加資料入手
売り主にお願いして、原因日付を昭和58年月日不詳にした委任状に署名捺印してもらいました。

・3月29日 補正申請
申請用総合ソフトの代理人欄の記入の仕方が分からなかったので、サポートデスクに問い合わせて教えてもらいました。
 申請人欄右下の「項目挿入」→名義人項目/代理人⇒追加

原因日付と地積(面積)を変更した地目変更登記申請の登記補正書を送信しました。
その後、原因日付を変更した委任状を特定記録郵便で郵送しました。

・3月30日 地目変更完了
登記が完了して「電子公文書発行」の通知メールが来たました。
申請用総合ソフトで登記完了証をダウンロードしました。

4. 2回目所有権移転登記申請
・不足書類準備
 登記原因証明情報コピー 領収書と不動産売買契約書のコピーを作って契印を押してトップページに「原本と相違なし」と書いて捺印しました。
 評価証明書 委任状に署名してもらって固定資産税証明書申請を防府市役所課税課に出して評価証明書を入手しました。

・4月5日 2回目所有権移転登記申請
申請用総合ソフトで1回目の申請書から以下を変更して送信しました。
 原因の日付を領収書の日付に変更
 登録免許税を3,500円に変更
 不動産情報の地目を宅地に変更
 XXX-10の地積を110.97に修正

添付情報は以下にしました。
 登記原因証明情報(送付)
 登記識別情報(送付)
 住所証明情報(送付)
 代理権限証明情報(送付)
 印鑑証明書(送付)
 固定資産評価証明書(送付)
2回目は登記原因証明情報は郵送するのでファイルの添付はしませんでした。(後で間違いと分かる)

納付情報のメールが来たので、Pay-easyで3,500円を納入しました。

申請書送信後に以下を特定記録郵便で郵送しました。
 登記原因証明情報 不動産売買契約書と領収書の原本
 登記原因証明情報コピー 契印を押したもの
 登記識別情報 登記識別情報通知
 住所証明情報 私の住民票
 代理権限証明情報 委任状 売主の署名、実印捺印したもの
 印鑑証明書 売主の印鑑証明書
 固定資産評価証明書 市役所でもらってきたもの
 原本還付用返信封筒 不動産売買契約書と領収書を原本還付してもらうため、宛先を書いて切手を貼ったもの

・4月11日 補正通知
法務局から電話があり以下の補正を依頼されました。
1. 電子申請の場合、登記原因証明情報(領収書、契約書)は原本の他に申請書にファイル添付する必要がある。PDFを添付して欲しい。
2. 固定資産評価証明書は令和5年の証明書が必要。令和5年の課税では200円アップになる。補正依頼処理するので、評価額と登録免許税を変更して再申請して欲しい。
 令和5年の証明書を取得して送付して欲しい。
3. 委任状の原因日付が契約日になっているが、申請書では領収書の日付になっている。
 原因日付は領収書の日付にしないといけない。委任状を作り直して送付して欲しい。

登記原因証明情報は原本の送付の他にファイルでの添付も必要でした。
4月になって新しい納税通知書が発送されているので、新しい固定資産評価証明書が必要だそうです。

・追加資料入手
 委任状 売り主にお願いして、原因日付を領収書の日付にしたものに記名、実印捺印してもらいました。
 固定資産評価証明書 再度、固定資産税証明書申請の委任状に署名してもらって、令和5年分を市役所で入手しました。

・4月21日 補正申請
申請用総合ソフトで以下を変更して補正書を送信しました。
 課税価格を修正して登録免許税を3,700円、納入済み3,500円に変更
 領収書、売買契約書のPDFファイルを電子添付

その後、以下を特定記録郵便で郵送しました。
 原因日付を変更した委任状
 令和5年の固定資産評価証明書

Pay-easyで不足分200円の登録免許税を支払いました。

・4月25日 所有権移転登記完了
登記が完了して「電子公文書発行」の通知メールが来たました。
申請用総合ソフトで登記完了証をダウンロードしました。

・4月28日 原本還付資料受領
売買契約書と領収書を返送してきました。補正で差替えた委任状、固定資産評価証明書も入っていました。

なんとか所有権移転手続きが終わりました。\(^o^)/

(トラブルまとめ)
・地目変更と所有権移転は同時には出来ない事を知らなかった。素人だから。(^^;
・購入する土地が分筆で2つに分けられていたので、農業委員会の農地転用手続き(実際は現況証明取得)に手間取ってしまった。
・地目変更の原因日付は倉庫の建った日付にしないといけなかった。
・所有権移転の原因日付は代金を払った日付(領収書の日付)にしないといけなかった。
・売主が隣の市に住んでいて、やり取りが不動産屋さん経由の郵送だったので時間がかかった。

良く分からずやったので、ずいぶん時間がかかってしまいました。
私のミスで売主に何度も委任状の署名捺印をしてもらう事になり、不動産屋さんと売主には迷惑をかけてしまいました。
昔、茅ケ崎に居た時に自宅の抵当権抹消登記をやった事がありますが、休暇を取って法務局に行きました。
今は電子申請なので行かなくても済みます。(添付書類の受取に一度だけ行きました。)
手続き方法もネットに情報があるので、何とかなります。
法務局の担当者からも電話対応で素人でも分かるように教えてもらえました。(中には面倒そうに対応する方もいましたが。)
登記・供託オンライン申請システムのサービスは平日の8時30分から21時までなので、サラリーマンは大変かも知れません。休日も使えるようにして欲しいですね。
あと、売主も電子申請をやってくれれば、紙の委任状は不要で添付資料も電子署名できるので、だいぶ楽になりそうです。
特に地目変更は売主が当事者なので売主がやれば簡単です。

以上、不動産登記電子申請の体験記でした。
例によって備忘メモとして、ずいぶん細かく書いてしまいました。どなたかの参考になると良いですね。

(2023年10月17日 追記)
不動産取得税納税通知が来ました。不動産取得税納税通知

(2024年4月10日 追記)
市役所へ「所有権確認書」の提出が必要でした。農業倉庫の不動産登記(番外) 未登記家屋の固定資産税