WSJT-X 3.0.xでFT8運用開始(改版5)で引用している記事の見直しを行っています。
JTDX+JTAlert 複数リグ切換え&同時起動(改版2)を元にして、JTDXの代わりにWSJT-Xを使った記事を書いておきます。(JTDXベースの元記事も残しておきます。)
JTDX+JTAlert 複数リグ切換え&同時起動(改版2)を元にして、JTDXの代わりにWSJT-Xを使った記事を書いておきます。(JTDXベースの元記事も残しておきます。)
(ここから本文)
WSJT-Xではコンフィギュレーション機能で複数のリグを切換えて使えますが、JTDXと同じように同時に2台以上を起動して使う事も出来ます。
例えば、2台の無線機を同時起動しておいて、1台で14MHzをモニターして、もう片方で50MHzをモニターしておくような使い方が出来ます。
本記事では3台のリグ用WSJT-Xを同時起動できるようにする例を書いておきます。
私のパソコン性能では2台分のWSJT-X+JTAlertの同時起動までで、3台同時起動は厳しいですが3台を切換えて使う事は出来ます。
リグはIC-7300/IC-9700/FT-991Aを起動する例で書きますが、単独でFT8通信が動くリグなら手順は同じです。
なお、JTAlertを使っていない方のためにWSJT-Xのみ同時起動する場合の補足説明を青文字で入れておきます。
最初にIC-7300とFT-991AM のWSJT-X+JTAlert同時起動時の画面例です。
1. 各リグ用WSJT-Xの環境作成
以下は既に1台目のリグ(IC-7300)用のWSJT-XとJTAlertが使える状態になっている前提で書きます。
以下は例として1台目がIC-7300、2台目がIC-9700、3台目がFT-991Aで書いています。ご自分の無線機の名前に読み替えて作業してください。
以下は例として1台目がIC-7300、2台目がIC-9700、3台目がFT-991Aで書いています。ご自分の無線機の名前に読み替えて作業してください。
最初に元のWSJT-Xから新しい1台目のIC-7300用、2台目のIC-9700用、3台目のFT-991A用のWSJT-Xを作ります。
まず、コマンドプロンプトからWSJT-Xを1台目(IC7300)の引数付きで起動します。(C:\WSJTの部分はWSJT-Xのインストール先です。各自のパソコンで違うと思います。)
C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC7300

C:\Users\XXXXX\AppData\Local\ (XXXXXはユーザー名)の中に「WSJT-X - IC7300」というフォルダーが作られます。
WSJT-Xはいったん終了します。
次にコマンドプロンプトからWSJT-Xを2台目(IC9700)の引数付きで起動します。
C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC9700
C:\Users\XXXXX\AppData\Local\ (XXXXXはユーザー名)の中に「WSJT-X - IC9700」というフォルダーが作られます。
WSJT-Xはいったん終了します。
更にコマンドプロンプトからWSJT-Xを3台目(FT991A)の引数付きで起動します。
C:\WSJT-X64\bin\wsjtx.exe --rig-name=FT991A
C:\Users\XXXXX\AppData\Local\ (XXXXXはユーザー名)の中に「WSJT-X - FT991A」というフォルダーが作られます。
WSJT-Xはいったん終了します。
元々のWSJT-Xの他にWSJT-X - IC7300、WSJT-X - IC9700、WSJT-X - FT991Aのフォルダーが出来ています。
元々のWSJT-Xの他にWSJT-X - IC7300、WSJT-X - IC9700、WSJT-X - FT991Aのフォルダーが出来ています。

WSJT-Xのフォルダーに元のIC-7300用設定情報ファイル WSJT-X.ini があるので、そちらのWSJT-X.iniをWSJT-X - IC7300フォルダー、WSJT-X - IC9700フォルダー、WSJT-X-FT991Aフォルダーにコピーします。
WSJT-X - IC7300フォルダーにはWSJT-X - IC7300.iniというファイルがあるので、これを消してコピーしたWSJT-X.iniをWSJT-X - IC7300.iniにリネームします。(WSJT-X - IC7300.iniをWSJT-X.iniの内容に置き換える。)
次にWSJT-X - IC79700フォルダーにはWSJT-X - IC9700.iniというファイルがあるので、これを消してコピーしたWSJT-X.iniをWSJT-X - IC9700.iniにリネームします。(WSJT-X - IC9700.iniをWSJT-X.iniの内容に置き換える。)
更にWSJT-X - IC79700フォルダーにはWSJT-X - FT991A.iniというファイルがあるので、これを消してコピーしたWSJT-X.iniをWSJT-X - FT991A.iniにリネームします。(WSJT-X - FT991A.iniをWSJT-X.iniの内容に置き換える。)
再度、コマンドプロンプトからWSJT-Xを1台目(IC7300)の引数付きで起動します。
C:\WSJT-X64\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC7300
元のWSJT-X(IC7300用)の設定が引き継がれているので、1台目(IC7300)用WSJT-Xとして正常に動作しているはずです。
WSJT-Xの左上に「WSJT-X-IC7300」と表示されています。

1台目(IC7300)用WSJT-XのUDPサーバーの設定を確認します。JTAlertを使わない場合は設定不要です。
元のWSJT-Xの設定が引き継がれているので、UDPサーバーアドレス = 224.0.0.123、UDPサーバーポート = 2237になっているはずです。
ファイル-->設定-->レポート

IC-7300用WSJT-Xは終了します。
ファイル-->設定-->レポート

IC-7300用WSJT-Xは終了します。
次にコマンドプロンプトからWSJT-Xを2台目(IC9700)の引数付きで起動します。
C:\WSJT-X64\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC9700
WSJT-Xの左上に「WSJT-X-IC9700」と表示されています。

元のWSJT-Xの設定が引き継がれた状態(この場合IC-7300の設定)で起動するので、2台目リグ用の設定に変更します。
以下は私のIC-9700の例です。詳細はIC-9700 + WSJT-X でFT8運用開始を参照してください。
ファイル-->設定-->無線機
以上で2台目(IC-9700)用のWSJT-Xが出来ました。2台目(IC-9700)用WSJT-Xが正常動作しているか確認します。
2台目(IC-9700)用WSJT-Xはいったん終了します。
更にコマンドプロンプトからWSJT-Xを3台目(FT991A)の引数付きで起動します。
更にコマンドプロンプトからWSJT-Xを3台目(FT991A)の引数付きで起動します。
C:\WSJT-X64\bin\wsjtx.exe --rig-name=FT-991A
WSJT-Xの左上に「WSJT-X-FT991A」と表示されています。

元のWSJT-Xの設定が引き継がれた状態(この場合IC-7300の設定)で起動するので、3台目リグ用の設定に変更します。
以下は私のFT-991Aの例です。詳細はFT-991A FT8通信の設定を参照してください。
ファイル-->設定-->無線機
3台目(FT-991A)用WSJT-Xはいったん終了します。
なお、元のWSJT-Xフォルダーは使わないので消しても大丈夫ですが、念のため残してあります。
なお、元のWSJT-Xフォルダーは使わないので消しても大丈夫ですが、念のため残してあります。
2. JTAlertの設定
次にJTAlertの設定を変更します。JTAlertを使わない場合は設定不要です。
JTAlertを起動してAuto-Startアプリを設定します。
JTAlertを起動してAuto-Startアプリを設定します。
Settings-->Manage Settings-->Applications/Auto-start

WSJT-Xの自動起動はバッチファイルで行うので(後述)、JTAlertからのWSJT-Xの自動起動は停止します。JT_LinkerとHamLogwは2つ目のJTAlert起動時に2重起動になりそうですが問題無いようなので、このままにしました。
3. ADIFファイルの共有
次に複数のWSJT-Xでログファイルを共有するため、ADIFファイル(wsjtx_log.adi)のハードリンクを設定します。
(WSJT-Xが作るログファイルはwsjtx_log.adiの他にwsjtx.logがありますが、交信済みの判断にはwsjtx_log.adiが使われるのでwsjtx_log.adiのみ共有すれば良いです。)
コマンドプロンプトからコマンド入力するのは大変なのでバッチファイルを作っています。
私の場合、元のWSJT-Xも残しているので、WSJT-XのADIFファイルを元ファイルとして、WSJT-X-IC7300、WSJT-X-IC9700、WSJT-X-FT-991AのADIFファイルにハードリンクを張っています。
また、以下の例ではADIFファイルはHAMLOGで出力したものをコピーして使っています。
(参考)ADIF Master による ADIFファイル正規化
(参考)ADIF Master による ADIFファイル正規化
JTAlertを使わない場合は「@echo wsjtx_log.adiをJTAlertにコピー」の部分は不要です。
ハードリンクだけなら途中の「@echo ハードリンク設定」以降のみ実行すれば良いです。
ADIF共有.batの内容です。
ここから --------------------------- ADIF共有.bat
@echo HAMLOGのADIFをWSJT-XにコピーしてWSJT-X-IC7300/WSJT-X-IC9700/WSJT-X-FT991Aにハードリンクを作る。
@echo 先にHAMLOGからwsjtx_log.adi(全角無し)を出力してADIF Masterで上書き保存しておく。
@pause
@echo wsjtx_log.adiをJTAlertにコピー
copy %userprofile%\OneDrive\HAMLOG\wsjtx_log.adi %userprofile%\AppData\Local\HamApps\JA4JOE\logs\JTAlertX\log.adi
@echo WSJT-Xのadiファイル削除
del %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
del %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - IC7300"\wsjtx_log.adi
del %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - IC9700"\wsjtx_log.adi
del %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - FT991A"\wsjtx_log.adi
@echo ---
@echo HAMLOGからWSJT-Xへadiファイルをコピー
copy %userprofile%\OneDrive\HAMLOG\wsjtx_log.adi %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
@echo ---
@echo ハードリンク設定
@mklink /h %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - IC7300"\wsjtx_log.adi %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
@mklink /h %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - IC9700"\wsjtx_log.adi %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
@mklink /h %userprofile%\AppData\Local\"WSJT-X - FT991A"\wsjtx_log.adi %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
@echo ---
@echo ハードリンク確認
@fsutil hardlink list %userprofile%\AppData\Local\WSJT-X\wsjtx_log.adi
@pause
ここまで ---------------------------
(注)上記の内容をコピーして使う場合、バッチファイルは文字コードをSHIFT_JIS形式にする必要があるので、メモ帳で「名前を付けて保存」を行うときに [エンコード] をANSIにしてください。
以上の作業後に、コマンドプロンプトから以下の順に起動すればWSJT-X+JTAlertを2個同時起動する事が出来ます。JTAlertを使わない場合はJTAlertの起動は不要です。
C:\"Program Files (x86)"\HamApps\JTAlert\JTAlert.exe /wsjtx
C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC7300
C:\"Program Files (x86)"\HamApps\JTAlert\JTAlert.exe /wsjtx
C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC9700
毎回コマンドプロンプトから起動するのも大変なのでバッチファイルを作りました。JTAlertを使わない場合はJTAlertの起動は不要です。
WSJT-Xを先に起動するとコマンドプロンプト画面を表示したままになる事があるので、先にJTAlertを起動するようにしました。
WSJT-Xを先に起動するとコマンドプロンプト画面を表示したままになる事があるので、先にJTAlertを起動するようにしました。
ここから --------------------------- WSJTX-IC7300.bat
start C:\"Program Files (x86)"\HamApps\JTAlert\JTAlertV2.exe /wsjtx /myid=IC7300
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC7300
ここまで ---------------------------
ここから --------------------------- WSJTX-IC9700.bat
start C:\"Program Files (x86)"\HamApps\JTAlert\JTAlertV2.exe /wsjtx /myid=IC9700
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=IC9700
ここまで ---------------------------
ここから --------------------------- WSJTX-FT991A.bat
start C:\"Program Files (x86)"\HamApps\JTAlert\JTAlertV2.exe /wsjtx /myid=FT991A
start C:\WSJT\wsjtx\bin\wsjtx.exe --rig-name=FT991A
ここまで ---------------------------
WSJTX-IC7300.bat、WSJTX-IC9700.bat、 WSJTX-FT991A.batを適当なフォルダー(私の場合 C:\WSJT)に置いて、それぞれのショートカットを作ってデスクトップに置きました。アイコンはJTAlertのWSJT-X用のアイコンに変更しました。(C:\Program Files (x86)\HamApps\JTAlert\iconsにあります。) 参考:デスクトップショートカットの作り方

(補足)

以上でIC-7300、IC-9700、FT-991AのWSJT-X+JTAlertを同時起動できます。もちろん、どれか一つのみの起動でも問題ありません。JTAlertを使わない場合もWSJT-Xのみを複数起動出来ます。
(注)JTAlertのCallsingsウィンドウの位置は起動順で記憶されているので、起動順番が変わるとCallsingsウィンドウの位置が変わってしまいます。Callsingsウィンドウの位置が違う場合はドラッグして適当な位置に動かしてください。
(注)JTAlertのCallsingsウィンドウの位置は起動順で記憶されているので、起動順番が変わるとCallsingsウィンドウの位置が変わってしまいます。Callsingsウィンドウの位置が違う場合はドラッグして適当な位置に動かしてください。
なお、終了時はJTAlertを終了してもWSJT-Xは終了されないので、個別に終了する必要があります。
最初にも書きましたが、私は現在、IC-7300M、IC-9700、FT-991AでWSJT-XとJTAlertを複数起動できるようにしています。同時に3つを起動する事も出来ますが、私のパソコンのCPU(Core i5-8500 CPU @3GHz)ではパワー不足でデコード時間が厳しいので2つまでの同時起動で使っています。
夏の間は6m(FT-991AM)とHF(IC-7300M)を同時モニターしている事が多いです。
4. JT_Linkerの設定
JT_LinkerはUDPメッセージによるログ転送を使います。
JT_LinkerのDecoder設定で [UDP Log Data] にします。ログ記録時にJTAlertからUDPでJT_Linkerにログ情報が転送されます。
JTAlertを使わない場合は各WSJT-Xのレポート設定で「セカンドUDPサーバー」の設定を行ってください。UDPメッセージによるログ転送を使うと複数WSJT-Xを起動してもJT_Linkerにログが転送されます。

JT_LinkerのDecoder設定で [UDP Log Data] にします。ログ記録時にJTAlertからUDPでJT_Linkerにログ情報が転送されます。
JTAlertを使わない場合は各WSJT-Xのレポート設定で「セカンドUDPサーバー」の設定を行ってください。UDPメッセージによるログ転送を使うと複数WSJT-Xを起動してもJT_Linkerにログが転送されます。

JTAlertまたはWSJT-X側の設定は以下の記事を参考にしてください。
JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定 (JTDX、WSJT-X、JTAlertの設定)
JTDX/WSJT-XとHAMLOGを連携するJT_Linkerのインストールと設定 (JTDX、WSJT-X、JTAlertの設定)
以上





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