FreeDV 2.2.x に合わせて2025年2月に書いた FreeDV用 イコライザーAPOの設定 を改版しておきます。主にFreeDV 2.2.xで変った画像の差替えを行いましたが、他にイコライザーの帯域幅を見直しました。
(ここから本文)
FreeDV 2.0 で追加された RADE V1 では信号帯域が2kHzより広がっていて10MHzバンドでの交信では問題があります。
アマチュア無線バンドプランでは10MHzバンドのモードはCWと狭帯域デジタルのみですが、狭帯域デジタルは占有周波数帯幅(OBW)を2kHz以下にする必要があります。
このため、「Equalizer APO」というソフトを使って無線機に入力するオーディオ信号を2KHz以下の帯域に制限します。
以下、Equalizer APO のインストールと設定について説明します。
1. インストール
ダウンロードは、SourceForgeの公式サイトからダウンロードします。最新版は1.4.2でした。

インストール後、Device Selectorが自動起動します。(起動しない場合は、インストール先の "C:\Program Files\EqualizerAPO\DeviceSelector.exe" を実行します。)
APOを設定するPlayback devicesを指定します。今回は対象の IC-7300のUSB Audio CODEC をチェックしました。(Playback deviceが再生出力、Captuer deviceが録音入力です。)
[OK] で進みます。

確認画面が表示されるので、[OK] でDevice Selectorを終了します。

以上でIC-7300のUSB Audio CODECにAPOが組み込まれました。
2. APO設定
次にインストール先の "C:\Program Files\EqualizerAPO\Editor.exe" を実行します。
Editor.exeのショートカットを作っておくと良いです。 参考:デスクトップショートカットの作り方
起動時にアラートが出ますが、[No]で進みます。

イコライザーAPOのEditorが起動されるので、① DeviceをIC-7300 USB Audio CODEC にして②example.txtはオフにします。
次にGraphic EQ:でイコライザーを設定します。設定を ③variable にして ④で編集します。
イコライザーの設定内容は1.8kHz幅にしました。
(補足)以前は1.5KHz幅にしていましたが、RADE V1では帯域を広くした方が受信SNRが良くなるそうなので1.8KHz幅に変更しました。

データーは以下です。
GraphicEQ: 25 -100; 40 -100; 63 -100; 100 -100; 160 -100; 250 -100; 400 -100; 590 -100; 600 0; 1500 0; 2400 0; 2410 -100;4000 -100; 6300 -100; 10000 -100; 16000 -100
-100dBのバンドパスフィルターなので、かなり急峻な形になっています。(グラフはマウスでスクロールすると縮小表示出来ます。)

下の Analisys panel にイコライザーのグラフが表示されます。Preamplificationは0.00にします。
600Hz~2,400Hzのバンドパスフィルターですが、スカートに乱れが出ています。

以上でAPOの設定は完了です。File→Saveで設定(Config.txt)を保存しておきます。
イコライザーAPOのEditorは終了します。
Windows APOの設定はWindowsをシャットダウン、再起動しても保持されます。
(補足)Windows APO
イコライザーAPOのEditorはWindows APO (オーディオ処理オブジェクト Audio Processing Objects)を設定するソフトウェアです。
設定された情報はAPOで保持されるので、イコライザーAPOのEditorを終了してもイコライザーが入ったままの状態になります。イコライザーを解除したければ、イコライザーAPO(Editor.exe)のONボタンをOFFにする必要があります。

RTTYなど他のアプリで無線機のUSB CODECを使う場合はOFFにしてください。
FT8では「Fake It」スプリット設定を使っていれば、1,500Hz~2,000Hzで送信するので、イコライザーがONのままでも大丈夫です。
組み込まれたAPO自体を解除したい場合は、Device Selectorでチェックを外せば解除されます。
なお、イコライザーAPOをアンインストールすればAPOも解除されます。
3. 動作確認
イコライザーの動作確認をしました。
IC-7300のRF POWERを0%、MONITORを100%に設定してパソコンからのオーディオ出力をパソコンのオーディオ入力に折り返します。

FreeDVを起動してModem設定の「Half/Full Duplex Operatin」の[Half Duplex]のチェックを外して、Full Duplexにします。

この状態でFreeDVを送信状態にすると折り返したオーディオ波形をモニター出来ます。
送信状態で[Spectrum]波形を見ました。
(イコライザーOFF)

(イコライザーON)

イコライザーの効果で600Hz以下、2,400Hz以上のゴミが無くなっています。
(補足)無線機のMONITORをONにして交信中も送信Spectermをモニターするとイコライザーが利いているのが分かって良いかも知れません。ただし、送信中自分の声が聞えてうるさいです。(^^;
(おまけ)RADE V1仕様
FreeDV運用ガイド RADEモードについてにRADE V1の仕様について書かれています。
私にはよく理解できない内容が多いですが、RADEではFECのフレームを組まないでRADEエンコーダーでFEC処理を行うそうです。

RADE V1のRADE波形の仕様です。

変調がOFDM/PSKで、常に1500Hzの帯域いっぱいに信号が広がって出ます。このため、1500Hzの外側にもゴミが出ているのでしょうかね。
キャリア数が30で1500Hz幅に信号があるので、1500Hzより狭いフィルターを入れるとFECでデコードは出来るのだと思いますが、デコード性能に悪影響がある気がします。このため、現在は1,800Hz幅のフィルターにしています。
「RADEモードの開発と運用の注意点について」によると次のRADE V2では占有帯域が800HzになるのでAPO不要になるようです。
あと、ボコーダーが機械学習ボコーダーだそうで、RADEの部分は機械学習に強いPythonで書かれているそうです。
私は現役時代(はるか昔)にテレビ会議、テレビ電話の開発をやっていたので、音声CODECには興味があります。FreeDVは最先端技術で音声CODEC処理を行っているので (残念ながら仕組みを良く理解できていませんが(笑)) とても興味深いです。(^^;
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FreeDV 2.0 で追加された RADE V1 では信号帯域が2kHzより広がっていて10MHzバンドでの交信では問題があります。
アマチュア無線バンドプランでは10MHzバンドのモードはCWと狭帯域デジタルのみですが、狭帯域デジタルは占有周波数帯幅(OBW)を2kHz以下にする必要があります。
このため、「Equalizer APO」というソフトを使って無線機に入力するオーディオ信号を2KHz以下の帯域に制限します。
以下、Equalizer APO のインストールと設定について説明します。
1. インストール
ダウンロードは、SourceForgeの公式サイトからダウンロードします。最新版は1.4.2でした。

インストール後、Device Selectorが自動起動します。(起動しない場合は、インストール先の "C:\Program Files\EqualizerAPO\DeviceSelector.exe" を実行します。)
APOを設定するPlayback devicesを指定します。今回は対象の IC-7300のUSB Audio CODEC をチェックしました。(Playback deviceが再生出力、Captuer deviceが録音入力です。)
[OK] で進みます。

確認画面が表示されるので、[OK] でDevice Selectorを終了します。

以上でIC-7300のUSB Audio CODECにAPOが組み込まれました。
2. APO設定
次にインストール先の "C:\Program Files\EqualizerAPO\Editor.exe" を実行します。
Editor.exeのショートカットを作っておくと良いです。 参考:デスクトップショートカットの作り方
起動時にアラートが出ますが、[No]で進みます。

イコライザーAPOのEditorが起動されるので、① DeviceをIC-7300 USB Audio CODEC にして②example.txtはオフにします。
次にGraphic EQ:でイコライザーを設定します。設定を ③variable にして ④で編集します。

イコライザーの設定内容は1.8kHz幅にしました。
(補足)以前は1.5KHz幅にしていましたが、RADE V1では帯域を広くした方が受信SNRが良くなるそうなので1.8KHz幅に変更しました。

データーは以下です。
GraphicEQ: 25 -100; 40 -100; 63 -100; 100 -100; 160 -100; 250 -100; 400 -100; 590 -100; 600 0; 1500 0; 2400 0; 2410 -100;4000 -100; 6300 -100; 10000 -100; 16000 -100
-100dBのバンドパスフィルターなので、かなり急峻な形になっています。(グラフはマウスでスクロールすると縮小表示出来ます。)

下の Analisys panel にイコライザーのグラフが表示されます。Preamplificationは0.00にします。
600Hz~2,400Hzのバンドパスフィルターですが、スカートに乱れが出ています。

以上でAPOの設定は完了です。File→Saveで設定(Config.txt)を保存しておきます。
イコライザーAPOのEditorは終了します。
Windows APOの設定はWindowsをシャットダウン、再起動しても保持されます。
(補足)Windows APO
イコライザーAPOのEditorはWindows APO (オーディオ処理オブジェクト Audio Processing Objects)を設定するソフトウェアです。
設定された情報はAPOで保持されるので、イコライザーAPOのEditorを終了してもイコライザーが入ったままの状態になります。イコライザーを解除したければ、イコライザーAPO(Editor.exe)のONボタンをOFFにする必要があります。

RTTYなど他のアプリで無線機のUSB CODECを使う場合はOFFにしてください。
FT8では「Fake It」スプリット設定を使っていれば、1,500Hz~2,000Hzで送信するので、イコライザーがONのままでも大丈夫です。
組み込まれたAPO自体を解除したい場合は、Device Selectorでチェックを外せば解除されます。
なお、イコライザーAPOをアンインストールすればAPOも解除されます。
3. 動作確認
イコライザーの動作確認をしました。
IC-7300のRF POWERを0%、MONITORを100%に設定してパソコンからのオーディオ出力をパソコンのオーディオ入力に折り返します。

FreeDVを起動してModem設定の「Half/Full Duplex Operatin」の[Half Duplex]のチェックを外して、Full Duplexにします。

この状態でFreeDVを送信状態にすると折り返したオーディオ波形をモニター出来ます。
送信状態で[Spectrum]波形を見ました。
(イコライザーOFF)

(イコライザーON)

イコライザーの効果で600Hz以下、2,400Hz以上のゴミが無くなっています。
(補足)無線機のMONITORをONにして交信中も送信Spectermをモニターするとイコライザーが利いているのが分かって良いかも知れません。ただし、送信中自分の声が聞えてうるさいです。(^^;
(おまけ)RADE V1仕様
FreeDV運用ガイド RADEモードについてにRADE V1の仕様について書かれています。
私にはよく理解できない内容が多いですが、RADEではFECのフレームを組まないでRADEエンコーダーでFEC処理を行うそうです。

RADE V1のRADE波形の仕様です。

変調がOFDM/PSKで、常に1500Hzの帯域いっぱいに信号が広がって出ます。このため、1500Hzの外側にもゴミが出ているのでしょうかね。
キャリア数が30で1500Hz幅に信号があるので、1500Hzより狭いフィルターを入れるとFECでデコードは出来るのだと思いますが、デコード性能に悪影響がある気がします。このため、現在は1,800Hz幅のフィルターにしています。
「RADEモードの開発と運用の注意点について」によると次のRADE V2では占有帯域が800HzになるのでAPO不要になるようです。
あと、ボコーダーが機械学習ボコーダーだそうで、RADEの部分は機械学習に強いPythonで書かれているそうです。
私は現役時代(はるか昔)にテレビ会議、テレビ電話の開発をやっていたので、音声CODECには興味があります。FreeDVは最先端技術で音声CODEC処理を行っているので (残念ながら仕組みを良く理解できていませんが(笑)) とても興味深いです。(^^;
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