前の記事「WIRES-X 初QSO」で「WIRES-Xの音声品質はD-STARよりだいぶ良い」と書きましたが、ALL JA CQ ROOM D をずっとワッチしていたら、あまり音声品質が良くない方もいるようです。
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気になったので、D-STARとWIRES-X(C4FM) の音声通信方式について調べてみました。
比較表です。(間違いがあるかも)
WIRES1
音声CODECがC4FMの方が新しいCODECですが、符号化速度はほぼ同じです。
ネット情報ではABMEとABME2+ で音声品質にそれほど大きな違いは無いそうなので、音声品質は同じようなもののはずです。

音声品質以外の比較では、占有周波数帯域幅はC4FMがD-STARの倍です。チャネルはC4FMは20kHzステップ、D-STARは10kHzステップで設定できるので、倍のチャネル数が取れます。(D-STARはデジタル化でチャネル数を多くする前提で帯域を狭くしたようですが、現在のようなガラガラの144MHzや430MHzでたくさんチャネルを取れても嬉しくないですね。)
通信速度はC4FMがD-STARの倍で、同時に送れるデータ量が多いです。C4FMで画像伝送すれば、D-STARより早いはずです。(通話しながら送る場合)
なお、C4FMではVoice FRモード(表示 VW)もありますが、ルーム経由ではV/Dモード(表示 DN)モードを使うようです。

WIRES-Xの音声品質が良いと感じたのは、たまたまと(笑)、D-STARのdmonitor利用局の音声品質が良くないせいかも知れません。
どちらも似たような方式で音声CODECがVocoderですが、デジタル無線ではABME/2.4kbps音声というのが標準的なようです。
インターネットを流すのには非VocoderのCODECの方が良いと思いますが、ノードで変換するのは難しいのでしょうね。

(おまけ)気になった
ルームのサーバーはMCUサーバーと言うんですね。
MCU(Multi Control Unit) はテレビ会議(Web会議)で音声や画像を合成して配信するシステムですが、WIRES-Xのサーバは音声パケット(UDPパケット)をディスパッチするだけだと思います。MCUサーバーと呼ぶのはおかしい気がします。最初は音声合成をやろうと思ってMCUサーバーとしたのでしょうかね。大昔、テレビ会議システムの開発をやっていたので気になってしまいました。