JT_Linker Ver.2024.09.26 がリリースされたので、2022年7月の記事「JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定(改版4)」の改版記事を書いておきます。
Ver.2024.09.26からJTDXやWSJT-Xからのログ情報通知にUDPメッセージを使えるようになりました。
今回、Decoder設定をUDPメッセージの設定にして、JTDX/WSJT-X/JTAlert側の設定を追加しました。

(ここから本文)
JT_LinkerはWSJT-XやJTDXと同時に起動しておくことで、交信終了時にログ情報をHAMLOGに転送するソフトです。
HAMLOG自体にもJT-Get's機能がありますが、JT_LinkerはeQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogなどのオンラインログ(Web Log)への自動ログ アップロード機能と、それぞれのメンバーかどうかを判定してHAMLOGのQSL欄に自動記録する機能があります。

目次

  1. 1. JT_Linkerダウンロード
  2. 2. インストール
  3. 3. 設定
    [Basic Settings]
    [Decoder]
    (JTDX、WSJT-X、JTAlertの設定)
    [Remarks]
    [Rig Info]
    [Web Log]
    [Web Log]設定例
  4. (1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合
  5. (2) eQSLのみ使っている場合
  6. (3) LoTWのみ使っている場合
  7. (4) eQSLとLoTWを使っている場合
  8. (5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合
    4. メイン画面の説明
    5. JTDX/WSJT-XとHAMLOG連携動作
    (1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合
    (2) eQSLのみ使っている場合
    (3) LoTWのみ使っている場合
    (4) eQSLとLoTWを使っている場合
    (5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合
    6. その他情報
    (1) JT_LinkerのADIFファイル読込エラー
    (2) JTDX/WSJT-X、HAMLOG、JT_Linkerの起動
    (3) eQSL、LoTWメンバー情報
    (4) 設定を初期化する

1. JT_Linkerダウンロード

JT_Linkerを以下のホームページからダウンロードします。
 「TAKAさんの毎日が発見」マイソフトウエア・ダウンロードサイト
現時点の最新版はVer.2024.09.26b でした。
 JT_Linker Ver.2024.09.26b (インストーラ型 3,920kB)

(注)JT_Linkerをダウンロード出来ない場合、以下を参考にしてください。


2. インストール

ダウンロードしたファイルを起動してインストールを開始します。[次へ]
JT_Linker1
インストール先はデフォルトのまま。[次へ]
JT_Linker2
後で起動しやすいように「デスクトップ上にショートカットを作成する]をチェックしてインストールしました。[次へ]
JT_Linker3
インストール完了です。
JT_Linker4
(補足)バージョンアップ
バージョンアップの場合、新しいバージョンのJT_Linkerを上書きインストールします。
既にJT_Linkerがインストール済みの場合、最初の起動時にiniファイルの変換の確認が出る事があります。[OK] で変換して起動してください。
8b8807f9
(Quick Guide)
JT_Linkerの画面上でマウスを右クリックしてQuick Guideを表示する事ができますので、そちらも併せて参考にしてください。
JT_Linker5

3. 設定

記事中に記述していない項目はとりあえず説明画面と同じにしてください。カスタマイズしたい場合はQuick Guideを参考にして変更してください。

JT_Linkerを起動して [Setup]ボタンをクリックしてSetup画面を表示します。(1回目の起動時は自動的にSetup画面が表示されます。)
JT_Linker6
[Basic Settings]
コールサイン、グリッド、eQSLのパスワード、ClubLogのログイン情報、HRDlogのアップロードコードを設定します。
My Call_My_GLの横の[Set]をクリックします。
JT_Linker7
My Call、My GL、LoTW Location、eQSL Pswd、ClubLog email adrs、ClubLog pswd、HRDlog Codeを入力して [Add] でリストに入れます。My Call、My GL以降の使わないオンラインログの項目は空欄にしておきます。
JT_Linker8
My Call、My Gridは自局のコールサインとグリッドです。移動運用のために複数のCall/Gridを登録出来ます。
LoTW LocationはTQSLの「局の所在地」です。複数所在地を切換えて使う場合に設定しますが、所在地が一か所の場合は空欄にします。
eQSL PswdはeQSL.ccのパスワードです。
ClubLog email adrs、ClubLog PswdはClubLogのログイン用メールアドレスとパスワードです。
HRDLog CODEはHRDlogのアップロードコードです。
なお、Pswdの文字をクリックするとパスワードを確認できます。
[Save] で登録完了です。JT_Linker11
My Call_My_GL_Location以外の主な設定項目は以下です。

Auto Tasktry-IN 起動時、JT_Linkerがタスクトレイに入って起動します。タスクトレイに入れているとオンラインログ(Web Log)へのアップロード結果画面が表示されないので、JT_Linkerは表示状態で使うほうが良いです。
EntitySearch HAMLOG側で、エンティティ選択画面の選択が終了するまで、JT_Linker側が待ち状態になります。最新のHAMLOGではCTY.DATを利用するようになりエンティティ選択画面が出る事は無くなりましたが、念のためチェックを入れておきます。
Use Hamlog DC12 チェックするとHAMLOG入力画面のDX、CQ、1、2が使われます。チェックしておきます。

[Decoder]、[Dec.Ext.]
JTDXまたはWSJT-Xのファイルパスを登録しますが、Ver.2024.09.26からUDPメッセージに対応したので、UDP Log Dataを使う事をお勧めします。
JT_Linker12
JT_Linker13
Decorder10 UDP Log Data のみチェックを入れて、UDP portは 2333 にします。

Use Decoder Record チェックしておくとRemarksに使用デコーダー名(JT65-HF、WSJT、WSJT-X、JT65-HF HB9HQX-Edition、JTDX、MSHV、JTAlert、JS8Call、UDP) が転送されます。
kHz(Cut under kHz)  チェックすると交信周波数のKHz以下がカットされてHAMLOGに転送されます。私はチェックしています。
[SubM] チェックしておくとFT4やQ65通信のログがHAMLOGにFT4、Q65として通知されるので、チェックしておいてください。
[End]、[use S]  
eQSL、LoTWへのログアップロード時の交信時刻に関する設定です。
参考:
JT_Linker LoTWメンバー確認機能が追加された 1. 交信時刻を分にする。
追記:[End] はチェックしない方が良いかも知れません。参考:ログのQSO時刻、Tx2でのコール

(JTDX、WSJT-X、JTAlertの設定)
UDP Log Dataを指定してUDPメッセージによるLOG情報を転送するため、JTDX、WSJT-X、またはJTAlertの設定が必要です。JTDXとWSJT-Xの両方を使っている方は両方設定してください。
ただし、
JTAlertからUDPメッセージを使う場合は、JTDX、WSJT-Xの第2UDPサーバー/セカンドUDPサーバーの設定はしないでください。JTAlertとJTDX(WSJT-X)の両方からログを送るとHAMLOGに2重に転送されてしまいます。

(1) JTDXの設定
「記録されたQSO ADIFデータを送る」の第2UDPサーバーを有効にします。
  設定→レポーティング
LastQSO1
(2) WSJT-Xの設定
「セカンドUDPサーバー」を有効にします。
  設定→レポート
LastQSO3
(3) JTAlertの設定
JTAlertを使っている場合、JTAlertのログを参照してQRZ.comから取得したName、QTH情報を取り込むことが出来ます。
DX交信が多いなどで、QRZ.comのName、QTH情報を使いたい場合は、JTAlertのログを転送すると便利です。 (お勧め JTAlertとの連携)を参照してください。

JTAlertの Manage Setting で、「UDP Transmission」を有効にします。
  Settings→Manage Settings→Logging→Last QSO ADIFJT_Linker31
JTAlertとJTDX/WSJT-Xの両方からログを送るとHAMLOGに2重に転送されてしまいます。念のためJTDX/WSJT-Xの「記録されたQSO ADIFデータを送る」、「セカンドUDPサーバー」がオフになっているか確認してください。

[Remarks]、[Rmks.Ext.]
Remarksのプルダウンリストの設定画面です。List1-List8のタブとList9-List12のタブに分かれています。
JT_Linker14
JT_Linker15
Remarks1 欄およびRemarks2欄に入力する項目を設定しておくことができます。交信に使用したアンテナやリグ名を書いておいて、プルダウンリストから選択してHAMLOGのRemarksに転送するような使い方が出来ます。
マクロを使うとJTDX/WSJT-Xのログ確認画面で入力した「Tx出力」や「コメント」をHAMLOGのRemarksに転送する事が出来ます。マクロは下の黄色文字をクリックして入力します。
%name_qrz_com%%qth_qrz_com%,%address_qrz_com% はJTAlertと連携している場合にJTAlertのログを参照してQRZ.comから取得したName、QTH情報をRemarksに転送出来ます。
%Rig_Info%は [Rig Info.] で設定したバンド毎のリグ、アンテナ情報をRemarksに転送する事が出来ます。

[Rig Info]
バンド毎にRigとAntennaを設定できます。設定情報はマクロの%Rig_Info%でRemarksに転送する事が出来ます。
JT_Linker16

[Weblog]
eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogへのログ アップロード機能および、それぞれのオンラインログのメンバーかどうかを判定してHAMLOGのQSL欄に自動記録する機能に関する設定を行います。

[WebLog Common]
 Weblog設定の共通項目の設定です。
JT_Linker17
Allow Internet Access Inrenet Accessを使うかどうかを設定します。チェックしないとeQSL、LoTWのユーザーリストはダウンロードされません。
オンラインログを使わない場合はチェックしないでください。Internet接続が無い場合もチェックしないでください。
オンラインログを使う場合はチェックして以降の設定を行ってください。
オンラインログを使わない場合は以降の設定は必要ありません。

Response eQSL/LoTW/ClubLog/HRDlogの有効判定/アップロード結果画面を設定時間表示します。2秒くらいが適当だと思います。
Default QSL Letters QSL欄の一文字目の初期値を設定します。通常は J にしてください。(紙のQSLカードは発行しないという方は N にしてください。)
File path of TQSL LoTWのアップロードを行うためのTQSLアプリのパスを指定します。デフォルトでTQSLアプリの標準パスが入っています。
Set 2nd letters N if 8J or 8N チェックしておくと相手が8J、8Nで始まる記念局の場合、HAMLOG QSL欄の2文字目にNが入ります。
Not record if this letter sets QSL 欄への文字書き込みを無効にする文字設定です。この設定例では、eQSL、LoTW、ClubLog、HRDLogそれぞれのQSL欄記入用文字の設定を「*」にするとHAMLOG QSL欄への書込みはされません。

(Multiple membership and uploaded letter of Weblogs)
2つ以上のオンラインログにログアップロードする場合のHAMLOG QSL欄への転送文字を設定します。
Member of 2 or more 交信相手が2つ以上のオンラインログの有効メンバーなら、右の箱の文字「#」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Uploaded 2 or more 2つ以上のオンラインログにアップロードする場合は右の箱の文字「#」または「$」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手がいずれかの有効メンバーの場合は「#」、すべて非メンバーの場合は「$」になります。

[WebLog Detail]
オンラインログ毎の詳細設定です。
JT_Linker18
(eQSL)
eQSL.ccへのログアップロードに関する設定です。
Verify membership 交信相手がeQSL会員登録をしていれば右の箱の文字「E」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。通常使わないです。
Verify AG list 交信相手が有効メンバーなら右の箱の文字「A」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。通常はこちらにします。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はeQSLを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしています。
Upload eQSLにログを自動アップロードします。eQSLのみにアップロードした場合は右の箱の文字「E」または「e」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「E」、非メンバーの場合は「e」になります。

(LoTW)
LotWはTQSLアプリ経由でアップロードする仕組みです。TQSLがインストールされてログをアップロードできるように設定されていないといけません。(参考:FT8運用環境向上 LoTW登録
Verify membership 交信相手が有効メンバーなら右の箱の文字「L」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
6か月、1年~5年の設定が出来ますが、1年以上アップロードしていない局はLoTWを使っていないと考えて良いと思うので私は1年にしています。
Same as eQSL 有効期限をeQSLと同じにします。
Upload LoTWにログを自動アップロードします。LoTWのみにアップロードした場合は右の箱の文字「L」または「l」をHAMLOGのQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「L」、非メンバーの場合は「l」になります。

(ClubLog)
Log Search ClubLogのLog Search機能で確認して有効メンバーなら右の箱の文字「C」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
Same as eQSL 有効期限をeQSLと同じにします。
Upload ClubLogにログを自動アップロードします。ClubLogのみにアップロードした場合は右の箱の文字「C」または「c」をHAMLOGのeQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「C」、非メンバーの場合は「c」になります。

(HRDLog)
Log Search HRDLogのコールサイン検索で確認して有効メンバーなら右の箱の文字「H」をHAMLOGのQSL欄の1文字目に転送します。
Last uploaded 設定した期間内にログをアップロードしているかで有効メンバーかどうかを判断します。
Upload HRDLogにログを自動アップロードします。HRDLogのみにアップロードした場合は右の箱の文字「H」または「h」をHAMLOGのeQSL欄の2文字目に転送します。QSL欄の2文字目は相手が有効メンバーの場合は「H」、非メンバーの場合は「h」になります。

(Download membership files)
eQSL、LoTWのメンバー情報ファイルのダウンロードに関する設定です。ダウンロードに時間がかかる事があるので、私は10日毎にしています。
Every startup JT_Linkerの起動毎にダウンロードします。
Every 10 days 前回ダウンロードから10日後にダウンロードします。
Every 30 days 前回ダウンロードから30日後にダウンロードします。
Confirmation message ダウンロードの確認画面が表示されます。

(参考)今は eQSL、LoTW、ClubLogは使ってないけど、使ってみようかなという方は以下を参考にしてください。
 FT8運用環境向上 eQSL登録
 FT8運用環境向上 LoTW登録
 ClubLog登録とOQRS手順

[Web Log]設定例
以下にどのオンラインログを使っているかのパターン別の設定例を載せておきます。自分のパターンに合った設定を参考にしてください。
なお、私はHRDlogは使っていないのでHRDlogの設定例は省略します。
(1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合
デフォルトのままで良いです。Allow Internet Accessのチェックが外れている事を確認してください。
[Set 2nd letters N if 8J or 8N] のみチェックしています。
JT_Linker32
JT_Linker20

以降の設定例ではeQSL/LoTWのVerifyとUploadは一緒に使う事にしていますが、独立した機能なのでどちらか一方のみを使う事もできます。例えばeQSLへのログアップロードはJTDXで行って、VerifyのみJT_Linkerを使うような使い方も可能です。

(2) eQSLのみ使っている場合
Allow Internet Access をチェックします。
JT_Linker33
Verify AG list の文字を「E」に変更します。Upload の「e」を「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JT_Linker22
(3) LoTWのみ使っている場合
Allow Internet Access をチェックします。
JT_Linker33
Upload の「l」を「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JT_Linker24
(4) eQSLとLoTWを使っている場合
Allow Internet Access をチェックします。
Uploaded 2 or moreの「$」は「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JT_Linker34
eQSLとLoTWのVerifyとUploadをチェックします。
JT_Linker25
(5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合
私の設定です。Uploaded 2 or moreの「$」は「スペース」に変更します。(注:必ず1文字を入力してください。0文字や2文字はエラーになります。)
JT_Linker34
ClubLogはログ アップロードのみ行い、ClubLog会員かどうかはチェックしていません。
JT_Linker35
(補足:デフォルト設定について)
JT_LinkerのQuick Guide によると、それぞれの文字の初期値は以下のようになっています。
JT_Linker25
初期値のままだと、eQSL、LoTW会員かどうかで、HAMLOGのQSLフラグの2文字目は以下のようになります。(eQSL、LoTWへログをアップロードしている場合。_はスペースです。)
eQSL非会員/LoTW非会員  J$_
eQSL会員/LoTW非会員   A#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

eQSL非会員/LoTW非会員の場合に2文字目が$になっているとHAMLOGでのQSLカード印刷時に印刷済みと判断されてしまいます。
作者の意図としては、HAMLOG でQSLカード印刷をする時に「QSL 発行マーク済でも印刷」の欄に「el$」と記入して印刷する事を想定しているそうです。なるべくデフォルト設定のまま使いたい方は、この方法を使われると良いと思います。

4. メイン画面の説明

メイン画面の設定例と設定内容についての説明です。(ほとんど、Quick Guideからの転記です。)
JT_Linker27
・Upload表示
Setup 画面のWeblog Detail タブのeQSL、LoTW、ClubLog、HRDLogの設定状況を、Upload(eQSL:O, LoTW:O, ClubLog:O, HRDLog:X)の様にO / Xで表示します。

・Log表示
Uploadの下の段にDecoderタブの設定状況をO / Xで表示します。
Log (HF: X, JT: X, HQX X, JT-X X, DX X. MSHV: X X, Al: X, JS: X, Udp: O)

・Date (EXT/JST/UST) 
(xxx)の部分をクリックすると表示が(UTC)と(JST)と(EXT)に切り替わります。同時に、Date、Time 欄の表示内容も、UTCとJST に切り替わります。(EXT)の場合はコールサインを判断して、自動的にUTC/JSTを切り替えます。EXTにしておけば良いです。

Freq チェック
チェックがある場合はWSJT-X、JTDXの周波数情報がHamlogへ転送されます。
HamlogでCI-V等を使って周波数を読み込む設定で使う場合はチェックを外しておきます。 その場合は、周波数はHamlogへ転送されません。通常はチェックしておきます。

QSLボックス
QSLボックスをクリックすると、Weblog設定の [Defaoult QSL Letters] で設定した文字が順に切り替わって表示され初期値として使用されます。
QSLのチェックがあると設定文字がHAMLOGのQSL欄の一文字目に転送されます。
ただし、Weblog設定でeQSLやLoTWの [Verifi membership] 設定をしていると、そちらで設定した文字が転送されます。

・Mode
Modeラベルをクリックすると、Mode入力欄が黄色/白色と交互に変化します。
黄色の場合は、WSJT-X、JTDXのモード情報が転送されるので黄色にしておいてください。
Decorder設定の [SubM] にチェックが入っていてSubmodeがある場合は Mode として Submode が使われます。

・DX,
CQ, 1, 2チェック欄
ここにチェックを付けていると、Hamlogの DX,CQ, 1, 2欄にそのまま転送されます。
Basic設定の [Use Hamlog DC12] がチェックされているときはHamlogの設定が使われます。
私はBasic設定の [Use Hamlog DC12] をチェックして使っています。

・Name, QTH, Remarks1, Remarks2 入力欄
チェックを付けている項目がHamlogに転送されます。 但し、このチェックによる転送よりも、Hamlog 設定によるデータの方が優先になる場合が有るようです。
Remarks1又はRemarks2欄はRemarks設定で設定したメッセージをプルダウンメッセージから選択できます。
なお、QTHはDX局の場合HAMLOGでコールサインでエンティティ名が検索されるので、そのエンティティ名を読込んで挿入されます。
Name、QTHの内容は(xxxx)の設定により変わります。
QTH、Remarks1、Remarks2 の下にHamlog へ転送された最終的な内容が表示されます。

・Name(Hamlog/Web data/auto)
(xxxxx)の部分をクリックすると (Hamlog) →(Web data) → (Auto)の順に変化します。
(お勧め JTAlertとの連携)を参照してください。

・QTH((Hamlog/Web data/Auto、Ctry 1st/Auto, Addr 1st)
(xxxxx)の部分をクリックすると (Hamlog) → (Web data) → (Auto、Ctry 1st)→(Auto, Addr 1st) の順に変化します。
(お勧め JTAlertとの連携)を参照してください。

・Test ボタン(テストデータ設定)
His Call, Date, Time, His, My, Freq, Mode, GLの各入力欄へテストデータを設定します。
クリックする度に適宜10 種類のテストデータが使われます。

・Clear ボタン(データ入力欄のクリア)
His Call, Date, Time, His, My, Freq, Mode, GLの各入力欄をクリアします。JT_Linkerのログ履歴もクリアされるので、同一日時・同一時刻・同一コールのログを書き込みできるようになります。
HAMLOGの立ち上げを忘れてHAMLOGへのログ登録が出来なかったような場合に、HAMLOG立上げ後に [Clear] ボタンを押してJTDX/WSJT-Xの [ログに記録] を押して再度ログを書き込んでHAMLOGに転送するような使い方が出来ます。

・Send チェック欄
WSJT-X、JTDXから新しいデータが取り込まれた場合、自動的にHamlog に転送されます。
また、右のSave, Save(Msg)欄、Resend ボタンが操作可能になります。
ResendをクリックしてHamlogへ手動転送する場合もチェックを付けて置いてください。

・Save、Save(Msg)チェック欄
チェックを付けていると、Hamlogへ転送した場合に、自動登録されます。
Saveの場合は、確認メッセージ無し、Save(Msg)の場合は確認メッセージ有りになります。

・Resend ボタン(手動転送)
クリックすると入力欄の内容をHamlogに転送します。 入力データを書き換えた時やテストデータによるテストの時などに使用します。

・Setup ボタン
左クリックすると設定画面が開きます。(3.設定を参照してください。)
中クリックすると、DTに依る時刻補正ウインドウが開きます。もう一度、中クリックすると、DTに依る時刻補正ウインドウが閉じます。時刻補正機能に関しては Quick Guid の「・DTに依る時刻補正について」を参照してください。

5. JTDX/WSJT-XとHAMLOG連携動作

以下の連携動作はそれぞれ [Web Log] 設定例の設定をした場合の動作例です。

(共通動作)
JTDXやWSJT-Xによる通信で JT_LinkerとTurbo HAMLOGを起動しておくと、JTDX/WSJT-Xのログが書込まれた時点で自動的にHAMLOGのデータ入力画面に交信データが転送されます。

JTDX/WSJT-Xのログ確認画面の [OK] でログが書き込まれるとJT_LinkerがHAMLOGにデータを転送します。
(JTDXのログ確認画面)
JTLinker26

(WSJT-Xのログ確認画面)動作はJTDXと同じです。
JTLinker30
オンラインログ(Web Log)への自動ログ アップロードとメンバー判定をしている場合はアップロード結果画面(Rsponse from Weblog)を表示します。
(注)JT_Linkerを最少化またはタスクトレイに入れていると「Rsponse from Weblog」画面は表示されません。アップロード結果を見たい場合はJT_Linkerを表示した状態で使ってください。

その後、JT_LinkerがHAMLOGにデータを転送して、HAMLOGの登録確認画面が表示されます。HAMLOGで [はい] を選ぶとHAMLOGにログが記録されます。

JTLinker27

(1) eQSL、LoTW、ClubLog、HRDlogのどれも使っていない場合
JTLinker36
HAMLOGのQSLフラグは[J__」固定です。(Default QSL LettersがJの場合)
修正が必要な場合は[キャンセル]して修正後に[Save]してください。

(2) eQSLのみ使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、eQSL有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
2022-09-26 (1)
HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
eQSL非会員        J__
eQSL会員         EE_

HAMLOG画面
JTLinker28

(補足 QSLメッセージ)
JTDX/WSJT-Xのログ確認画面でコメントを記入してログに書き込むと、JT_LinkerがeQSLにQSLメッセージとしてアップロードしてくれます。
JTLinker29
上記の確認画面ではモードと送受レポートが入っていますが、JTDX/WSJT-Xのレポート設定で入れる事ができます。参考: eQSLへのコメント入力
ログ確認画面で「TNX 3rd QSO. 」のようなメッセージを入れる事もできます。
QSLメッセージはeQSLのQSLカードに表示されます。
JTL18d20.png

(3) LoTWのみ使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、LoTW有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
2022-09-27

HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
LoTW非会員        J__
LoTW会員         LL_

(4) eQSLとLoTWを使っている場合
HAMLOGへのログ転送前に、eQSLとLoTWの有効メンバーかどうかのチェック結果とアップロード結果の画面が表示されます。
eQSL会員/LoTW会員の場合
JTLinker32
eQSL非会員/LoTW非会員の場合
JTLinker31
HAMLOGのQSLフラグは以下のようになります。(_はスペースです。)
eQSL非会員/LoTW非会員  J__
eQSL会員/LoTW非会員   E#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

(5) eQSL、LoTW、ClubLogを使っている場合
私の設定です。HAMLOGへのログ転送前に、eQSL、LoTWの有効メンバーかどうかのチェック結果とeQSL、LoTW、ClubLogへのアップロード結果の画面が表示されます。(ClubLog会員の確認はしていません。)
JTLinker33

ClubLog会員の確認はしていないので、HAMLOGのQSLフラグはeQSLとLoTWを使っている場合と同じです。
eQSL非会員/LoTW非会員  J__
eQSL会員/LoTW非会員   E#_
eQSL非会員/LoTW会員   L#_
eQSL会員/LoTW会員    ##_

HAMLOGのQSLフラグの転送例です。QSLをN__にする場合以外はJT_Linkerが自動でQSLフラグを記入してくれます。
JTLinker34

(参考 私のQSLフラグの使い方)
別記事にしたので参考にしてください。オンライン ログとQSLカードの運用について

(お勧め JTAlertとの連携)
JTAlertを使っていてJTAlertからLast QSO ADIFのUDP送信を指定している場合、JTAlertがQRZ.comから取得したName、QTH情報を取り込むことが出来ます。
(参考)JTAlertとの連携について別記事を書いたので、そちらも参考にしてください。
 JT_LinkerでJTAlertのログと連携する設定

JT_LinkerからHAMLOGへName、QTHを転送したい場合、Name(Auto)、QTH(Auto,City 1st)にしておきます。

JT_Linker29
Name、QTHの文字の部分をクリックすると、それぞれ以下のように変化します。
(Hamlog) →(Web data) 
 (Auto)
(Hamlog) 
 (Web data (Auto、Ctry 1st)(Auto, Addr 1st)

Hamlog:HAMLOGの情報を使用
Web data:JTAlertの情報を使用(QRZ.comもしくはHam.QTHの情報)
Auto:Hamlog に情報が有る場合はHAMLOGの情報を使用、
HAMLOGの情報が無い場合はJTAlertの情報を使用

Auto、Ctry 1st:DX局の場合、国名, QTH(City/Townなど)の順になる
Auto, Addr 1st:DX局の場合、QTH(City/Townなど), 国名 の順になる

(補足)QRZ.comの登録情報
QRZ.comのAddressに国名を入れている局があります。その場合、HAMLOGのQTHに国名が2重に入ってしまいます。QRZ.comのAddressは国名を入れないでください。また、Name,Addressに漢字を使わないでください。参考:FT8運用環境向上 QRZ.com登録

5. その他情報

(1) JT_LinkerのADIFファイル読込エラー
ブログへのコメントやメールで「JT_LinkerでADIFファイル読込エラーが発生する」との相談を受ける事があります。
JT_Linkerは起動時にWSJT-X(またはJTDX)のADIFファイルを読み込みますが、ADIFファイルに異常があるとエラーになります。
私もJTDX+JT_Linkerの環境でエラーが発生したことがあります。
その時は、HAMLOGから出力してコピーしたADIFファイルに漢字が含まれていたために発生していたので、HAMLOGからのADIF出力を[全角を除く]で行えば良いことが分かりました。

ADIFファイルのせいでJT_Linkerがエラーになる場合、ADIFファイルをADIF MasterというADIFファイル編集ソフトで一度開いて上書きする事で、エラーが発生しなくなる事が多いです。JT_Linkerがエラーになる場合は、以下の記事を参考にして正規化をやってみてください。
 ADIF Master による ADIFファイル正規化

(2) JTDX/WSJT-X、HAMLOG、JT_Linkerの起動
JTDX/WSJT-Xを起動時にJT_Linker、HAMLOGを起動しておく必要があります。JT_Linkerの起動を忘れていると、HAMLOGへのログ自動転送が行われないので注意が必要です。
JTDX、HAMLOG、JT_Linkerを一括で起動するためのバッチファイルを作っておくと便利です。
(JTAlertを使っている場合はJTAlertのApplications/Auto-Startから起動できます。)

JTDX用のバッチファイル
[FT8_JTDX.batの内容]
echo JTDX、HAMLOG、JTLinker起動バッチ
start C:\JTDX\JTDX\bin\jtdx.exe
start C:\Hamlog\Hamlogw.exe
start C:\PROGRA~2\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe

WSJT-X用のバッチファイル
[FT8_WSJTX.batの内容]
echo WSJT-X、HAMLOG、JTLinker起動バッチ
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe
start C:\Hamlog\Hamlogw.exe
start C:\PROGRA~2\JA2GRC\JT_Linker\JT_Linker.exe


(3) eQSL、LoTWメンバー情報
JT_LinkerではeQSLメンバー、LoTWメンバーの有効判定にそれぞれ、以下の情報を使います。
eQSL AGメンバーリスト AG Member List Dated
LoTWメンバーリスト lotw-user-activity.csv

eQSLのAGメンバーリストはAGメンバーのみなので、本人確認が終了している局のみが有効になります。(参考:FT8運用環境向上 eQSL.ccの登録と使い方
eQSLメンバーリスト、LoTWメンバーリストには最終ログアップロード年月日が入っているので、JT_Linkerでは設定された期間より古い局は無効と判定します。
また、eQSLでは開始/終了日がQSOの日付と一致しないメンバーはeQSLメンバーリストの最終ログアップロード年月日が0000-00-00になっていて、無効になります。
(参考:eQSL.cc AGメンバーリスト、追加アカウント、コメント

(4) 設定を初期化する
このブログを見てJT_Linkerを使い出したかたから、「JT_Linkerがおかしくなって困っている」という相談をいただく事があります。
設定を見直しても治らない場合は、設定を初期化して再設定する事をお勧めしています。
設定の初期化はJT_Linkerの画面上でマウスを右クリックして「設定を初期化する」を選んで行います。
JT_Linker30
設定を初期化後に設定をやり直せば復旧する事が多いです。
心配な人は「設定ファイルに保存する」を行っておけば、「設定ファイルから復元する」で設定を元に戻すことができます。

(終わり)
JT_Linkerの高機能化で長い記事になっているので、改版に時間がかかってしまいました。
約1年ぶりのバージョンアップですが、JT_Linker Ver.2024.09.26からUDPメッセージ対応になったので「JT_Linkerで時々 ADIF書込みエラー が出る」問題が解決しました。
今回、テスト版のJT_Linker Ver.2023.08.09Tで追加されていた機能も正式版になったので記事を改版しました。

最後に、素晴らしいソフトウェアを提供してくださっているJT_Linker作者のTaka(JA2GRC)さんに感謝します。

(追記)既知の問題
JTAlertからUDPメッセージ送信でログを転送している場合、Name、QTHに漢字が入っているとJT_Linkerが無反応になるという問題があります。JTAlert側で漢字を入れない様にしてもらえるそうななので、JTAlertの次回リリースで改善されると思います。
参考:JAlertのADIFに漢字が入る件

(2024年11月3日 追記)
JTAlert 2.63.2 でADIFにマルチバイトコードが入らないようになったので、JT_LinkerでJTAlertのUDPメッセージを使っている場合に、中国局と交信するとJT_Linkerが無反応になることがあるという問題は解決しました。