時々、「WSJT-Xなどで受信レベルが上がらない」という相談があります。
「無線機側のオーディオ出力レベルと、Windowsのサウンド設定の無線機入力のボリュームを最大にしても受信信号のレベルが20dB程度にしかならない。」との事です。
受信信号レベルは70dB程度になるように調整するのですが、低すぎると弱い信号がデコードできません。
また、「WSJT-Xなどで出力が最大値まで出ない」という相談もあります。
「無線機側の変調入力レベルと、Windowsのサウンド設定の無線機出力のボリュームを最大にしても送信パワーが5W程度しか出ない。」との事です。

他に設定箇所は無いはずなのですが、いろいろやってもらっても、結局、解決しないという相談が何件かありました。

FreeDVで使うイコライザーAPOの記事の改版をした際に思いついたのですが、イコライザーAPOを使えば送受信信号のレベルを持ち上げられるかも知れません。

実際にやってみました。
イコライザーAPOのインストールは以下の記事を参照してください。


1. 受信レベルを上げる
最初に受信レベルを上げるテストをしてみました。
テストの為にWindows11の無線機(IC-7300M)からの入力音量を5%にしました。WSJT-Xの受信レベル表示は20dBくらいになりました。
イコライザーAPOの Device Selecter で、Capture devices の [IC-7300] を選びます。(分かりやすいようにWindows11のサウンドの設定でデバイス名を変更しています。)
EqApo1
イコライザーAPOのEditorで、[IC-7300-USB Audio Codec] を指定します。
2 example.txtと3 Graphic EQはOFFにします。
1 Preamplification はONにして、Gainで受信レベルを調整します。
40.0dBのGainを入れたらWSJT-Xの受信レベルが70dBくらいになりました。
(WSJT-Xの[モニター]をOFFして再度ONすると設定が有効になります。)
EqApo2
ダイナミックレンジの問題があるので、どの程度受信性能が良くなるのかは分かりませんが、受信レベルを調整する事が出来ました。

2. 送信電力を上げる
次に送信電力を上げるテストをしてみました。
テストの為にWindows11の無線機(IC-7300M)への出力オーディオを5%にしました。WSJT-Xで [Tune] 時の送信電力がPwrスライダー最大で5Wくらいになりました。
イコライザーAPOの Device Selecter で、Playback devices の [IC-7300] を選びます。(分かりやすいようにWindows11のサウンドの設定でデバイス名を変更しています。)
EqApo3
イコライザーAPOのEditorで、[IC-7300-USB Audio Codec] を指定します。
2 example.txtと3 Graphic EQはOFFにします。
1 Preamplification はONにして、Gainで送信レベルを調整します。
20.0dBのGainを入れたらWSJT-Xの送信電力が50Wまで出るようになりました。
EqApo4
イコライザーAPOで送信レベルを調整する事が出来ました。

受信レベルが低すぎる問題や送信レベルが上がらない問題は本来の原因を突き止めて対処すべきですが、どうしても解決しない場合はこういう対処方法もあるという事です。
次回同様な相談があった場合は、こちらの記事を紹介します。