WSJT-X 3.0.0-rc1がリリースされました。
リリース候補版ですが、試してみたい方はどうぞ。安定したバージョンを使いかたはGA版を待ちましょう。

リリースノートの日本語訳です。
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リリース: WSJT-X 3.0.0-rc1 2025年9月15日

WSJT-X 3.0.0では、多数の新機能が導入されています。
リリース候補版は、上級ユーザーの皆様に新機能を試用し、開発者へのフィードバックを提供する機会を提供します。このリリース候補版1をご利用の場合は、関連するコメントや質問をユーザーフォーラムまでお寄せください。

以下の機能は、WSJT-X 改良版 2.8.0 i+ をご利用の方には既にお馴染みの機能ですが、WSJT-X 2.7.0およびそれ以前のバージョンのユーザーには新しく追加された機能です。
- シングルクリックバンドボタンは、「表示」メニューから有効にできます。
- フィルターを使用して、デコードされたメッセージの様々なカテゴリの表示を抑制できます。
- 「待機して応答」、「待機して呼び出し」、「待機して応答」の各オプションは、送信QRMを最小限に抑えながら、困難な伝搬状況下でQSOを行うのに役立ちます。これらの機能、フィルター、自動シーケンスは、WSJT-Xのすべてのモードで利用可能になりました。
- オプションの音声アラートは、指定された内容のメッセージを受信したことを音で知らせます。
- 全二重モードでは、WSJT-Xは送受信を同時に行うことができます。
- 無​​線機制御と音声入出力には、トランシーバー制御インターフェース(TCI)がサポートされています。
- SuperHoundオペレーターは、SuperFoxがまだデコードされていない場合でも、SuperFoxのコールサインに対して待機呼び出し機能を起動できます。Foxオペレーターは、同じ周波数に別のFoxが存在する場合、警告メッセージを受け取ります。
- 送信電力とSWRは、無線機からの報告に基づいてステータスバーラベルに表示できます。SWRが2.5を超えると、送信を自動的に停止できます。これらの機能は、HamlibまたはFLRigを介して制御されるほとんどの最新の無線機で動作します。
- FT8、FT4、MSK144のバンドホッピングチェックボックスを有効にすると、メインサブバンドまたは最大8つの指定周波数で、連続受信間隔を設定できます。
- 保存した音声ファイルは、30日後に自動削除するようにスケジュール設定できます。
- 地上波またはEME用のCALL3.TXTファイルは、「ファイル | 設定 | 色」タブのボタンをクリックすることでダウンロードできます。
- ログ機能が衛星QSOのフィールドタイプをサポートするようになりました。また、「自動的にログする」オプションはコンテストモード以外でも利用できます。「ファイル | 設定 | レポート」タブの新しいチェックボックスは、特定のコンテストに対応しています。
- OpenSSLライブラリがWSJT-Xと共に自動的にインストールされるようになりました。
- 高解像度モニターに対応し、フォントとウィジェットのサイズのスケーリングが向上しました。
- 新しいEME機能には、EMEサブバンド内のダイヤル周波数の選択や、送信周波数を受信周波数から整数MHzだけオフセットする操作がより簡単になりました。エコーモードと人気のQ65サブモード6つに素早くアクセスするための新しいボタンが追加されました。
- QMAPバージョン0.5とMAP65バージョン3.1では、CQLiveスポッティングなどの機能強化が行われました。

以下の新機能はすべてのユーザーにとって新しいものです。
- FT8デコードに、同時スレッドでの並列処理オプションが追加され、パフォーマンス向上のためのその他の変更も行われました。
- エコーモードでは、自分のコールサイン(または任意の6文字のグループ)を月に向けて送信し、そのエコーをデコードできます。
- クイックフィルターのカテゴリーで、指定した地域からのデコード済み送信をハイライト表示できます。
- バンドホッピングボタンを右クリックすると、指定したバンドホッピング周波数に移動できます。
- MSK144運用:MyCall宛の「73」メッセージも右側のペインに表示されるようになりました。デコード間隔が異なるTR期間ごとにバンクラインが挿入されます。
- VHFでのQ65運用:デコードメニューに新しいオプションが追加され、ALTキーを押さない限りウォーターフォール上でのマウスクリックが無効になります。
- ファイル | 設定 | 色タブの「オレンジ色で強調表示」と「青色で強調表示」機能を使用して、方向指定のコール(DX、SOTA、POTA、YOTAなど)を強調表示できるようになりました。
- QMAPおよびMAP65:Q65モードでの長い複合メッセージの処理を改善しました。グリッドを含まないCQメッセージを受信したときにクラッシュする可能性があるバグを修正しました。
- その他、いくつかのマイナーな改善とバグ修正を行いました。
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WSJT-X Improved 2.8.0の機能が取り込まれました。
他に、FT8デコードに同時スレッドでの並列処理オプションが追加されて、JTDXと同じようにマルチスレッドでのデコードを行うようになったようです。

WSJT-Xのホームページからダウンロード、インストールしてみました。
Edgeからダウンロードすると素直にはダウンロード出来ませんでした。セキュリティーチェックでブロックされる場合の操作は以下のページを参考にしてください。
 [Microsoft Edge] 画面の右上にメッセージが表示されてファイルをダウンロードできません。

rc1の使用期限は2026年4月30日になっています。
WSJTX1
メイン画面はWSJT-X 2.7.0と比べると、バンド選択ボタンが追加されています。
WSJTX2
WSJT-X Improvedで追加されていた機能は以下を参照してください。


WSJT-X 2.7.0で取り込まれていた機能も多いですが、以下が動作することを確認しました。
・ウォータフォールの右クリックで送信周波数を変更。
・[Tunes] ボタンの右クリックにより無線機をチューニングする。

設定の画面は追加された項目が多いです。
[一般] の設定項目が倍くらいになってます。良く分からない設定項目も多いです。(^^;
WSJTX4
マルチスレッド対応はメニューバーの [デコード] の「マルチスレッドFT8デコーダを使用」をチェックするとマルチスレッドデコードになります。
マルチスレッドにしてCPUパフォーマンスを見てみました。15秒おきに複数CPUに山があります。
WSJTX3
時間のある時にいろいろ触ってみたいと思いますが、とりあえずWSJT-X 3.0.0-rc1のリリースのレポートのみにしておきます。