IC-7300でFreeDV開始 (改版4)の改版記事です。FreeDV 2.3.x 対応で改版しました
FreeDV 2.2.1 から 2.3.x の変更点は「FreeDV 2.3.0 リリース」を見てください。

(ここから本文)
FreeDVはRADEモードがリリースされて音声品質が以前より各段に良くなりました。携帯電話並みの音声品質で、ノイズが無くてSSBの音声より聞き取りやすいです。
FreeDVをやられている方はまだまだ少ないですが、HF帯でデジタル音声で交信するのは技術的にもとても面白いので是非一度やってみてください。
本記事は無線機にIC-7300を使う例で書いていますが、他の無線機でも参考になると思います。
IC-7300MK2についても記載しておきます。

目次

  1. 1. 必要機材
    2. 無線機側の設定
    3. FreeDVインストール
    4. FreeDVの設定
     (1) Easy Setup
     (2) Options
     (3) Audio Config
     (4) CAT and PTT Config
     (5) メニューバー
    5. パソコンのオーディオレベル設定
    6. FreeDVで交信する
     (1) FreeDVレポーター
     (2) 受信
     (3) 送信
    7. その他の機能と情報
     (1) マイク イコライザー
     (2) ボイスキーヤー
     (3) 録音機能
     (4) グラフ画面の分割表示
     (5) Switch to Analog 機能
     (6) KiwiSDRの受信信号をデコード
     (7) ログ連携機能
     (8) PTTフットスイッチ
     (9) 複数リグ切換え
     (10) FreeDVユーザーマニュアル
     (11) 設定の初期化
     (12) FreeDVのアンインストール
     (13) RADE V1 モードに関して
     (14) FreeDV 記事リスト

1. 必要機材

FreeDVで通信するための機器構成です。
フリーDV45
マイク、スピーカーを準備すれば、FT8通信と同じ機器構成で始められます。
私はオンラインミーティング用のヘッドセットを使っています。安物です。(笑)

(事前準備)
FT8をやられている方はUSBドライバーをインストール済みだと思いますが、USBドライバーがインストールされていない場合は先にインストールしてください。
参考:IC-7300 IC-7100/IC-7200/IC-7300/IC-7410/IC-7600/IC-7610/IC-7850/IC-7851/IC-9100/IC-9700 USBドライバー ダウンロード
           IC-7300MK2 IC-705/IC-905/IC-905XG/ID-52/ID-50/IC-R15/ID-52PLUS/IC-7760/IC-7300MK2/IC-7300MK2M/IC-7300MK2S USBドライバー ダウンロード

USBドライバーをインストールすると、Windowsのデバイスマネージャーの「ポート(COMとLPT)」に無線機のCOMポートが表示されるようになります。 私の環境ではIC-7300MのUSBシリアルポートがCOM4になりました。 
FreeDV126
COMポート番号はFreeDVの設定で使うのでメモしておいてください。

(補足)Windows11でアイコムのUSBドライバーのインストールが失敗する場合は以下の記事を参照してsilabser.infからインストールしてください。

2. 無線機側の設定

IC-7300の設定を行います。
IC-7300の場合はFreeDV用のプリセットを作ると便利です。IC-7300MK2も同じ設定で大丈夫です。

プリセットの設定についてはIC-7300の最新マニュアルを参照してください。
フリーDV9
パソコンとIC-7300の接続はFT8と同じUSBケーブルです。IC-7300側の設定はFT8の場合とほとんど同じですが、FT8プリセットから一部変更しました。FT8と切り替えて使えるようにFreeDV用プリセットを作りました。プリセット3に設定しました。
20250104_094450
設定内容です。「FT8」プリセットと違うところを黄色にしてあります。
FreeDV11
RADEモードでは送信オーディオ帯域幅を500~2500Hzにします。
(2026年7月2日 改版)送信オーディオ帯域幅を100~2900Hzに変更しました。
RADE V1は変調方式がOFDMですが、OFDMではサブキャリア周辺のスロープも含めてOFDMの信号なので、送信帯域フィルターでカットするとサブキャリアの重なりが乱れてPAPRが悪化するそうです。
受信側でのSNRも悪化します。このため、送信オーディオ帯域幅を広くしました。
参考:FreeDV RADE V1のピーク電力(PAPR)の話題

(注)10MHzバンドの送信オーディオフィルター
10MHzバンドでは占有周波数帯幅(OBW)を2kHz以下にする必要があるのでパソコン側のオーディオフィルターが必要です。((13) RADE V1 モードに関して

(おまけ)
FT-991Aの設定について記事を書きました。


3. FreeDVインストール

最初にFreeDVをインストールします。現在のバージョンは FreeDV 2.3.1 です。
FreeDVのダウンロードページからWindows版をダウンロードします。
(注)32bit Windows版はありません。
FreeDV231_11
ダウンロードした FreeDV-2.3.x-windows-x86_64.exe を実行してFreeDV-2.3.xをインストールします。
インストール先はデフォルトのフォルダーにしました。
FreeDV230_2
[次へ] で進みます。

ショートカットはFreeDVの下に作ります。
FreeDV230_3
インストールが終了しました。
FreeDV230_4
インストールしただけではデスクトップ画面にショートカットが作成されないので、Windowsのスタートメニューから実行するか、Program Files のインストール先の bin にある freedv.exe を実行します。
デスクトップにショートカットを作っておくと良いです。 参考:デスクトップショートカットの作り方
FreeDV230_5
(補足)FreeDV 2.2.1まではPhysonライブラリがネットからダウンロードされるのに時間がかかっていましたが、2.3.0からはPhysonライブラリのダウンロードは無くなりインストールがすぐ終わるようになりました。

起動直後のFreeDVメイン画面です。(最初の起動でEasy Setupの画面も表示されます。)
FreeDV230_6


4. FreeDVの設定

最初にメニューバーの [Tools] から設定を行います。(最初の起動でEasy Setupの画面が表示されます。)

(1) Easy Setup

 Tools→Easy Setup
FreeDV230_7
Step1:Select Sound Device
 Radio Device: 無線機のUSB CODECを指定します。
(注)パソコンに複数の無線機を接続していてUSB Audio CODECが複数ある場合は、目的のUSB Audio CODECを指定できない事があるようです。その場合は [Advanced] から設定してください。 

 Decoded audio plays back through: パソコンのスピーカーを指定します。ヘッドセットを指定しました。待受け受信など受信音をスピーカーから流したい場合は、スピーカーを指定してください。
 Transmitted audio records through: パソコンのマイクを指定します。ヘッドセットのマイクを指定しました。

Step2:Setup Radio Control [Hamlib CAT Control] を選びます。
 Rig Model: 接続する無線機を選びます。
 Serial Device (or hostname:port): メモしておいた無線機のコムポート番号を指定します。
 Radio Address: ICOM機の場合、CI-Vアドレスを設定します。IC7300=94
 (00にすると問題が起こる事があるので、ICOM機の場合は調べて設定してください。)
 Serial Rate: CATの通信速度を設定します。
 PTT uses: PTT制御はCATにしました。
 [Test] ボタンで無線機が送信状態になればCAT制御はうまくいっています。
 (信号が送信されるので、送信電力を最低にするかダミーロードを使ってTestしてください。)

Step 3: Setup Reporting [Enable Reporting] をチェックします。
 Callsign: 自局コールサインを設定します。
 Grid Square/Locator: 自局グリッドロケーターを設定します。
 グリッドロケーターは地図からグリッドロケーター計算で調べて入力します。

Easy Setup で必要な項目は設定されているので、以降の設定はしなくても通信は可能です。
とりあえず通信してみたい方は、次の「5. パソコンのオーディオレベル設定」に進んでください。

Eazy Setupで上手くいかない場合や設定をカスタマイズしたい場合は、以降の個別の設定を行ってください。

(2) Options

運用周波数などの設定を行います。
参考に私の設定を掲載しておきます。初期設定から変更した箇所は赤文字にしておきます。
 Tools→Options
[Reporting]
FreeDV230_8
(Reporting)
[Enable Reporting] チェックして、自局コールサインとグリッドを設定します。
[Report to PSK Reporter] PSK Reporterにレポートを送出します。
[Report to FreeDV Reporter] FreeDV Reporterにレポートを送ります。FreeDVレポーターを使うためにFreeDV Reporterにレポートを送信する必要があります。
[Enable QSO Logging] (7) ログ連携機能を使う場合にIPアドレスとPort番号を設定します。
[Stations Heard Log File:] ログ情報をcsvファイルに出力します。 C:直下に「FreeDV」フォルダーを作って指定しておきました。
[Enable QSO Loging] KLogなどのログソフトと連携する場合は、チェックを入れてIPアドレスとポート番号を設定してください。
 [Stations Heard Log File:] 指定したファイルに、受信したコールサインのログが記録されます。C:直下に「FreeDV」フォルダーを作って指定しておきました。

(FreeDV Reporter)
[Hostname] FreeDVレポーターのURLです。変更しないでください。
[Distances in km] FreeDVレポーターの距離表示をkmにします。
[Show cardinal directions] 方位がENE(西北西)のような表示になります。
[Force RX Only reporting] 自局のStatusが Rx Only 表示になります。

(Callsign List)
[Use UTC Time] チェックするとLast Txなどの時刻がUTCになります。

[Rig Control]
FreeDV230_9
(PTT Options)
[Enable Space key for PTT] チェックしてあると [Space] キーによる送信開始/終了が出来ます。[Change] で他のキーに変更する事が出来ます。
[TX/RX Delay (milliseconds)] 送信開始/終了時の頭切れを防ぐために200msにしています。グラフ下のコールサインBOXに表示されるコールサインは送信終了時に送られるので TX/RX Delayを入れると相手がコールサインを受信できる確率が上がります。 


(Frequency/Mode Control Options)
無線機の周波数とモードの自動切換えに関する設定です。[Enable frequency and mode changes] にしておきます。 
[Use USB/LSB instead of DIGU/DIGL] チェックしません。(Dataモードの無い無線機の場合にUSB/LSBにします。)
[Frequency entry in kHz] 周波数がkHz入力になります。

(Predefined Frequency)
良く使う運用周波数を追加しておくと便利です。

[Display]
FreeDV106
ウォーターフォールとFreeDVレポーターの表示色を設定できます。

[Audio]
フリーDV107
ボイスキーヤー(Voice Keyer)と受信音声録音用に、C:直下に「FreeDV」フォルダーを作って指定しておきました。
[Rx Pause:][Repeats:] ボイスキーヤーの受信時間と回数を設定します。((2) ボイスキーヤー

[Modem]

FreeDV108
[Enable Legacy Modes] チェックするとメイン画面に 700D, 700E, 1600 モードのモデムを表示するようになります。通常はチェック無しにします。

[Simulation]
FreeDV109

[Debugging]
FreeDV110
[Enable Experimental Features] チェックしておくとグラフ表示の画面分割を記憶してくれます。((4) グラフ画面の分割表示 )

(3) Audio Config

Tools→Audio Config
オーディオ信号の入出力を設定します。
[Receive] 
FreeDV116
(Input To Computer From Radio)

無線機の受信オーディオ出力を選択します。
(Output From Computer To Speaker/Headphones)
受信音声のパソコン再生デバイスを設定します。例ではヘッドセットを指定しています。

[Transmit]
FreeDV117
(Input From Microphone To Computer)
音声を入力するパソコン入力デバイス(マイク)を指定します。例ではヘッドセットのマイクを指定しています。
(Output From Computer To Radio)
無線機の送信オーディオ入力を指定します。

(4) CAT and PTT Config

Tools→CAT and PTT Config
FreeDV230_10
(Hamlib Settings)
[Enable CAT control via Hamlib] IC-7300ではHamlibを使います。
[Rig Model] 接続する無線機を選択します。
[Serial Device (or hostname:port)] 無線機のコムポート番号を指定します。
[Radio Address]  ICOM機の場合、CI-Vアドレスを設定します。IC7300=94
[Serial Rate] CATの通信速度を設定します。
[PTT uses] PTT制御はCATにしました。
[PTT Serial Device] PTT制御をRTSなどにした場合は制御信号がつながったコムポートを指定します。

(Serial Port Settings)
古い無線機の場合などでHamlibを使わないで、制御信号でPTT制御のみを行う場合に設定します。

(PTT In)
フットスイッチなどの外部スイッチでPTT制御を行う場合に設定します。((8) PTTフットスイッチ)

(OmniRig Settings)
CAT制御にOmniRigを使う場合の設定です。

(5) メニューバー

メニューバーからの設定や機能について簡単に書いておきます。
・File
FreeDV230_24
[Keep On Top] チェックしておくとFreeDVのメインウィンドウが常に前面に表示されます。

・Tools
FreeDV230_25
[Easy Setup] Easy Setup画面を表示します。
[FreeDV Reporter] FreeDVレポーターを表示します。
[Audio Config] Audio Config画面を表示します。
[CAT and PTT Config] CAT and PTT Config画面を表示します。
[Options] Options設定画面を表示します。
[Filter] マイクイコライザー設定画面を表示します。((1) マイク イコライザー

[Start Play File - From Radio] 
「録音機能」([Record] ボタン)で録音した受信信号録音ファイルを再生します。((3) 録音機能

[Export Configuration] [Use Configuration]
 [Export Configuration] で現在の設定情報をファイル(.cnf)に保存します。[Use Configuration] で設定情報を読み込みます。設定情報に名前を付けて保存しておいて、切換えて使う事が出来ます。
無線機の切換えに使う事が出来ますが、「複数リグ切換え」はfreedv.exeの引数で設定ファイルを指定して起動すると便利です。((9) 複数リグ切換え

[Restore defaults] 設定情報を初期状態に戻します。((11) 設定の初期化

・Help
FreeDV230_26
[Check for Updates] ブラウザでFreeDVのダウンロードページが開かれます。
[About FreeDV] FreeDVやHamlibのバージョンが表示されます。
[User Manual] ブラウザでFreeDVのユーザーマニュアルが開かれます。
[Get Assistance] digitalvoice mailing listなどのURLが表示されます。

5. パソコンのオーディオレベル設定

オーディオレベル設定は私の環境では以下の値にしています。リグ側の設定はプリセットに設定した値です。ほとんど、FT8の設定と同じです。
受信
 パソコン再生デバイス(スピーカー) 適宜調整
 受信オーディオ(無線機から) 50%
 無線機AF出力 (IC-7300 ACC/USB AF出力レベル) 50%
 
送信
 パソコン入力デバイス(マイク) 80%(Frm Micの波形が平均で±0.4)
 送信オーディオ(無線機へ) 50%
 無線機変調入力 (IC-7300 USB変調入力レベル) 50%

マイクのボリューム(パソコン側入力)は「Frm Mic」の波形が平均で±0.4くらいになるよう [Mic/Spkr level] スライダーで調整します。
リグ側出力はFreeDVを送信状態にしてALCが大きく振れないレベルに [Tx Attenuation] スライダーで調整します。

パソコンのサウンド設定に関しては別記事に詳細を書いていますので、そちらも参考にしてください。



6. FreeDVで交信する

(1) FreeDVレポーター

メニューバーからFreeDVレポーターを表示します。
 Tools→FreeDV Reporter
FreeDV113
現在FreeDVをモニターしている局が表示されて、送信中の局が赤く表示されます。送信中の局を受信できている局は青く表示されて、受信SNRが表示されます。
自局が送信中に他局のSNRを見て受信出来ているかを判断する事が出来ます。
(表示色)初期設定では以下になっています。
 赤 送信中
 青 送信中の局を受信中
 ピンク 受信開始、メッセージ送信など変化があった。数秒間表示
 薄紺 クリックして選択した局

以下、FreeDVモニターの操作について簡単に書いておきます。
・上部メニューバー
FreeDV230_11
[Show] 列の表示をON/OFF出来ます。不要な列を非表示にして全体の横幅を狭く出来ます。不要な列を非表示にしてMsgの幅を広くしておくと良いです。
[Filter] [Idle more than...] からIdle Filterの時間を設定出来ます。設定時間より長く変化がない(送信、受信開始、周波数変更、メッセージ送信していない)局が非表示になります。

・列の操作
Version、SNRなどの列タイトルをドラッグして並びを変える事が出来ます。SNRをMHzの横など前の方に表示しておくと見やすいです。
Callsign、Locaterなどの列タイトルをクリックするとその列の文字でソート出来ます。
kmでソートすると近くの局を上の方に表示出来ます。MHzでソートすると同じ周波数を受信している局を絞り込めます。
列タイトルを右クリックするとフィルタリングメニューが表示されて、以上/以下でフィルターを設定する事が出来ます。例えば、[km] で3,000km以下の設定をすると、3,000km以上のDX局が表示されなくなります。
FreeDV230_12
・行の操作
受信中に受信したい局の行をダブルクリックすると、その周波数がメイン画面の[Radio Freq.(Mhz)] に転送されて受信周波数が変わります。
行をクリックすると選択状態(薄紺色)になります。 [Request QSY]を行う局を選択する際などに、先に選択状態にします。
Call列のコールサイン上で右クリックすると、QRZ.com/HamQTH/Hamcallでその局を検索できます。
Msg列のメッセージ上で右クリックすると、メッセージをコピーできます。相手局のメッセージをログのRemraksに書いておくなどに使えます。

・下部ボタンなど
FreeDV230_13
[Close]
FreeDVレポーターを終了します。
[Requst QSY] 受信状態で [Request QSY] ボタンで選択局にQSYリクエストを送る事ができます。 (後述)
[Website] ブラウザでFreeDVレポーターを開きます。
[Band] 表示局数が多すぎる場合、[Band] ボタンでモニターするバンドを指定できます。
[Track] チェックしてbandまたはfreqを選びます。自分が受信しているバンド/周波数の局だけが表示されます。
[idle] Idle Filterの状態を表示します。
[Message] 入力がリストの [Msg] に表示されるので適当なワードを入力しておきます。
[Send] でMessageが送信されます。[Send] の右クリックでMessageを保存できます。
[Clear] でMessageがクリアされます。[Clear] の右クリックで保存したMessageを削除できます。
保存したMessageはMessage Boxの∨で選択できます。保存したMessageを選択して右クリックして、Messageの編集、削除、追加が出来ます。
Messageは日本語も入力可能です。QTH、名前などを表示されている方が多いです。音声での交信が不安定な場合にMessageでやり取りする事が出来ます。

(おまけ)ウィンドウ位置とサイズの調整
FreeDVとFreeDVレポーターのウィンドウ位置とサイズはパソコンのモニターサイズに合わせて調整してください。XGA(1024×768)のモニターに合わせた配置の例です。
FreeDV230_16

(2) 受信

周波数をメイン画面右下の「Rport  Freq.」に周波数を直接入力、またはリストから選択します。
[Start Modem] をクリックすると受信が始まります。
FreeDV230_14
受信している周波数で送信している局があれば、デコードされて音声が聞えます。
音量は [Mic/Spkr Level] スライダーで調整してください。

(右側表示/ボタン)
[Start Modem] をクリックすると受信が始まり、ボタンが  [Stop Modem] に変わります。
 無線機の周波数は「Radio  Freq.」に設定した周波数に変わり、通信モードもLSBーDまたはUSBーDに自動的に変わります。(通信モードはバンドに応じてLSB/USBが自動的に設定されます。)
 グラフ画面にはウォーターホールが表示されます。
・受信周波数はFreeDVレポーターで対象局の行をダブルクリックして、その周波数に変更する事が出来ます。
 「Radio  Freq」に周波数を直接入力してリターンで変える事も出来ます。登録済みの周波数を選んで変える事も出来ます。
[Stop Modem] 受信中にクリックすると受信が停止します。無線機の周波数は [Start Modem] 前の周波数に戻ります。Toolsからの設定変更は受信停止状態にして行います。

[Speaker Level] 受信中は受信音量を調整できます。
[Switch to  Analog] 無線機の受信音がデコードされずに聞こえます。

(グラフ表示)
グラフ表示はグラフ下のタブで選択できます。通常は [Waterfall] を表示しておきます。
 [Waterfall] 受信信号(無線機のオーディオ出力)のウォーターフォール波形を表示します。
 [Frm Radio] 無線機からの受信オーディオ波形を表示します。
 [Spectrum] 受信音声のスペクトラムを表示します。
 [Frm Decorder] 受信音声の波形を表示します。
 [SNR] 過去180秒の受信SNRがグラフ表示されます。

(左側表示/ボタン)
[SNR] 受信信号のSNRを表示します。RADE V1モードでは0dB以上なら安定した音声が聞えます。(-2.5dB以下は音声が再生されません)
[Record] 送受信音声を録音出来ます。((3) 録音機能
[Turn On] FreeDVレポータへの自局情報の表示をオン/オフできます。オフにするとタヌキワッチできます。(笑)
(注)マナーとして、交信(送信)する際は [Turn ON] でFreeDVレポーターに自局情報を表示して送信してください。

(下部表示/ボタン)
[受信コールサインリスト]
グラフの下のコールサインBOXに受信局のコールサインが表示されます。∨で受信局リストを表示できます。[Clear] でリストをクリアできます。
FreeDV129
(補足)待受け受信

私はヘッドセットを使っていますが、待受け受信や他局の会話をモニターする際はスピーカーをヘッドセットからパソコンのスピーカーに切り替えています。残念ながら、[Start Modem] 状態では再生デバイスの設定を変更できないので、いったん [Stop Modem] して変更しています。

(補足)Request QSY
FreeDVレポーター画面で交信したい局を(クリックして)選択状態(薄紺色)にして、[Request QSY] ボタンを押すとQSYリクエストを送る事ができます。先に受信周波数(Radio Freq.)をQSYしたい空き周波数にしてからリクエストします。
自分に送ってみました。
フリーDV62
[Change Frequency] で相手と同じ周波数に変更して交信できます。

(3) 送信

(3-1) 送信電力の調整
[Tune]をクリックすると1500kHzのキャリア信号が送信されます。「<< < > >>」で無線機のALCが大きく振れないレベルに調整してください。<< >> は1dB、<>は0.2dB刻みで変化します。
FreeDV230_15
(2026年7月2日追記)[Tune] で調整するとピーク電力が無線機の定格電力より低くなります。ピーク電力を定格電力にするには [PTT] をクリックして信号を送信してALCが振れなくなるレベルに調整するのが良いようです。参考:FreeDV RADE V1のピーク電力(PAPR)の話題

(3-2) 送信
[PTT] をクリックすると送信が始まります。
FreeDV230_17
(右側表示/ボタン)
・[PTT]
をクリックする(またはスペースキーを押す)と送信が始まり、グラフ表示は[Frm Mic]を表示し自分のマイクレベルが分かります。
 [PTT] を再度クリックする(またはスペースキーを押す)と送信が終了します。
・ [Mic level] [Frm Mic]の波形が平均で±0.4くらいになるように [Mic/Spkr level] スライダーで調整します。
・[Spaceキー] FreeDVまたはFreeDVレポーターのウィンドがアクティブな状態でキーボードのSpaceキーを押すと送信/受信を切り替える事が出来ます。交信中にマウスを使いたくない場合はSpaceキーを使うと良いです。(昔、Spaceキーを押して連続送信してしまった事故がありました。(^^;)
・[TX Attenuation] 送信電力を調整します。送信状態で無線機のALCが大きく振れないレベルに調整してください。
・送信するとFreeDVレポーターの自局のコールサインが赤く表示されます。
[Switch to  Analog] 送信音声がエンコードされずに送信されます。Analog状態にしてSSBで交信する事が出来ます。((5) Switch to Analog 機能
[Start Voice Keyer] ボイスキーヤーとして、あらかじめ録音しておいた音声ファイルが送信されます。((2) ボイスキーヤー

(グラフ表示)
グラフ表示は送信中は [Frm Mic] を表示します。

(左側表示/ボタン)
[Level] 送信時の音声レベルを表示します。大きい音が入ると「Clip」が表示されるのでClipが表示されない程度の声で話してください。レベルが大きすぎる場合は、[Mic/Spkr level] スライダーで調整してください。
[Log QSO] FD_Linkerなどのログ連携ソフトを使ってHAMLOGにログを記録出来ます。((7) ログ連携機能

(補足)HAMLOGへのログ記録
FreeDVモードはADIF仕様では Mode=DIGITALVOICE/Submode=FREEDV です。このため、HAMLOGへの記録は「FREEDV]としてください。


実際の交信はFreeDV Reporterを見て、しばらく交信を聞いて適当なタイミングで呼べば良いと思います。交信中の局がいなければモニターしている局がいる周波数でCQを出してみると良いです。
FreeDV Reporterがあるので、以前より相手を探すのがとても楽になりました。
FreeDV Reporterの [Request QSY] ボタンで他局の交信をモニターしている局にQSYリクエストを送って交信するのも良いかも知れません。

(FreeDV ロールコール)毎日夕方の4時頃からJA1MEI 茨田さんが7.167MHz付近でロールコールを実施されています。FreeDVレポーターを見て順に呼ばれますので、参加してみてください。

7. その他の機能と情報

(1) マイク イコライザー

Filter設定画面でマイクイコライザーを調整して、送信音声を好みの音質に調整する事が出来ます。
私はフィルターのイコライザーはMaicrophone/Speaker ともにOFFでフラットにしていますが、好みで音質を調整する事が出来ます。

以前、私のヘッドセットのマイクの場合、低域を抑えたほうが良いというアドバイスをいただいたので、150Hzのゲインを下げてみました。
Tools → Filter
FreeDV230_18
しかし... 現役時代の会社の先輩とFreeDVでラグチューしたら、声が変だと言われました。生の声を知ってる方には違和感があるようです。(笑)
やはり、フィルターはフラットにしたほうが良いようです。
5年前にFreeDVをやった時もダイナミックマイクが良いとか、低域を切った方が良いとか色々言われていましたが、RADEモードは広帯域のボコーダーなのでフラットにするのがラグチュー向きかも知れません。

(参考)Mic Audio Pre-Processing
送信音声の前処理に関する設定を行います。
[Tx Nose Suppression] チェックしておくとファンなどの周辺ノイズを軽減できます。
[AGC] チェックしておくとマイク音量を一定音量に調整してくれます。

(おまけ)送信音声モニター
送信音声をモニターしながらFilterを調整する事が出来ます。
[PTT] ボタンを右クリックして「Monitor tranmsmitted audio」をチェックします。
FreeDV230_19
この状態で送信すると送信音声をモニターできます。自分の声を聞きながら好みの音に調整してください。

(2) ボイスキーヤー

ボイスキーヤーとして、あらかじめ録音しておいた音声ファイルを送信する事が出来ます。
FreeDVをStartして、[Start Voice Keyer] ボタンを右クリックして、「Record new voice Keyer file」を選び、適当なファイル名を指定して[保存]すると録音が開始されます。CQ メッセージなどを吹き込んで[Start Voice Keyer] ボタンをクリックして録音を停止します。
FreeDV230_20
録音後、音声ファイルが開いた状態になると[Start Voice Keyer] ボタンが[Starat Voice Keyer 音声ファイル名] になります。
複数の音声ファイルを作っておいて、「Use another voice keyer file」で選んで使う事が出来ます。
[Monitor transmitted audio] で送出音声をモニターできます。[Adjust Monitor Volume] でモニター音量を調整できます。

CQを出したいときに [Start Voice Keyer] ボタンを押すと、送信状態になり録音したCQメッセージが送信されます。メッセ―ジ送信後、受信状態になり10秒おいてメッセージ送信を5回繰り返します。再度 [Start Voice Keyer] ボタンを押せば停止します。 (Pause時間と繰り返し回数はOption設定のAudioで変更出来ます。)
FreeDV230_21

(3) 録音機能

[Record] ボタンで送受信信号を録音する事が出来ます。別記事を参照してください。


(4) グラフ画面の分割表示

メイン画面のグラフ表示を分割表示する事が出来ます。
グラフの下のタブをドラッグして(左クリックでつかんで動かす)グラフの外枠上で離すと画面を分割して表示する事が出来ます。
以下は [Spectrum] と [Waterfall] を表示した受信画面です。
FreeDV230_23
2画面目のグラフ(上記では [Spectrum] )のタブを1画面目のタブ上にドラッグすると1画面表示に戻ります。

(補足)Tools→Options→Debuggingにある「Enable Experimental Features」にチェックを入れておくと画面分割の状態を記憶してくれます。

(5) Switch to Analog 機能

受信状態で [Switch to Analog] ボタンを押すと表示が [Swotch to Digital] に変わって無線機の受信音声がそのままスピーカーに流れます。送信するとマイクの音声がそのまま送信されます。
 [Switch to Analog] 機能を使って、パソコンのスピーカー/マイクでSSBやFMで交信する事が出来ます。


(6) KiwiSDRの受信信号をデコード

KiwiSDRの受信信号をFreeDVでデコードして、直接受信出来ない遠隔地の信号を受信出来ます。


(7) ログ連携機能

Option→Reporting の [Enable QSO Logging] を設定しておきます。

交信中の相手コールがグラフ下のコールサインBOXに表示されている状態で、コールサインBOXの∨で受信コールサインリストを表示して、相手コールをダブルクリックで選択してから [Log QSO] ボタンをクリックすると、Confirm Log Entry 画面が表示され [OK] でログソフトにログが送られます。
FreeDV230
FreeDVレポーター画面で交信したい局を(クリックして)選択状態(薄紺色)にしてから [LOG QSO] ボタンをクリックしても選択した局の情報をログに記録できます。
HAMLOGとの連携には連携ソフトを使います。HAMLOG連携ソフトはJH0PCFさんのFD_Linkerなどがあります。

(8) PTTフットスイッチ

FreeDVの画面にある [PTT] ボタンはマウス操作が面倒で、上に別のアプリのウィンドウが重なると操作できなくなります。
[Space] キーを使う事も出来ますが、FreeDVがアクティブウィンドウになっていないと駄目です。
このため、PTTフットスイッチを作りました。

(9) 複数リグ切換え

設定ファイルを作って複数リグを切換えて起動できます。


(10) FreeDVユーザーマニュアル

Helpからユーザーマニュアルを参照できます。目を通しておくと良いです。
 Help→User Manual
FreeDV230_27

(11) 設定の初期化

設定を初期化します。動作が不安定な場合など設定を初期化して再設定してみてください。 Tools→Restore defaults
FreeDV230_29

(12) FreeDVのアンインストール

FreeDVはWindows設定のアプリに表示されないので、Windowsの設定からアンインストールする事が出来ません。
 "C:\Program Files\" の下のFreeDVのフォルダーにある Uninstall.exe でアンインストールします。

(13) RADE V1 モードに関して

RADE V1 モードでの運用に関する情報です。
・送信帯域について
RADE V1モードのRF帯域幅は1500Hzですが、1500Hzの外側にスロープが広がっています。このため、RADE V1モードで10MHzバンドで運用するために、占有周波数帯幅(OBW)を2KHz以下にする必要があります。10MHzバンドでの運用はイコライザーAPOを使うなどの対策が必要です。


・周波数ズレ
RADEモードでは周波数ズレを ±50Hz以下にする必要があります。このため、ハイバンドでは周波数ズレが大きくて通信が厳しいかも知れません。周波数ずれが気になる場合は無線機の周波数校正をやってみてください。
参考:WaveSpectraによる基準周波数の校正

・送信電力

RADEモードのピーク対平均電力比(PAPR)は1dB(1.26倍)以下です。FT8(0dB=1倍)よりは大きいですが、ファイナルの負荷を考慮して最大電力の半分以下で運用したほうが良いかも知れません。
(2026年7月2日)RADE V1のPAPRは実際は4dB(2.5倍)くらいだそうです。ピーク電力がその無線の定格電力になるように調整して運用してもファイナルへの負担は小さそうです。

(14) FreeDV 記事リスト

このブログのFreeDVの記事リストを作ってあります。参考にしてください。
 FreeDV 記事リスト


(自分用
メモ)
RADEモードが動かなくなった件の調査で、レジストリの情報を調べたのでメモしておきます。
・レジストリ
FreeDVでは設定情報をレジストリのHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\freedvに保持しています。
フリーDV32

内容を見直したら追記したい内容が多くて、またまた長くなってしまいました。見直す度に肥大化してます。(^^;