2025年8月改版)2017年8月に書いた「IC-7300M + MMSSTVでSSTV運用開始」の改版記事です。久々にSSTVアクティビティコンテストに参加しようと思って昔の記事を参照したら、昔のBiglobeブログ時代の古い記事で読みづらかったので内容を見直して改版しておきます。
「ログ設定画面」の設定内容はJASTAコンテスト用にしました。コンテストが終了したら変更してください。
2017年8月はFT8がリリースされたばかりの頃で、まだJT65が主流でした。当時はJT65に慣れていたのでSSTVのゆっくり交信が気になりませんでしたが、今やってみると1交信に随分時間がかかるものですね。(笑)

毎年、8月1日~8月31日はJASTA(日本アマチュアSSTV協会)主催の「第46回JASTAアクティビティコンテスト」が開催されています。日頃はSSTVで出ている局はほとんどいませんが、この期間はSSTVで出られている局が多くいらっしゃいます。

SSTV通信ソフトMMSSTVのインストールと設定の手順を掲載しておきます。
SSTV11
IC-7300のUSB接続についてはFT8が動いている環境なら、MMSSTVの設定だけで比較的簡単に運用開始できます。
IC-7300の設定はFT-8通信の設定と同じです。
IC-7300ではFT8用プリセットメモリーがあるので、FT8用プリセットメモリーを読み込んでください
参考:IC-7300の設定
 
後述しますがIC-7300をデータモードにしてるとSSBによる会話が出来ないのでCI-VコマンドでデータモードをON/OFFするようにしています。

1. MMSSTVダウンロードとインストール

SSTV用ソフトはMMSSTVを使います。MMSSTVは以下からダウンロードできます。
 SSTV 通信ソフト MMSSTV
最終版はVer1.13で、ベーター版のVer1.13Aもあります。Ver1.13では問題があったのでVer1.13Aを使いました。
SSTV12
ダウンロードした mmsstv113A.exe を実行してインストールします。 インストール先はデフォルトの C:ドライブ直下としました。
SSTV13
MMSSTV.TXTに一通りの説明が書いてあるので参考にしてください。
MMSTV.EXEを実行するとMMSTVが起動します。
インストール後、デスクトップにMMSTV.EXEのショーカットを作っておきました。


2. MMSSTV設定

設定は MMSSTVの設定 を参考にさせていただきました。

MMSSTVを実行すると最初にコールサイン入力画面が出ます。
SSTV14
(1)MMSSTV設定画面
コールサイン入力後、「オプション」から「MMSSTV設定画面」を選択します。
 オプション→MMSSTV設定画面

私の設定内容を掲載しておきます。
[受信]
SSTV15
[送信]
 SSTV16
デジタル出力レベルは5にしました。(送信出力レベルは後述するパソコンの[送信信号レベル]との掛算になります。)
PTTの設定を[Radio command] で行うように設定しました。
IC-7300のCI-Vコマンドを使って送信と受信の切り替えを行うようにしています。

[Radio command] の設定は以下です。
先に下の[Unkown]の所で「Icom xx=addr 01-7F」を選択してから設定してください。 SSTV18
ポートは私のPCではCOM4になっていますが、WSJT-Xで設定した内容と同じです。
[DTR/RTS PTT]をチェックしないと受信状態でRTSがONになるようでIC-7300が送信状態になってしまうので、チェックしました。

SSTVでは画像送信の前後にSSBで会話する必要があります。
このため、[Radio command] で受信/送信でデータモードをON/OFFするようにしました。
送受切替えコマンドに以下を追加してUSB/USB-Dを切替えるようにしています。
他にマイクで話すとモニター音が聞こえるのでモニターのレベル変更も入れました。
 xx=94
RX: \\\\$FEFExxE01C0000FDFEFExxE01A060000FDFEFExxE014150000FD
TX: \\\\$FEFExxE01C0001FDFEFExxE01A060101FDFEFExxE014150013FD\\\\w10
  1A06 データモードの設定
  1415 モニターゲインの設定

(注)先頭の\\\\(バックスラッシュ)は実際は¥(小文字)です。上記をコピーしてMMSSTVに貼りつければ、¥(小文字)になります。

VFO pollingを設定してIC-7300の周波数がMMSSTVの画面に表示されるようにしています。

[Box tone] は 「User definde」を選んで [Edit] で一行目に「#id 」と入力します。これにより、画像送信時に自動で「ID」が送信されます。
SSTV41
他に、CWIDでKを送出するようにしました。他局の交信をモニターしてると画像送信の最後にCWでKを送ってる方がいたので私も真似しました。(笑)


[その他]
サウンドカードもWSJT-Xの設定と同じです。
 SSTV17
上記までの設定後に、MMSSTVの[送信]タブを押して送信画像の下にある[1200]ボタンを押すとIC-7300が送信状態になり1200Hzの信号が送られるはずです。送信中はIC-7300のモードがUSB-DまたはLSB-Dになります。送信にならない場合は設定に問題があります。
SSTV19
 
(2)ログ設定画面
MMSSTVではログをHAMLOGに転送する事が出来ます。「ログ設定画面」で設定します。
 オプション→ログ設定画面

私の設定内容を掲載しておきます。
設定例はJASTAアクティビティーコンテスト用の設定です。コンテストが終了したら変更してください。

[入力設定]
HisRCV は「595+001」にします。
SSTV20
コンテスト以外では HisRCV は「595」にします。

[変換]
Linkの[Turbo HAMLOG/winとの連携]をONにしています。 Time Zone は「Auto」にしました。
SSTV21

[その他]
 重複チェック は「JASTAコンテスト」に、「コンテストNRをFSKIDに追加」をオンにします。
SSTV22
コンテスト以外では 重複チェック は「同一バンドでヒット」に、「コンテストNRをFSKIDに追加」オフにします。


3. SSTV画像受信

上記の設定後にSSTVの信号を受信してみます。
IC-7300の通信モードはバンドによりLSBまたはUSBにします。
(注)IC-7300をプリセットでFT8に設定した直後はUSB-Dになっているので、手動でLSBまたはUSBに設定してください。

(おまけ)リグコントロール機能を使ってバンド毎にモードと周波数を切換える事が出来ます。


[受信信号レベル設定]
受信信号レベルは[オプション]--> [入力ボリューム調整」で録音デバイスが表示されるので、先に設定したデバイス(私の場合はIC-7300)をダブルクリックして[レベル]タブで調整してください。
SSTV23
信号受信時にウォーターフォール画面の左のメーターが1/2~1/3になるように設定すれば良いです。
私の環境では80%にしました。
(注)FT8通信時は入力音量を元に戻してください。
参考:FT8運用開始 パソコンのサウンドデバイス設定

 [受信]タブをクリックして受信画像表示状態にしてSSTV信号を受信すると受信画像が表示されます。 モードはAutoにしておけば自動で判定されますが、国内局ではScottie1かScottie2が使われるようです。(コンテストでは主にScottie1(110秒)より通信時間の短いScottie2(71秒)が使われます。)

JASTAコンテスト参加局の信号を以下の周波数で受信できました。
7.175MHz LSB
7.178MHz LSB
7.181MHz LSB

7MHzでは7.178MHzを中心に3KHzシフトした周波数で空いているところを使うようです。
(空きが無い場合、7.169、7.172、7.175、7.178、7.181、7.184 、1.187が使われます。)
14MHz帯については、JASTAコンテストでは「14.230MHz周辺はDX通信とのQRMが多いとの各国DXerからのクレームが大きいので、14.230MHz周辺でのコンテストQSOを禁止します。14.330MHz中心に運用して下さい。」との事なので注意してください。

コンテスト用CQ画像が受信できました。
SSTV24

[送信信号レベル設定]

ついでに、送信信号レベルも設定しておきます。
送信信号レベルは[オプション]--> [出力ボリューム調整」で音量ミキサーが表示されるので、スピーカの右下の▼から先に設定したデバイス(私の場合はIC-7300)を選んでスライダーで調整します。
(アプリケーションにMmsstvが表示されていなくても、IC-7300のスライダーで調整すれば良いです。)
SSTV25
私の場合はFT8と同じ50%に設定しました。(MMSSTV設定画面の[送信]タブの「デジタル出力レベル」を5にしています。)
これで、SSTV送信時ALCが少し振れるレベルになりました。


4. 送信画像の準備

交信を始める前に送信画像を準備します。
MMSSTVの[テンプレート]タブをクリックして、通信画像画面下の[ストック画像]タブをクリックします。
SSTV26
下のストック画像一覧には最初は何も画像がありませんが、エクスプローラーから送信画像にしたい写真ファイル(JPEG)をストック画像一覧にドラッグして持って来ることができます。
JPEGファイルをドラッグすると画像クリッパー画面が開くので、マウスの左ボタンを押しながら適当な部分を選んでOKを押してサイズ変換します。 
SSTV27
送信画像は320x256のサイズに変換されてストック画像一覧に表示されます。 画像に文字や顔写真を入れる場合は先にペイントソフトなどで編集しておきます。

適当な画像を数枚入れました。 通信時に画像一覧から通信画像画面に画像をドラッグして送りたい画像を選ぶことが出来ます。
SSTV28
コンテスト用に顔画像入りの画像を作ってストック画像に入れました。
SSTV32
次に[ストックテンプレート]タブをクリックしてテンプレートを準備します。上の列は最初から入っていたものを少し編集したものです。
SSTV29
ストックテンプレートから通信画像画面にテンプレートをドラッグしてテンプレートを表示させて編集します。
編集は通信画像画面下のボタンを使います。上の参考画面ではCONTESTの文字を入力しています。 文字は相手コール(%c)、RCV(%r)などのマクロが入力できます。[マクロ]ボタンから選択出来ます。
SSTV30
編集した画像をドラッグしてストックテンプレート一覧に入れれば編集完了です。
コンテスト用にCONTESTの文字入りCQテンプレートを作りました。
SSTV31
通信時にストックテンプレート一覧から通信画像画面にテンプレートをドラッグすれば通信に使うテンプレートを選ぶことが出来ます。ダブルクリックでも良いです。


5. SSTV交信

画像送信の前に同期の調整が必要なようですが、私の環境では調整の必要はありませんでした。
[同期]タブで同期画面を表示してSSTV信号を受信してみましたが、ずれはありませんでした。
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CQを出している局を呼んでみました。[RxID]と[TxID]ボタンを押込んでおきます。
SSTV35
相手はCQ画像送出後に音声受信に移るので、音声で相手を呼んで応答してもらえたら(「送ってください。」とか)、画像送信に移ります。

送信画面で画面下の [TX] ボタンを押すと送信が始まります。(TX ModeはScottie2にしておきます。)
IC-7300の通信モードが自動的にLSB-DまたはUSB-Dに変わります。
 相手コールサインはSSTV信号(FSKID)に入っているのでCQ画像受信時に自動的に設定されます。(入ってない場合は手動で入力してください。)
なお、HAMLOGと連携している場合はHAMLOGを立ち上げておけば、HAMLOGユーザーの名前、QTH情報も表示されます。
コンテスト中なのでコンテスト用の画像を送りました。
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送信が終わると相手から画像を送ってきます。
SSTV36
最後に相手から音声で確認があるので受信できた事を伝えて、挨拶して終わりです。(コンテスト以外ではレポート画像の後に73の画像を送る事もあります。)

HAMLOGと連携している場合は、交信開始時にLogエリアの [QSO] ボタンを押して、交信終了時に再度[QSO]ボタンを押せば自動的にHAMLOGにログに入力されます。
Remarks2にコンテストナンバーが自動記録されます。
SSTV38
(補足)交信時、受信画面と送信画面を切替えるのが面倒なので[表示]-->[受信画像を常に表示]で受信画像を別に表示して使ってます。
SSTV33
こちらからCQを出す交信はCQ用のテンプレートを選んで送信します。TX MODEはScottie 2を指定します。
SSTV39
交信の手順をまとめると以下のような感じです。
STV4004024b78


6. JASTAコンテスト

JASTAアクティビティコンテストは8月1日~31日の1か月間開催で、同じ局との交信も日が変われば得点になります。そのため、参加されてる方は毎日同じ局同士で交信されているようです。
QSOはコールサインとコンテストナンバー( RSV+001から始まる連番)の入った画像を交換します。
MMSSTVにはJASTAコンテスト用の機能があります。 JASTAコンテストの設定は以下を参考にさせていただきました。
 JASTAアクティビティコンテストでのMMSSTVの設定

こちらも参考になります。MMJASTAを使ったJASTAコンテストのログ提出に関しても書かれています。
 JASTAのコンテスト参加の為のMMSSTVの設定の仕方


(おまけ)SSTV使用周波数
 コンテストはバンドにより得点が違いますが、気になったのでSSTVの使用周波数について調べてみました。(情報源が10年以上前のネット情報なので、現在も同じかどうか分かりません。)
 3.528MHz LSB
 7.178MHz LSB
 14.330MHz USB
 18.160MHz USB
 21.340MHz USB
 24.980MHz USB
 28.680MHz USB
 50.3MHz USB
 144.29MHz USB
 430.470MHz USB
 438.2MHz FM


(おまけ)VHFでのSSTV
IC-9700を使って144MHzでSSTV通信を行いました。