FreeDVの記事「IC-7300でFreeDV開始(設定情報)」のパソコンオーディオ設定に関する質問が多いので、別記事として掲載しておきます。

1. オーディオ入出力ポイント
FreeDVのオーディオ入出力ポイントは以下のようになっています。
FreeDV1
① パソコン再生デバイス(スピーカー、ヘッドセット)
② パソコン入力デバイス(マイク)
③ 受信オーディオ(無線機から)
④ 送信オーディオ(無線機へ)
⓹ 無線機AF出力
⑥ 無線機変調入力

⑤、⑥は無線機側の設定で、IC-7300の場合は工場出荷設定と同じにしています。
参考:IC-7300でFreeDV開始(設定情報) 3. 無線機側の設定

 Windows11 PCのサウンド設定からパソコンのサウンドデバイス設定を行います。IC-7300を例に説明しますが、他の無線機でも同じなので自分の無線機名に置換えて設定してください。

2. サウンドデバイスの確認
Windows11のデバイスマネージャーでサウンドデバイスの確認を行います。
Windows画面のタスクバーの検索で「デバイスマネージャー」を検索します。
Audio1
デバイスマネージャーの、「オーディオの入力および出力」で、無線機のオーディオポートの名前を確認します。
以下は私のパソコンの「オーディオの入力および出力」です。
アイコム機やYAESU機の多くでは「スピーカー(USB Audio CODEC) 」の様な名前になります。複数の無線機がつながっているとデバイス種別の前に数字が付いて区別されます。
以下の例では「マイク(3-USB Audio CODEC)」と「スピーカー(3- USB Audio CODEC)」がIC-7300のオーディオ入出力です。(マイクが受信、スピーカーが送信)
Audio2
複数の無線機を接続してる場合などUSB Audio CODECが複数ある場合は、対象の無線機のUSBケーブルを抜くと、そのUSB Audio CODEC が消えるので分かります。

オーディオ入出力ポイントと「オーディオの入力および出力」の対応は以下になります。
 ④ 送信オーディオ(無線機へ)が「スピーカー(3- USB Audio CODEC)」
 ③ 受信オーディオ(無線機から)が「マイク(3-USB Audio CODEC)」
 ① パソコン再生デバイス(スピーカー、ヘッドセット)が「ヘッドセット イヤフォン(Jabra EVOLVE 20 SE MS)」
 ② パソコン入力デバイス(マイク)が「ヘッドセット マイク(Jabra EVOLVE 20 SE MS)」


3. パソコンのサウンドデバイス設定
Windows11の設定からサウンドの設定を行います。
 設定→システム→サウンド
Audio6
・出力
① パソコン再生デバイス(スピーカー、ヘッドセット)
スピーカーの音量レベルを設定します。私の場合はヘッドセットを使います。
FreeDV2
音量は通信時に調整するので、とりあえず50にしておきました。
FreeDV11
④ 送信オーディオ(無線機へ)
送信音のレベルを設定します。私の環境ではデバイス種別が「3-USB Audio CODEC」でした。
Audio4

分かりやすいようにデバイス名を「IC-7300」に変更しました。
FreeDV4
形式はDVDの音質、ボリュームは50にしました。オーディオの強化、立体音響はオフにします。
FreeDV11
なお、IC-7300が既定のデバイス(以下の画面で)になっているとWindowsのシステム音が送信されてしまうので、必ずパソコンのスピーカーなど他のデバイスを既定のデバイスにしてください。
Audio3
・入力
② パソコン入力デバイス(マイク)
マイクレベルを設定します。私の場合はヘッドセットのマイクを使います。
FreeDV6
実際の通信時に調整するので、とりあえず80に設定しました。
FreeDV13
③ 受信オーディオ(無線機から)
無線機からの受信音のレベルを設定します。私の環境ではデバイス種別が「3-USB Audio CODEC」でした。 デバイス名を「IC-7300」に変更しました。
Audio5
なお、IC-7300が既定のデバイス(上記画面で)になっている場合は、パソコンの内蔵マイクなど他のデバイスを既定デバイスに変更してください。

形式はDVDの音質、入力音量は50にしました。音声フォーカスはオフにします。
FreeDV14
以上でパソコンのオーディオデバイスの設定は終了です。

4. オーディオレベル設定まとめ
各オーディオ入出力ポイントのレベル設定は以下になります。
リグ側の設定はプリセットに設定した値です。
受信
① パソコン再生デバイス(スピーカー、ヘッドセット) 適宜調整
③ 受信オーディオ(無線機から) 50%
⓹ 無線機AF出力 (IC-7300 ACC/USB AF出力レベル) 50%

送信
② パソコン入力デバイス(マイク) 80%(Frm Micの波形が平均で±0.4)
④ 送信オーディオ(無線機へ) 50%
⑥ 無線機変調入力 (IC-7300 USB変調入力レベル) 50%

実際に通信してみて調整
① パソコン再生デバイス(スピーカー、ヘッドセット)は受信音量を聞いて[Mic/Spkr Level] スライダーで調整します。ヘッドセットの場合は音量ボリューム付きのヘッドセットを使うと便利です。
② マイク ボリュームは「Frm Mic」の波形が平均で±0.4くらいになるように [Mic/Spkr level] スライダーで調整します。
④ 送信オーディオ(無線機へ)はFreeDVを送信状態にしてALCが大きく振れないレベルに [Tx Attenuation] スライダーで調整します。