SuperFoxモードで無線機の周波数が±100Hz以上ずれているとデコード出来ないという話題をよく見かけますが、無線機(標準電波を受信できる)の周波数校正のやり方について記事にしておきます。

私の好みとしては、標準電波を受信して1000Hzの受信音とキャリブレーション用1000Hzの音でゼロビートをとる昔ながらのやり方がやりやすいです。
IC-7300はキャリブレーションマーカーがあるので、キャリブレーションマーカーと受信音でゼロビートを取る事で調整します。


キャリブレーションマーカーが無い機種は、パソコンから1000Hzの音を再生してゼロビートを取ります。以下記事はFT-991Aの例ですが、他の機種でも同じように行えば良いです。



しかし、知合いから「ゼロビートのやり方がよく分からない」という話がありました。
ゼロビートによる周波数校正は、やった事のない人はブログ記事やマニュアルを見るだけでは難しいようです。(^^;

そこで、WSJT-Xの周波数校正機能の一部の機能を使うやり方を書いておきます。
WSJT-X improved版でも同じです。

WSJTXで、設定→周波数 周波数校正が0.00になっている事を確認しておきます。
WSJT-X0
15MHzの標準電波を受信できる状態にしておいて(送信しないので適当なアンテナで良いです)、モードをFreqCalにします。
WSJT-X1
OOBの受信周波数を15.000MHzにします。無線機の周波数は14.9985MHzになります。
WSJT-X2
1500Hzの信号を受信した状態で、DF1500HzとのずれがDFに表示されます。
WSJT-X3
この状態で無線機側の基準周波数を調整します。
なお、15MHzの標準電波を受信出来ない場合は10MHzの標準電波も試してください。

IC-7300の例
MENU→SET→機能設定→基準周波数調整
20240901_134911
基準周波数調整画面の [-] と [+] で WSJT-XのDFが最小になるように基準周波数を調整します。
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FT-991Aの例
[Menu/SETUP] ボタンでメニューモードにして、039 REF FREQ ADJ を選びます。
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WSJT-XのDFが最小になるように、MULTIダイアルで基準周波数の補正値(-25~25)を調整します。

古い無線機で簡単に基準周波数調整を出来ないものは、WJT-Xの周波数校正機能を使ってWSJT-X側で補正すると良いかもしれません。WJT-Xの周波数校正機能では補正値をWSJT-X側が保持していて、バンド切換え時に無線機の周波数を補正値分ずらしてくれます。
周波数校正機能については、WSJT-X User Guideの 13.1. Frequency Calibration を見てください。

実際はSuperFoxの周波数ずれ問題は±100Hz内なら問題なく、最近の無線機でそんなにずれている事は無いと思います。