2月19日の記事「JTDX/WSJT-X/JTAlert QSO LogをUDP送信する機能」でJT_LinkerでADIFファイルを参照するのではなく、「ADIFログ情報をセカンドUDPサーバに送信する機能」を使うと良いのではないかという話を書きました。

その後、JG1APX 飯泉さんが、「JT_Linker用JTDX/WSJT-X/JTAlert QSO Log UDP中継ソフト 」を作られたので試してみました。
JG1APXさんによるとPythonで作ると既に開かれているファイルにアクセス可能になるそうで、JTDX/WSJT-X/JTAlertからUDPで送られる QSO Log を一時ファイルに書き込み、その一時ファイルをJT_Linkerが参照する事でADIF書込みエラーが出なくなるそうです。

さっそく、ソフトをいただいて試してみました。
以下のリンクからUDP.zipをダウンロードします。
UDP_JTLinker

セキュリティーソフトによりウィルスが誤検出される場合は、一時的にセキュリティーソフトを停止してダウンロードしてください。
また、UDP.zipを展開してプログラムを実行する際にウィルスが誤検出される場合は除外設定してください。(自己責任でお願いします。)
詳しくはリンク先の「UDP.zipをダウンロードする前に.txt」を参照してください。

私はC:¥UDPフォルダーを作って、UDP.zipのファイルを展開しました。
UDP6
WindowsセキュリティーでUDPフォルダーを除外設定しました。(最初はウィルス誤検出していましたが、現在は除外設定しなくても大丈夫なようです。)
UDP7
1. JTAlertの場合
私はJT_LinkerからJTAlertのlog.adiを参照しています。

JTAlertの Manage Setting で、「UDP Transmission」を有効にします。ポート番号がJTAlertの初期値と違うので変更してください。
  Settings→Manage Settings→Logging→Last QSO ADIFUDP4
念のためJTDX/WSJT-Xの「記録されたQSO ADIFデータを送る」、「セカンドUDPサーバー」がオフになっているか確認してください。

JTAlertから udprecv_jtalert.exe を自動起動するようにしました。(自動起動できますが、自動終了はしないようです。)
UDP1
上の画面はJTAlert V2 for JTDX の設定ですが、JTAlert V2 for WSJT-X の場合も同じです。WSJT-XとJTDXの両方を使い分けている方は、両方のJTAlertの設定を行ってください。

次にJT_LinkerのDecoder設定でJTAlertの参照先をC:\UDPにします。(私のJT_Linkerは Ver.2023.08.09Ta版なので最新版(Ver.2022.06.20b)と少し違っています。)
UDP3
以上で準備完了です。

JTAlertを起動すると udprecv_jtalert が起動されます。表示サイズや位置は調整してください。
この状態で交信してJT_Alertのログが記録されるとudprecv_jtalertの画面にADIF形式のログ内容が
表示されて、JT_LinkerがHAMLOGにログを転送します。
UDP5
ADIF書込みエラーが発生しないかテストしました。JT_LinkerのLogSearchは100msにしました。
最初は実際の交信ではなく、ダミーコールを入れてJTDXの[ログに記録]でログ記録する方法でテストしました。
結果、
・udprecv_jtalertを使わない場合 3/20回発生
・udprecv_jtalertを使った場合 0/20回

さらに、実際のQSOを10局以上やってみましたが、一回も発生していません。
やはり「ADIFログ情報をセカンドUDPサーバに送信する機能」を使うとADIFファイル書込みエラーを回避できるようです。

試してみたい方のために、WSJT-X/JTDXの場合の設定も書いておきます。


2. JTDXの場合
「記録されたQSO ADIFデータを送る」の第2UDPサーバーを有効にします。
  設定→レポーティング
LastQSO1
自動起動はバッチファイルからJTDXとudprecv_jtdx.exeを自動起動するようにすれば良いと思います。
(ブログからコピーして使う場合、文字コードをShift-JISに変換してください。)

---------------------- JTDX.batの例 -------------------------
start C:\JTDX64\bin\jtdx.exe
start ”C:\Program Files (x86)\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe"
start C:\UDP\udprecv_jtdx.exe
--------------------------------------------------------------------

次にJT_LinkerのDecoder設定でJTDXの参照先をC:\UDPにします。
UDP8

3. WSJT-Xの場合
「セカンドUDPサーバー」を有効にします。
  設定→レポート
LastQSO3

自動起動はバッチファイルからWSJT-Xとudprecv_jtdx.exeを自動起動するようにすれば良いと思います。
(ブログからコピーして使う場合、文字コードをShift-JISに変換してください。)

---------------------- WSJTX.batの例 -------------------------
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe
start ”C:\Program Files (x86)\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe"
start C:\UDP\udprecv_jtdx.exe
--------------------------------------------------------------------

次にJT_LinkerのDecoder設定でWSJT-Xの参照先をC:\UDPにします。UDP9
以上ですが、やはりJT_Linker自体で対応していただけると良いですね。
最後に、ソフトの公開とブログへの掲載を快く了承していただいた JG1APX 飯泉さん に感謝いたします。

(追記 2024年9月26日 )
JT_Linker Ver.2024.09.26 がリリースされて、JT_LinkerがADIFのUDP送信に対応しました。